2008/03/29

春じゃなくても食べられるよ

今日は上野に桜を見に行ったんだけど、ついでにアメ横によってサクラエビとワカメを買ったのだ。
ワカメは頼まれていたので買ったんだけど、ボクはサクラエビ入りのかき揚げが好きなので、ついでに買ったのだ。
ちょうどさっきまで見ていた桜と同じ色だしね(笑)

まさにサクラエビは桜色なのでサクラエビというわけだけど、もともと体は透明で甲に赤い色素があるから透き通ったピンク色に見えるんだって。
干したりゆでたりするときれいな桜色になるのだ。
体調は4cmくらいだけど体調より長い触覚があるのも特徴。
ゆでサクラエビの場合は、水の中ではしでくるくるかき回すと長い触覚がとれるよ。
これをとった方がおいしいと言われるのだ。

もっと古くから食べられているかと思いきや、サクラエビが食べられ始めたのは明治以降。
もともと深海に住んでいて、たまたま網が深く潜ってしまってとれたのが始まりなんだとか。
しかも、僕たちが食べている本物の国産サクラエビはすべて駿河湾産なのだ。
相模湾や東京湾の一部にも住んでいるらしいけど、漁が解禁されているのは駿河湾だけなんだって。
主な漁期は4~6月と10~11月で、6~9月は繁殖期なので禁漁期なんだそうだよ。

サクラエビはプランクトンを食べているんだけど、実はサクラエビが繁殖するには富士川が重要な働きをしているのだ。
昭和の初めの頃にサクラエビが激減したことがあったんだけど、その原因を富士川の汚染にあると突き止めたのが哲学者の中沢新一さんのおじいさんの中沢毅一さん。
私財をなげうって研究を行い、富士川の環境破壊を食い止める運動につながったのだ。
そのおかげで今もボクたちはサクラエビが食べられるようになったんだよ。
偉大な人なのだ。

クジラの問題もそうかもしれないけど、食は文化の大事な側面だから、環境破壊や乱獲でそれが食べられなくなるというのは文化の喪失だよね。
きちんとそのあたりにも配慮して、後世に食文化を伝えていきたいものなのだ。

2008/03/24

江戸から京の都へ

そのむかし「旧中山道」を「いちにちじゅうやまみち」と読んだアナウンサーがいたけど、今でも日本の東西をつなぐ幹線として東海道と中山道は名前を残しているのだ。
特に、東海道の場合は新幹線もそのままの名前の在来線もあるし、よりなじみが深いよね。
中山道の方は中央高速や中央線が一部沿って走っているけど、もともと甲州街道沿いの部分もあったりと完全に中山道に沿っているわけではなく、東海道に比べるとマイナーな感じがするのだ。

どちらも江戸幕府が開かれてから江戸と各地を結ぶ街道の中でも特に重要な五街道として整備されたんだけど、すでに律令制の時代から東西を結ぶ道として古い道はあったみたい。
鎌倉幕府ができると京都と鎌倉の間の往復が重要になるわけだけど、さらに江戸幕府が開かれて事実上の首都機能が江戸に移ると、経済の中心地である大坂(当時はこっちの字だよ。)、朝廷のある「都」である京、政治の中心地である江戸を結ぶ道が重要度を増したのだ。
なので、道幅を拡げ、一定区間ごとに一里塚などをもうけるとともに、宿場も整備して往来を楽にしたのだ。

一方で、こうやって道を整備すると攻め込まれることにもなるから、箱根なんかにあるように関所も設けて出入りを制限したのだ。
俗に言う「入り鉄砲に出女」というのは、江戸に向かって鉄砲が入ってくるとクーデターのおそれがあるから厳重にチェックし、一方、参勤交代はだ妙の奥さんと子どもを人質として江戸屋敷に住まわせるようにしていたわけだけど、その人質が逃げ出さないように江戸から外に出る女性を取り締まった、ということなんだって。

東海道の場合は歌川広重さんの浮世絵で有名なように、江戸日本橋から京三条大橋計59ヶ所の宿場が整備されていて、それで五十三次というのだ。
これは53泊するというわけじゃなくて、一般に男性なら1日で2宿分を歩いたというから1ヶ月弱で京都まで行けるのだ。
でも、子どもや女の人はそんなに歩けないので53ヶ所整備してあるわけ。
参勤交代の大名なんかは少しでも経費を浮かせるために駆け足で移動していたというから、もっと飛ばしていたのかもね。
街中をとるときだけ「下に~、下にっ」とゆっくりと歩いたみたいだよ(笑)

東海道の難所と言えば、箱根八里の山道。
とにかく急進で大変だったようなのだ。
今はトンネルもあるけど、箱根の山道は車で登っても大変だよね。
でも、それ以上の難所が、「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」なのだ。
大井川はもともと浅いけど急流でよく氾らんするので難所だったんだけど、それ以上に、駿府城に近いので江戸幕府から渡し船や架橋が禁止されていて、ここをわたるには肩車してもらったり、輿に乗ってわたる必要があったんだ。
このため、川の水位が低い、天気のよい日じゃないとわたれないので、ここで足止めを食うこともよくあったみたい。

もう一方の山側を通る中山道は、かつては東山道とも呼ばれ、また、読み方は同じだけど「中仙道」と描いたりもしたのだ。
幕府は公式には「中山道」と定めたみたいだけどね。
で、こっちの道は山道で、海沿いの東海道に比べて歩きづらいし、かつ、40km近く長くて69ヶ所の宿場が整備されたのだ(六十九次)。
それでもこの道が使われていたのは、大井川のような川がないから足止めを食わないことなんだ。
東海道は大井川以外でも大きな川をいくつかわたるのでそこで足止めを食うことが多かったみたいだけど、中山道は比較的そういう足止めが少ないことが魅力だったみたい。
女性は特に中山道を好んで使ったそうで、江戸末期に14代将軍家茂公に嫁いできた和宮親子内親王の一行は中山道を通ってきたんだよ。

中山道と東海道はもともと草津から先の、大津、京は宿場が共通なんだけど、実は、今の東海道本線は東海道に沿ったところと中山道に沿ったところが組み合わさっているらしいのだ。
海運が栄えていたので、最初に鉄道を敷設しようとしたときに東海道は不利で、山間部に敷設しようと決まったらしいんだけど、碓氷峠などの急峻な山間部では工事が難航し、長期間の工事が予想されるので途中から敷設が楽な海沿いのルートに変更されたんだって。
それが今の東海道本線で、東京から名古屋の熱田までは東海道に沿っていて、その先、岐阜を通って滋賀・京都へと続くところは中山道のルートに沿っているようなのだ。
というわけで、実は中山道という名前は廃れてきているけど、やっぱりしっかりと現代生活の中には生きているのだ。
こういうのっておもしろいよね。

2008/03/23

Rose Meat

ボクはどちらかというとクセがないので牛肉より豚肉が好きなんだよね。
中でも、脂ののったバラ肉なんかが好きなのだ。
あまり体にはよくなさそうだけど、脂がのっているとやわらかいし、うま味も濃いような気がするんだよね。
炒め物にしても、生姜焼きにしても、カレーに入れても、豚丼にしてもどんな食べ方でもおいしいような気がするよ。

そんなバラ肉だけど、ボクはてっきり脂のサシがきれいに入っていて、バラのように見えるからバラ肉というのだと思っていたのだけど、実はただ単に「あばら肉」だから「バラ肉」というようなのだ。
バラ肉は肋骨周辺の肉のことで、英語ではリブなんだよね。
赤身と脂身が交互に重なっていることから日本語では三枚肉ともいうのだ。
で、豚バラとわざわざ言うように、あばら骨周辺の肉はウシでもブタでもバラ肉って言うみたい。
焼き肉のカルビもまさにこのあたりの肉で、ウシのバラ肉は通常はカルビと呼ばれているのだ。
骨付きカルビの骨はあばら骨だったんだね。

カルビと言えば脂身が乗っていてこってりしたものだけど、その対極にあるのは脂身がほとんどない赤身肉のロース。
このロースは和製英語で、ロースト(roast)に適した肉だからそう呼ばれるようになったんだって。
英語でも韓国語でもないので、日本でしか通じないみたいだよ。
ロースには2種類あって、肩の辺りの肩ロースと、バラ肉の近い部位のリブローズがあるのだ。
肋骨周辺で脂身が多いとバラ肉で、脂身が少なく赤身肉だとロースになるのだ。
実は肩ロースの周辺にも脂身の多い肉があって、それは肩バラと呼ばれるそうだよ。
けっきょくは脂身が多いとバラ肉で、少ないとロースということになるのだ。
いわゆる英語のローイン(サーロインとかテンダーロイン=ヒレ肉とか)に近い部位だけど、日本独特の区分なのでぴったりと英語の部位とは合致しないんだって。
ちなみに、同じあばらの近くでも横隔膜の筋肉はハラミになるのだ。

話はもとにもどってバラ肉になるけど、バラ肉は煮物や炒め物などの料理によく使われるんだけど、これは脂身が入っていることで底の部分から脂が融け出し、うま味を出すとともにやわらかくなるからなのだ。
脂身の脂が出きった残りの部分にはコラーゲンなんかも多いし、沖縄料理のようにしっかりゆでて脂をぬいた後に料理に使えばヘルシーなんだよ。
それに、ベーコンやソーセージの材料としても重要で、ロースではこうはいかないのだ。
欧米の人たちは肉の味が好きだから脂身の少ない肉でステーキを焼くのだけど、日本人にはぱさぱさしていてあまりおいしく感じないんだよね。
でも、その一方でベーコンやソーセージのような加工肉の場合は、脂身の少ない肉で作るとぱさぱさでおいしくないから、脂身をたっぷり含んだバラ肉で作っているんだよね。
そう考えると、なんだか不思議な食文化だよ。

2008/03/22

熱風でふかふか

きっとむかしは違ったんだろうけど、現在は米国の都市部ではほとんどの過程が洗濯乾燥機を使っていて、外に洗濯物を干すということがないのだ。
個人的には日光に当てて干した方が好きなんだけど、干す環境も整っていないので、ボクも乾燥機を使っているんだ。
なんだかエネルギーも無駄遣いしているような気がして、ちょっと罪悪感があるんだけどね。
家に乾燥機がな人たちも外に干すことはせず、コインランドリーなんかを利用するみたい。
車社会で排気ガスがひどいとか、そういう理由もあったりするのかな?

洗濯乾燥機はドラムで衣類を開店させながら、そこに乾いた熱風を当てて乾燥させるという仕組みなのだ。
熱源は電熱式のものとガス式のものが主流で、本体内にたまった水分や湿気を帯びた空気を排出することで乾燥状態を保っているみたい。
熱を加えるとともに湿気を下げて、どんどん水が蒸発していく状態を作り出すことで乾燥させているのだ。
そういう意味では原理は極めて単純なんだよね。

メリットとして、天候に左右されずに衣類を乾燥させることができることなのだ。
部屋干しでゆっくり乾かすと乾かしている間に雑菌が繁殖して変な臭いがついたりすることもあるけど、乾燥機で短時間で乾燥させればそのおそれはないのだ。
花粉症の人なんかは花粉の時期には外に洗濯物を干せないから乾燥機は重宝するよね。
でも、無理矢理乾燥させていることには変わりないので、薄い生地や化学繊維のものなんかはあんまり向いていないのだ。
もちろん、絹やウールなんかの手洗いが推奨されるようなものにも不向き。
タオルやTシャツ、スウェットなんかの丈夫な生地のものは向いていて、それこそ米国でよくきられている衣料なんだよね。
普及するわけがよくわかるのだ(笑)

でも、日光で干すことにはいい面もあって、ひとつは紫外線も当たるので殺菌されること。
天日干しだといやな臭いがつかないのはこのためなんだよね。
しかも、わりとゆっくりと干していくのでふっくらと仕上がるのも特徴なんだよね。
そこは無理矢理乾燥させているのとはやっぱり違うのだ。
それと、天日で干すとなんだか「お日様のにおい」のようなよい香りがする感じがするよね。
きっと乾燥機で干すのとは香りのもととなる物質が洗濯物に残る・残らないのところで差があるのだ。
でも、何より、日光を活用すればそれだけエネルギーを使わなくて済むから省エネだよね。
せっかく日が差すなら、できれば天日干しですっきりとふかふかに干したいものなのだ。

2008/03/21

一音一字じゃないっ!

ボクは最近浮世絵とか江戸時代の絵が好きになってよく見るようになったんだけど、そこにはちょっとした字が書いてあったりするんだよね。
でも、たいていは「うねうね」している字で書いてあって判読できなかったのだ。
で、読みたくなったので少し勉強してみたんだけど、これがびっくり!
読めなかった理由は崩し字が読めなかったことだけじゃなかったのだ。
そこには今では既に使われていない仮名が使われていたんだよね。

今のひらがなは「ん」と歴史的仮名遣いの「ゐ」、「ゑ」を入れて48文字だけど、なんとこれは明治になってから(1900年)決めた小学校令の中で定められたもので、それまではひとつの音に対してひとつの仮名ではなかったのだ。
いわゆる「変体仮名」と呼ばれるものだけど、今でもおそば屋さんの看板で読めない「きそば」という文字があるよね。
まさにあれが変体仮名で、「そば」は「楚者」を崩し字で書いてあるんだ。
落語の名人古今亭志ん生さんの「志」も別に感じじゃなくて、「し」の音の変体仮名の「志」なんだよ。
浅草にあるどら焼きの隠れた名店「おがわ」も、「が」は「可゛」なんだよね。
で、こういう今は使われない変体仮名があるから、さらに読みづらいというわけ。

もともと今の平仮名は漢字の草書体をさらに崩して作られ、形が整えられたものなんだよね。
で、その崩し途中の字やら、別の字を崩したものが変体仮名なのだ。
「あ」は「安」の草書体からできているけど、「阿」からも変体仮名ができていたりするわけ。
で、別にこれは違う音で発生していたわけじゃなくて、特に使い分けもなく、描きやすさやくせで使い分けていたようだよ。
平安時代はもっと多くの変体仮名があって、江戸時代にはかなり減っていたみたいだけど、それでも100字以上はあったみたい。

もともと奈良時代より前は、日本の正式な文章は漢文で書いていたのだ。
なので日本の正史の日本書紀はすべて「漢文」で書かれていて、今の岩波文庫版なんかはその読み下し文なんだよね。
一方、万葉集なんかの歌謡は「和文」で大和言葉も使われて書かれていて、正史として書かれなかった古事記は漢文風だけど大和言葉が混じっているみたいなのだ。
でも、奈良時代の万葉仮名は今で言う仮名とは違って、表意文字として使う感じと表音文字として使う感じ(これがいわゆる万葉仮名)が混ざっていて、見た目はただの漢字の羅列なのだ。
なので、これを読むにはどれが仮名として使われている感じかを見極めないといけないんだよね。

平安時代くらいになると女性を中心に仮名書きが行われるようになるんだけど、仮名がかなり発達してきて、よく使う仮名は崩した字で書かれるようになるのだ。
これはよく使うからどんどん崩されていって、感じとして使われる文字とだんだん特別がつくようになってくるんだよね。
こうして仮名が成立するんだけど、音を表せばいい、という発想でもともと万葉仮名が作られたからか、一音一字でなくて、一音に対して様々な字が仮名として使われるようになったみたい。

でも、それだと不便なので、明治政府は一音に対して仮名を一字と定め、今の仮名が誕生したのだ。
これでだいぶ読みやすくなったし、活字なんかにもしやすくなったんだよね。
江戸時代の木版も活版印刷だけど、崩し字をそのまま画像のように彫り込んでいるだけなので(今で言うとPDFの発想に近いね。)、活字とは言えないんだよね。
でも、それでも江戸時代の識字率は世界で一番だったというから、むかしの人はすごいのだ。
あのうねうねしていて、さらにいろんな仮名の交じった文章を読んでいたんだよね。

2008/03/20

道路からゆらゆら

春から夏にかけての天気のよい日なんかにはよく陽炎が見えるよね。
地面すれすれの高さのところがもやもやして見えて、そこだけ像がゆがんでゆらゆらするのだ。
夏に陽炎を見ると暑さを実感してしまって少しいやな感じがするけど、春先に陽炎を見つけるとあたたかくなってきたなぁとうれしくなるのだ。
同じ現象なんだけどね(笑)

陽炎は空気の屈折率の違いによって発生する現象で、空気は温度によって体積が変わるので、密度も変わるのだ。
均一な状態の空気の中を進む場合は光は直進するんだけど、あたたかい空気と冷たい空気が接しているところでは空気の密度に違いができるので光が屈折してしまうんだよね。
一般に、あたたかくて密度の低い方から冷たい密度の高い方に屈折するようなのだ。
陽炎の場合は、地面が太陽の光で温められ、その輻射熱で地面すれすれの空気が温められたとき、風がなくて空気が撹拌されないとあたたかい空気が地面すれすれのところにたまって、より上空の冷たい空気と混ざり合わないのだ。
すると、そこにあたたかい空気と冷たい空気の境目ができて、そこで光の屈折が生じるというわけ。

この屈折の世で景色が少しゆがんで見えるんだけど、もともとあたたかい空気と冷たい空気の接している部分は不安定だから、それがゆれて見えるのだ。
ちょっとした気温差だと陽炎なんだけど、もっと気温差が大きくなって屈折が大きくなると、今度は逃げ水なんかが見えるのだ。
逃げ水は蜃気楼の一種なんだけど、実際の位置より下に物が見えるようになるのだ。
これは、向こうからやってくる光が温度差のあるところにさしかかると、冷たい空気のある上の方に屈折してしまうんだけど、人間の頭の中では光は直進してくるものと認識しているので、実際よりも地面が下にあるように見えるのだ。
なので、建物なんかがあると、それが地面から浮いているように見えてしまうんだよね。
何もないと、空の青い色が見えて、それがいわゆる逃げ水になるのだ。

一方、いわゆる蜃気楼はこれとは逆で、下に冷たい空気があって、上にあたたかい空気がある状態なのだ。
寒流なんかが流れている場合、その上方で空気が冷やされて発生するのだ。
日本では富山湾の蜃気楼が有名だけど、きっとリマン海流(寒流)が流れているのがひとつの要因で、それに地理的条件などが重なっているはずなのだ。
オホーツク海で蜃気楼が見られるのもきっと海の水が冷たいからだよね。
で、下に冷たい空気があると、温度差のあるところで光は下に曲がるので、実際の位置よりも上にあるように見えるのだ。
すると、本来水平線の向こう側にあるものが浮かび上がって見えたり、逆さになった像が上に浮かんで見えたりと様々な現象が起こるんだ。
これも光が来るときには屈折しているのに直進してきたものと認識するからそう見えるんだよ。
普段は見えない遠方の島が見えたりすると、まさに蜃気楼という感じだよね。

むかしの中国人は年を経た大きなハマグリが霧のようなものを出して、それで人を惑わしていると考えたんだよね。
なので、
ハマグリの出す気の楼(建物)」で蜃気楼になるのだ。
蜃気楼で見えているものは、もともと見えているものの像が逆さまになったものだったり、水平線の下にあるものが見えるようになっているものだったりで、本来存在しているものが見えているだけなんだけど、像がぼやけていることもあってむかしの人はそこがあたかも竜宮城のような理想郷があるように見ていたんだよね。
でも、単に空気の屈折率による現象と考えるよりは、そういう理想郷のようなものがたまーに見えると考えた方がなんだかすてきな気がするよ。
実際はまだ知られていない深海に住む大浜繰りが冷たい息を出して、それで海上に冷たい空気の層ができて蜃気楼ができているのかもしれないけどね(笑)

2008/03/19

指折り数えてみれば

英語で数字というとすぐに思い浮かぶのはnumberだけど、figureにも数字という意味があるよね。
グラフなんかを指して「この数字」なんて言うときにはfigureを使うのだ。
でも、金庫の番号や何桁の数字というときの数字にはdigitという単語を使うんだよね。
数字という意味ではなじみがないけど、これはデジタル(digital)のdigitなのだ。

digitというのはもともと手足の指のことを指していた言葉で、ものを数えるときには指を折って数えるので、数字という意味も持つようになったみたい。
これは洋の東西を問わず共通なんだね(笑)
特にアラビア数字のことを指すんだって。
さらに、そこから桁数を表すようになって、例えば4桁の数字という場合は、four-digit numberなんて言うのだ。
もともと指を指していた言葉だけあって、指幅をもとにした単位の3/4インチの長さのこともdigitと言うみたいだよ。

このdigitの数字という意味からできた言葉がデジタル(digital)。
デジタルというと0と1の二進法で表すものを指すような気がするけど、もともとは数字で表すことがデジタルなのだ。
アナログの時計は長針と短針の位置(角度)で時間を知るわけだけど、時刻を数字で表すとデジタル時計となるわけ。
今のコンピューターでは基本的にオン・オフの二進法ですべてのものを表すので、デジタルがいつしか二進法で表すもののように感じられているだけなのだ。

アナログとデジタルの最大の違いは連続的か断続的かということ。
数字で表す以上、どうしても数字と数字の間にギャップができてしまうのだ。
無限桁の数字を使えば擬似的に連続的になるけど、有限の数字で表す限りはギャップができるよね。
でも、時計の針なんかをいればわかるとおり、それが読み取れるかどうかは別として、アナログは連続的に表示することができるのだ。
でもでも、実際には時計の針は歯車で動いているから、この歯車の歯の数で実際には連続的ではなく、断続的な動きをしているんだよね。
針の動く角度にはどうしても最小単位があるのだ。

でも、それは時計に限ったことでなく、相対性理論が確立されてからは多くの物理量で見られる現象なんだよね。
これまで連続的だと思われていた物理量も、量子的に見るとそれ以上は小さくできない量子単位があって、連続的ではないのだ。
例えば、電気はマクロで見れば連続的に変化するけど、実際には電子1個1個の単位でしか動けないから、電子ひとつの量の電荷が電気の量子単位になるんだよね。
そう考えると、実は自然界もアナログでなくてデジタルなんだよね。
これってなかなかおもしろいことなのだ。

2008/03/18

力を入れて回す

米国に来てはじめて知ったんだけど、こっちではドライバーを「プラス」とか「マイナス」とか言わないのだ。
そもそもドライバーのことをドライバーとは呼ばず、「スクリュードライバー」ときちんと言うんだよね。
ドライバーといってしまうと運転手かゴルフのクラブの1番ウッドになってしまうみたいだよ。
こういうのを略すのは和製英語のことが多いんだよね。

で、プラスのドライバーは英語で「フィリップス」と言うのだ。
電機メーカーのフィリップス(Philips)とは関係なくて、フィリップス(Phillips)・スクリュー社が1933年に特許を買い取って発売したことに由来するそうだよ。
プラスの場合はねじ山とドライバーの先が自然にかみ合うので回しやすくて効率性が高くなるんだよね。
最近ではドライバーの先が磁石になっているものがあるけど、その場合はさらにネジが落ちないのでもっと便利なのだ。
ちょっとした工夫だけど、これは偉大な発明だよね。

で、ドライバーの先を十字にしたのが特許になるくらいで、もともとはドライバーと言えばマイナスだったみたい。
なので英語で単に「スクリュードライバー」というとマイナスドライバーなんだよね。
きっと日本に入ってきたときにはすでにプラスも普及していたから、先端の形で区別するようになったのかも。
欧米ではもともとドライバーはマイナスを指すから、先端で区別せずに後から出てきたものに名前をつけることになったのだ。

マイナスの場合はかたいネジの場合なんかは特にドライバーの先がねじ山から外れやすくて、ちょっと使いづらいんだよね。
シンプルな形で、ドライバー自体も作るのが簡単だから最初にできたんだろうけど。
でも、きちんとしめた後にわざとネジを外しにくくするにはマイナスのほうがよいし、ネジがあまりにも小さい場合は従事にねじ山をきれないのでマイナスになるのだ。
なので、まだまだ需要はあるんだよね。

このマイナスドライバーはピッキングにも使われるので、隠して持ち歩いていると処罰されることがあるんだって。
たいしたものじゃないような気もするけど、ドライバーを持ち歩くときには気をつけた方がよいかもしれないのだ。
もともと先がとがっていて危険なものではあるけどね。

一般にドライバーというとプラスとマイナスだけど、六角レンチとか、ねじ山と棒の先端をかみ合わせてネジを回すものはみんなドライバーと言うみたい。
特殊なものも含めてかなり種類が多いようなのだ。
大きさもいろいろあって、時計やメガネに使う小さなネジを回す精密ドライバーのようなものもあれば、業務用のモーターがついて自動で回す大型のものまであるよ。
工具としてそれだけ広い分野で使われているということだろうね。

ドライバーを使うとネジが回しやすくなるのは「てこの原理」なんだよね。
ドライバーの中心が支店と作用点になっていて、ドライバーのグリップのところが力点になるのだ。
中心から離れれば離れるほど小さな力で回転力(トルク)が得られるので、かたいネジを回すときにはグリップにさらにキャップをはめて太くするんだよね。
六角レンチのようなものの場合はすでにグリップじゃなくてT字型になっていて、その横棒を両手でもって回したりするよね。

2008/03/17

油を分けろ

最近は原油価格高騰やガソリン税の暫定税率の延長などなど石油が話題だよね。
きっと昭和49年のオイルショック以来の大きな取り上げられ方なんじゃないかな(笑)
でも、重油が最後まで残ったドロドロの部分というのは何となくわかるんだけど、原油からどうやってガソリンを分けたりするのかがいまいちぴんと来なかったので、少し調べてみたのだ。

油田から掘り上げられたままの石油の原油は、いろんな成分が混ざっている黒い少しどろっとした液体で、まさに石油臭がするのだ。
で、油田からは石油だけじゃなくて、ガスも出てくるんだよね。
そのガスを精製して不純物を取り除いたものが液化石油ガス(LPG)で、いわゆるプロパンガスなのだ。
主成分が炭素が3つの炭化水素のプロパンだからプロパンガスと言うんだよ(和製英語だよ。)。
でも、炭素が4つのブタンもけっこう入っているんだよね(笑)

で、基本的に石油の輸出は原油のまま行われて、タンカーで各国に運ばれるのだ。
なので、ときどき事故で海に流出するのはあくまでも原油なんだよ。
そんな原油を輸入して、ガソリンなどに分けることを石油精製というのだ。
英語だとrefiningと言うんだよね。
石油精製ではまず常圧蒸留装置というものを使って、中の成分を沸点の違いで分けていくのだ。
この操作を分留と言って、徐々に温度を上げていくわけだけど、沸点が低いものは早く蒸発するので早く分留されて、沸点が高いものほど後まで残るのだ。
最後に残るのが重油やアスファルトなんだけど、さらにそれを分けるために、今度は低い気圧にして蒸留する減圧蒸留装置というものを使うこともあるんだって。
沸点はまわりの気圧が低いほど低くなるけど、減圧することで温度を高温にしなくてもさらに分留することができるんだよ(あんまり高温になると熱分解してしまうので、常圧では蒸留できなくなるみたい。)。

こうして沸点の違いで分けられたもののそれぞれは留分と呼ばれるんだけど、それぞれにそれぞれの使い方があるんだよね。
最初に出てくるのは沸点が40度から70度の石油エーテルで、水に難溶性の物質を溶かす有機溶媒として使われたりするみたい。
あんまり身近なものではないのだ。
次に出てくるのが沸点が60~100度の軽ガソリンと100~150度の重ガソリン。
これはあ主に自動車燃料になるわけだけど、ガソリン精製の場合はさらに不純物の硫黄を除くのだ。
最近では環境への配慮からベンゼンも少なくするんだよね。
でも、ガソリンは別に自動車燃料だけじゃなくて、ベンジンのようなドライクリーニングの溶剤にも使われるのだ。
ガソリンで洗うとかえって汚くなってしまいそうだけど(笑)、自動車燃料用のガソリンはわざとオレンジ色に着色してあるみたいで、ベンジンなんかの汚れ落としに使うものは透明だよね。

その次に出てくるのは沸点が120~150度の軽ケロシンと150~300度のケロシン。
ケロシンってあんまりなじみがないけど、ジェット機やロケットの燃料に使われるものなのだ。
でも、いわゆる灯油もこのケロシンなんだよね。
日本語でケロシンというと純度の高いジェット燃料やロケット燃料だけを指すことが多いけど。
その先は沸点が250~350度のガス油と呼ばれるもの。
ディーゼル燃料や軽油、灯油なんかが含まれるみたいだけど、ちょっととろみがあるのが特徴だよ。
沸点が300度未満で一応蒸留できる最後の部分が潤滑油で、エンジンオイルなどのかなりとろーっとした液体なのだ。
で、最後まで蒸留されずに残るのが石油残渣で、この中には重油、タール、アスファルトなんかが含まれているんだ。
もうこのあたりになるとドロドロだよね。
タールやアスファルトなんかは液体というよりも、流動性がある、と言った方が近いのだ。

沸点はほぼ炭化水素の炭素数と対応しているんだけど、メタン、エタン、プロパン、ブタンは分子量が小さすぎて常温・常圧では気体なので、これは最初から原油に含まれていないのだ(溶け込んでいることはあるけどね。)。
で、炭素数が5~7のものは無色透明なもので、これをナフサというのだ。
ドライクリーニングの溶剤なんかに使うわけだけど、留分で言うと石油エーテルと軽ガソリンに含まれるみたい。
炭素数が8~12くらいが自動車燃料のガソリンで、10~15くらいがケロシンだよ。
このあたりが液体燃料として有用なのだ。
炭素数が10~20の範囲からは灯油やディーゼル燃料(軽油)が作られるけど、かなりとろっとしてくるのだ。
さらさらのナフサとは大違い。
炭素数が16~20位は潤滑油とか残渣分で、固形成分なんかも含まれるようになるんだよね。
ちなみに、炭素数が重複しているのは、直鎖構造の場合と分枝構造場合では同じ炭素数でも沸点などの性質が変わるからなのだ。
一般に分枝構造だと石油臭が強くて沸点は低めになるのだ。

というわけで、けっこう原油を精製するのも大変なんだよね。
でも、この家庭で様々なもの化学物質が得られていて、燃料に使うわけじゃなく、プラスチックの原料になったり、化学製品の材料になったりと現代人の生活を支える多くのものが出てくるんだよね。
そういう意味では非常に重要なことなのだ。
ちょっと調べてみただけだけど、まだまだ奥が深そうだよ。

2008/03/15

北国の春

やっとDCも春らしい陽気になってきたんだけど、それだけに街中ではモクレン属の花が咲き始めているのを見かけるようになったのだ。
いわゆるコブシの仲間で、モクレンの仲間はサクラよりちょっと早めに咲くんだよね。
なので、春の訪れを告げる花とも言われるのだ。
千昌夫さんの歌謡曲の「北国の春」もコブシが春を告げるはあとして出てくるよね。

コブシは白い小さめの花で中国原産のハクモクレンに似ているけど日本原産の木なんだって。
ちょうど春に田植えに備えて田んぼの土を起こす「田打ち」の頃に花を咲かせるので「田打ち桜」の別名もあるのだ。
サクラの仲間と同じように葉が出る前に花が咲くからなんだよね。
香りもなかなかよいし、白い花はよく目立つのだ。
でも、サクラに比べると散り際が少し汚いんだけど・・・。
ちなみに、よく間違われるけど、いわゆるモクレンは紫色の花で、白くて小さいのがコブシ、白くて大きいのがハクモクレンなのだ。
これらはみんなモクレン属(Magnolia)で、米国にはピンクや黄色の花もあるよ。

コブシの名前の由来は、つぼみが開く直前の形が幼児の「拳」の形に似ているからと言われているんだ。
また一説には、ごつごつした実の形がやっぱり幼児の「拳」に似ているからとも言うのだ。
まだ咲く前のつぼみを干したものは「辛夷(しんい)」という漢方薬で、鼻炎や鼻づまりに効果があると言われているよ。
モクレン属の花のつぼみは産毛が生えているのが特徴的なんだよね。
これがだんだんと大きくなってきて、先が割れて開花してくるのだ。
今のDCではまさに咲き始めてきている状態だよ。

辛夷はよく街路樹で使われるんだけど、ハクモクレンやモクレンも街路樹に使われるんだよね。
しかも、中にはハクモクレンとモクレンの交雑種のサクラモクレンというのもあるらしいのだ。
さあ蔵モクレンは白から紫がかったピンク色までのグラデーションの花を咲かせる木で、都内でもけっこうよく見かけるよ。
やっぱり桜より少し早めに咲くのだ。
咲く順番は、ハクモクレン、サクラモクレン、モクレンの順なんだって。
どうしても春を告げる花というと梅、桃、桜の順で思い浮かぶけど、バラ科だけじゃなくてモクレンの仲間にも注目してほしいものなのだ。

2008/03/14

広い・せまい

最近、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA:Japan Aeroapace Exploration Agency)が超高速インターネット衛星(WINDS:Wideband Internetworking Engineering Test and Demonstration Satellite)「きずな」の打上げに成功したのだ。
でも、気になったのは、英語では「wideband internetworking」となっているのに、日本語では「超高速インターネット」となっている点。
そこで、「ワイドバンド」についてちょこっと調べてみたんだよね。

今ではナローバンド、ブロードバンドというとインターネットの接続速度の速さを表すことが多いけど、もともとは通信で使う周波数帯域の広さで、よりせまい帯域を使うものがナローバンド、より広い帯域を使うものがワイドバンドと呼ばれているのだ。
ブロードバンドというのはワイドバンドの別名だよ。
で、このナローとワイドは別にどこまでがナローでどこまでがワイドということはなくて、相対的なものなんだって。

いわゆるナローバンドは無線通信や電話などの音声通信が主なのだ。
一方、ワイドバンド又はブロードバンドは画像転送やより精細な音響の通信なんかに使われるんだ。
これは、デジタル通信にした場合、周波数帯域が広ければ広いほど、一度に伝送できる情報量が増えるためなんだよ。
そうすると「大きいことはいいことだ」でワイドバンドの方がいいような気もするけど、有線の場合は同じ伝送路(電線)で多重化(一度に複数の信号を送ること。)できる回線数はナローバンドの方が多いし、なんと言っても、すでに全国に電話線がひかれているので網羅性があるというメリットがあるのだ。
さらに、伝送に使うエネルギーも少なくて済むので、情報量が少ないものについてはわざわざワイドバンドにする必要はなくて、ナローバンドが活躍できる素地があるのだ。

さらに、使用できる周波数帯には限りがあるので、何でもかんでもワイドバンドにするわけにはいかないんだよね。
ナローバンドを使った方がチャンネル数は増やせるので、全部をワイドバンドにするのは得策じゃないというわけ。
衛星による無線や移動体通信の場合は、まさにこの周波数の問題が出てくるんだよね。
なので、単純に音声をやりとりできればいい通信にはナローバンドを使うし、逆に大容量のデータ通信が必要なものにはワイドバンドが使われるのだ。
今回の「きずな」は一気に大容量のデータ通信を行うことができるワイドバンドなので、結果として「超高速インターネット通信」になるというわけ。

米軍なんかだおきちんと使い分けをしていて、主に船舶無線として衛星通信を使う海軍ではナローバンドの衛星通信システムを運用・開発しているんだけど、アフガンやイラクなどの「現場」に衛星画像などの大容量のデータを送信する通信システムとしてはワイドバンドのものが運用・開発されているのだ。
ワイドバンドの方は空軍の担当なんだよね、主に使うのは海兵隊と陸軍だけど。
全軍が使う必要のあるシステムは一括して空軍が運用・開発することになっていて、個別の軍資か使わないようなものはそれぞれが運用・開発することになっているのだ。
なので、GPSのような軍だけじゃなく民間も使うようなものは空軍が担当だけど、船舶無線に使うナローバンドは海軍が担当するというわけ。
海軍の場合、衛星画像なんかもらっても一面青い海原だから、むしろチャンネル数多く無線の回線が確保できた方がよいんだよね(笑)

2008/03/13

ニュースでしか聞かない言葉

まずニュースでしか聞かない言葉っていろいろあるけど、その中のひとつに「目出し帽」っていうのがあるよね。
最初は何のことかよくわからなかったんだけど、何のことはなくて、銀行強盗がかぶるような目の所だけが開いた覆面状の帽子のことだったのだ。
はじめはプロレスラーのデストロイヤーさんのかぶっているようなマスクを想像しちゃったよ(笑)
目出し帽は目と口に穴が開いているマスクじゃなくて、目のところだけゴーグル状に楕円形の穴が開いているんだよ。

この目出し帽はバラクラバとも呼ばれる防寒用の帽子で、頭部、顔面、頸部をまとめて防寒・保温できるので、よく山岳救助隊や寒い地方の軍隊が使っているんだよね。
自衛隊では「顔面覆」と呼ぶそうだよ。
もともとはクリミア戦争で英国兵が手編みのウールの帽子を持って黒海沿岸の寒冷地帯の戦地に赴いたしいんだけど、それが起源なんだとか。その帽子をかぶって戦った地名がバラクラバで、それが帽子の名前にもなったみたい。

比較的あたたかいときは目より下の部分は折り曲げて普通の帽子のようにすることもできるので、帽子の一種にされているらしいのだ。
つばがついたものもあるそうだよ。
でも、どちらかというとマスクだよね(笑)
でも、なんで普通に覆面って言わないんだろう?
実態がわかっていると「目出し帽」という名前はなるほどと思うけど、それだけじゃなんだかよくわからないよね。

同じようなよくわからない帽子の名前に鳥打帽というのがあるのだ。
これはいわゆるハンティング帽のことで、狩猟のときにかぶる帽子だよ。
テレビではよく刑事や探偵がかぶっているのだ。
そういえば、かなりむかしの特撮で、石の森正太郎さん原作のロボット刑事もかぶっていたのだ。
これは帽子の形状とかじゃなくて、英国の貴族がカモ猟なんかでかぶっていたからその名前があるんだよね。
でも、別にキツネ猟でもシカ猟でもいいはずで、なぜ鳥にだけ限っているかは不明なのだ。
それと、狩猟の場合は「撃つ」という感じだけど、「打つ」なんだよね(笑)

それにしても、なんでニュースだとこういう言葉を未だに使うのかな?
NHKは映画業界が作った言葉の「ゴールデン・ウィーク」というのは使わないで「大型連休」と必ず言うんだけど、そういうこだわりがあるんだよね。
目出し帽なんかは覆面といった方がわかりやすい気がするし、不思議なことなのだ。
ま、明治時代なんかは文章に書く文語と話し言葉の口語ではかなり違ったものだったというから、そういうように分かれていくきざしなのかもね。
そう考えるとそういうのに注目するのもおもしろいかもしれないのだ。

2008/03/12

外で食べると格別?

米国人はとにかく外で食べるのが好きなのだ。
もうすぐ春なのでますますその傾向が強まると思うけど、レストランなんかでも天気がよければオープンテラスの方が先に埋まるくらい。
家に大きな庭もあるから、そこで食事することも多いみたい。
当然、山や河原でバーベキューをするのも大好きなのだ。
米国の公園にはトイレはなくてもバーベキュー用のコンロは置いてある、というようなところがあるくらいだよ!

で、気になったのはバーベキューという言葉。
BBQとかも書くけど、まったく語源が想像できないよね。
調べてみると、スペイン語のbarbacoa(丸焼き)という言葉が語源で、それがbarbecueになって、音からBBQと書かれるようになったみたい。
もともと「丸焼き」だっただけあって、当初のバーベキューはじっくりとやわらかくなるまで焼き上げるものを言うんだって。
日本でやるようなサット焼いて食べるようなものはグリルで、正確にはバーベキューではないらしいのだ。
バーベキューと言うためには、リブやブリスケット(肩バラ肉)のようなかたくて食べにくい肉をじっくりと蒸し焼きにしてやわらかく仕上げなくてはいけないそうだよ。

米国のバーベキューは、南部地域で長時間かけてブタを長時間かけて丸焼きにして食べる習慣から始まったそうで、一家族では食べきれないのでまわりの人も呼んで一緒に食べていたみたいなのだ。
そこから野外に多くの人が集まって肉をじっくり焼きながら談笑して楽しむ習慣がバーベキューとして確立されたみたい。
今では大不人気のブッシュ大統領は、ノーベル賞を受賞したアル・ゴア元副大統領と大統領選を戦った1999年の時点では、自宅のバーベキューに呼びたいような気さくな人柄ということで人気を集めたんだよ。
米国の人にとってはバーベキューに呼べるかどうかっていうのがつきあいやすさのひとつの目安みたいだね。

日本ではそのまま焼き肉のたれが使われることが多いけど、米国での味付けはやっぱりバーベキューソース。
トマトケチャップやウスターソース、にんにくなどをまぜ、そこに香辛料を加えて、ちょっとスパイシーで、でも甘ったるいソースなのだ。
これには家ごとの独自のレシピなんかもあるみたいで、きっと日本で言うところのの家庭ごとに味噌汁の味が違う、というようなものなのだ。
米国の人はこの味付けが大好きみたいで、ポテトチップスやフライドポテト、チキンナゲットなんかでもバーベキューソースを使うのだ。
それだけ親しみのある味ということなのかもしれないけど。

2008/03/11

スペース・シャトル

せっかく打上げを見に来ているので少しスペース・シャトルについて調べたのだ。
スペース・シャトルは世界で唯一の再使用型宇宙往還機で、外部燃料タンクなんかの再利用駅内部分もあるけど、機体(オービター)は毎回帰ってきて、改修を受けた後に次のフライトに備えるのだ。
でも、当初は再使用できると打上げコストが安くできると構想されていたんだけど、できてみると改修費や運用費が高くついて、必ずしも安い打上げ手段ではなかったんだよね。
人が必ず乗らなくちゃ行けないし、普通の人工衛星の打上げにもあまり向かないのだ。
もうすでに2回も事故を起こしてしまっているわけだけど、そんなこともあって次の米国航空宇宙局(NASA:National Aeronauticas and Space Administration)の有人ロケットはサターン・ロケットと同じような使い切りロケットなんだよね。

もともとスペース・シャトルはポスト・アポロ計画の一環として計画されたもので、最初は宇宙ステーション計画とセットだったらしいのだ。
でも、ジョンソン政権の次のニクソン政権ではすでに宇宙はプライオリティの高い分野ではなくあっていて、そんなにお金のかかるプログラムは認められなかったんだって。
ニクソン大統領と言えば1969年のアポロ11号の月面着陸のまさにそのときの大統領なわけだけど、そのころには実はNASAの予算はピークを過ぎていて下り坂だったんだよね。
で、けっきょく宇宙ステーション計画は認められず、1984年にレーガン大統領が一般教書演説で計画をスタートさせることをことを公表するまでお蔵入りになるのだ。
10年以上水面下にあったということだよね。
でも、未だに国際宇宙ステーション計画は管制していないから、とても長期間のプロジェクトなのだ!

で、スペース・シャトルも「夢の往還機」として予算が認められたわけじゃなくて、寄りやすく宇宙に物や人を運べる手段として有望ということで開発が始まったそうだよ。
でも、完全再利用型にするには費用がかかりすぎるので、一部だけ再利用する今の形状になったのだ。
さらに、打上げコストを安くするためには本数を多く上げる必要があるので、米国内の人工衛星なんかはすべてスペース・シャトルで打ち上げる方針が模索されるんだよね。
そのために国防総省の軍事衛星や国家偵察局の偵察衛星なんかも上げられるようにで是院が変更されたりしているんだ(実際には衛星を積み込むペイロード・キャビティというのが大きくなったそうだよ。)。
で、当初の計画では年十機以上は打ち上げるはずだったんだけど、現在では6機も上げられない状態なんだよね。

スペース・シャトルの開発が始まると、軍が運用していた使い切りロケットの運用中止の方向性が探られるんだけど、軍からは猛反発があるのだ。
スペース・シャトルが使えなくなったときに人工衛星を打ち上げられなくなる、というのがその理由なんだけど、実際にチャレンジャー号の事故が起きてそれが現実になってしまうのだ。
軍ではその直前に新しい使い切りロケットの開発を認めてもらっていて、それでなんとかしのぐことができたんだよね。
それがデルタIIという米国でもっとも安定したロケットなのだ。
チャレンジャーの事故以降、軍部は引き続きNASAとは独立して使い切りロケットを運用することにあって、最新のものはロッキード・マーティン社のアトラスVとボーイング社のデルタIVだよ。

で、シャトルはコロンビア号で2回目の事故が起きてしまうんだけど、この時にはすでに20年以上にわたって運用が続けられていたのだ。
その間にもシャトルの後継となるようなものの開発の話は出てくるんだけど、費用がかかりすぎるのと、シャトルがあれば当面困らないので実現しなかったんだって。
でも、コロンビア号事故でそういう耐性がよくないと言うことが指摘されて、新たにロケットを開発し、月面有人探査を再開することを今のブッシュ大統領が決めたのだ。
シャトルは2010年に国際宇宙ステーションを管制させたら退役で、その後は新しい使い切りロケットに移行するんだけど、その運用開始は2015年と言われているんだよね。
けっこうギャップがあるのだ。

残すところシャトルの打上げもあとわずか。
2010年を過ぎてしまうと次の新しいロケットの打上げは2015年までないから、今のうちに見に来られてよかったのかも。
せっかくの経験なのでしっかり見てこないと!

2008/03/10

とりあえずつけておけば治るよ?

日本では完全にマナー違反だけど、米国では道につばを吐き捨てる人が多いんだよね。
むかしはメジャーリーグでもネクスト・バッターズ・サークルでかみタバコをかみながらグラウンドにつばを吐き捨てている選手なんかを見かけたけど、日本ではグラウンドにつばを吐き捨てただけで退場になったサッカー選手がいることを考え合わせるとものすごい文化の違いなのだ。
でも、このつばって、普段から何気なく口の中に充満しているけど、いまいち何をするものなのかよくわからなかったりするんだよね。

つばは「つばき」の略で「唾(つ)」+「吐き(ばき)」なんだって。
なので、「つ」だけで唾液の意味の大和言葉・雅語だったみたいなんだけど、吐き捨てるからつばきと呼ばれるようになって、それがつばになったのだ。
だとすると、日本でもつばは吐き捨てていたんだね。
江戸時代は手鼻で鼻水も飛ばしていたというから、ひょっとすると明治の文明開化以降の「エチケット」としてつばを吐き捨てちゃいけないというのが広まったのかもね。

で、つばは実は口中から分泌されていて、大きな唾液腺は3つ、小さな唾液腺は口の中のいろんな所にあるようなのだ。
大きな唾液腺というのは、耳の下に位置する耳下腺、下あごにある顎下腺(「う~んマンダム」でこするあたりだよ。)、舌の下にある舌下腺の3つなのだ。
基本的にほとんどの唾液はこの3つの分泌腺から出ているみたい。
胆のうでは分泌液がかたまって結石してしまう胆石という病気があるけど、実はこれらの唾液腺でも似たような結石ができるのだ。
唾液の中にはけっこうカルしムガ含まれているので、それが炭酸カルシウムなどの形でかたまってしまうみたい。
大きさなは小さいものが多いけど、これが唾液の出口につまると唾液の分泌が滞ってしまうので、その唾液腺のあるところがものすごくふくらんでしまうのだ!

この唾液は通常の聖人では1日に1リットルから1.5リットルも分泌されているそうで、無意識のうちに飲み込んでいるから気づかないけど、それってかなりの量だよね。
成分の99%は水だけど、消化や口腔内の殺菌・清浄といった働きがあるのだ。
口の中にある食べ物に水分を加えて飲み込みやすくするっていうのもあるんだよね。
唾液の分泌が不十分な状態でパンのような口のなあの水分を吸収してしまうようなものを食べるとむせてしまうのだ。
唾液が出ないことを考えると、毎回ものを食べるたびにそんな苦しみがあるってことだよね。
この作用だけでも偉大かも。

唾液に含まれる消化酵素で有名なのはアミラーゼ。
デンプンを分解して麦芽糖にする酵素なのだ。
小学校なんかでもヨウ素液によるデンプンの検出実験で、普通に白いごはんにヨウ素液をかけると紫色になるけど、口に入れてよくかんでからヨウ素液をかけると紫色が薄くなる、というのがあるのだ。
これは唾液に含まれるアミラーゼでデンプンが分解されるからなんだよね。
さらに、デンプンが分解されてできた麦芽糖を担当に分解するマルターゼも含まれていて、この二つの酵素のおかげでデンプンを含む食品(お米やパン、麺類、いも類など)はかみ続ければだんだん甘くなってくるのだ。
この他に脂質を分解するリパーゼなんかも含んでいるんだけど、タンパク質分解酵素のプロテアーゼはすい臓まで行かないと分泌されないのだ(胃の中では強酸の胃液でタンパク質が一部加水分解されるけどね。)。

消化酵素だけでなく、唾液にはリゾチウム(かぜ薬にもよく入っているよね。)のような抗菌作用のあるタンパク質も含まれているんだよね。
分泌液中にある免疫グロブリンのIgAもあるのだ。
よくかすり傷なんかはなめておけば治る、っていうのはこの唾液の抗菌・殺菌作用に注目したものなんだよ。
経験的に知られていただけだろうけど、唾液で傷口を洗浄し、かつ、リゾチウムやIgAで多少の病原体は駆除できるのだ。
動物なんかも傷口をぺろぺろなめるけど、本能でそういうのをしっているんだろうね。

さらに、口腔内の洗浄作用も重要なのだ。
唾液が常に出ているおかげではの表面についた食べかすなんかが洗い流されるのだ。
虫歯は歯の表面にこびりついている食べかすなどの上に細菌が繁殖して起こるんだよね。
細菌が食べかすを分解すると、そこから乳酸が出てきて、そえが歯質を溶かしてしまうのだ。
なので、歯を常に清潔に保てれば、歯を溶かす原因の乳酸が作れないので、虫歯になりにくいというわけ。
キシリトールという糖は口腔内の細菌が分解できない糖で、乳酸のもとにならないので虫歯にいい、と言われているんだ。
さらに、唾液で細菌の出す乳酸が薄められ、常に一定のpHが保たれていることも虫歯の予防に重要なんだって。
唾液の分泌が少なくて口の中がいつも乾いているような人は虫歯に注意なのだ。

2008/03/09

解熱鎮痛剤と麻酔薬

うちの大家さんが首を痛めてしまったようで、たいそうなコルセットをつけていて、とても苦しそうなのだ。
やっぱり痛いみたいで、痛み止めでアスピリンを飲んでいるんだよね。
早く治ってくれるいいけど。

で、いわゆる痛み止め薬として市販されているものは非ステロイド生解熱鎮痛薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)で、銭湯の桶でおなじみのケロリンなんかにも入っている19世紀から使われている薬のアスピリンをはじめとして、バファリンなんかの頭痛薬に入っているエテンザミド、かぜ薬によく入っているアセトアミノフェンやイブプロフェン、筋肉痛のぬり薬なんかに使われるインドメタシンなんかが代表的な薬剤だよ。
アスピリンだけはちょっと作用機序が違うのだけど、基本的にはシクロオキシゲナーゼ(COX:Cyclo-oxygenase)という酵素の活性を阻害するのだ(アスピリン以外は酵素の活性部位で本来の基質と競合するんだけど、アスピリンだけは酵素の活性部位をアセチル化することで阻害するのだ。)。
最初の薬のアスピリンが発見されたのは19世紀前半で、もともと柳の葉が鎮痛効果があると民間薬で使われていたんだけど、その中から有効成分としてサリチル酸が取り出されたのだ。
でも、このサリチル酸はそのまま薬として服用すると副作用が強くて、どうにか改善できないものか、と試行錯誤の上で出てきたのが、サリチル酸をアセチル化したアスピリンで、アセチルサリチル酸のことなんだよね。
アスピリンという名称はもともと商品名だったんだけど、これを開発した製薬企業のバイエルのあったドイツは第一次世界大戦で負けてしまい、このアスピリンに関する商標などもそのときに無効にされ、アスピリンという名称も一般名称にされてしまったんだ。
今でも日本のCMでアスピリンの開発から140年とかいうバイエルの宣伝があるよね。

で、このCOXという酵素は、細胞膜にある脂質のアラキドン酸からプロスタグランジンという物質を作っていて、これが実は痛みを増幅させるメディエーターとして作用するのだ。
なので、COXの活性を抑制してプロスタグランジンができないようにすると痛みが増幅されず、それにより、本来もっといたいはずのものがそんなに痛くない状態になるというわけ(アセトアミノフェンだけは中枢神経に作用していると言われているんだけどね。アセトアミノフェンだけはむかしから作用がマイルドだったので作用機序が違うと言われていたのだ。)。
ポイントは痛みのもとそのものを抑えているわけでない、ということなのだ。
でも、このプロスタグランジンには他にも作用があるので、それが同時に抑えられると副作用になるわけ。
胃が荒れたり、腎臓に悪影響が出たりするのが代表的なのだ。
でも、COXという酵素にはサブタイプで1と2があって、炎症反応などの場合は2が活躍していて、恒常的な昨日については1が担当していると言われているんだよね。
なので、最近は2だけを抑制するような薬を開発して、副作用を少なくしようという試みがなされているのだ。
プロスタグランジンは病気のときの発熱反応にも関係しているので解熱剤としても使われるんだけど、それは炎症反応系のCOX-2が関与していることがわかっているのだ。
でも、痛みの場合はどっちが効いているのかよくわからないのだ。
たぶん、2の方だと思うんだけどね。

一方、麻薬などにも使われるモルヒネなどの鎮痛剤は中枢神経内のオピオイド受容体に作用して痛みの伝達自体を止めてしまうのだ。
なので、NSAIDsとは違って、痛みが完全に遮断されるというわけ。
でも、中枢神経系に作用するがために、麻薬にも使われてしまうんだ。
いわゆる多幸感(とてつもなく気持ちよくなる)という効果なんだけど、ヘロインやコカインなんかの麻薬の場合、鎮痛効果はそれほどなくて、多幸感の方の作用の方が強いんだって。
でも、逆にそのことで禁断症状もとてつもないものになっているのだ。
本当に耐えきれないような疼痛を抱えている人にはイクラモルヒネを投与しても麻薬中毒症状は出ないとか言うけど、そういう危ない面もあるので使うには特殊な処方せんが必要なのだ。
覚醒財形は緑色の処方せんで、麻薬系はピンク色の処方せんなんだよ。

いずれにしても、麻薬系の鎮痛剤は市販では手に入らないので、とりあえずはNSAIDsで許容できるレベルまで痛みを抑えるので我慢するしかないのだ。
でも、我慢しなくなると人間はこらえしょうがなくなるから、思いどおりにならないようなことがどこかにはあった方がいいのかもしれないけどね(笑)

2008/03/08

思い思われ、ふりふられ

なんとなくこんなフレーズを思い出したのだ。
これって確かニキビ薬(クレアラシルかな?)のCMに出てくるやつだと思うんだよね。
ボクはもともとそんなにできなかったけど、こっちの大学の授業で一緒になる若い外人の学生さんなんかはけっこうすごいニキビ顔だったりするのだ。
大人になるとあまりできなくなるけど、若いときは気をつけていてもできちゃうんだよね。

で、このニキビというのは主に顔にできる皮膚の炎症で、体の他の場所にもできるんだけど、その場合はただの吹き出物と呼ばれるのだ。
ニキビは皮脂が多く分泌されるところにできるので顔面にできやすいんだって。
毛穴の中には皮脂腺があって、そこから皮脂を分泌しているんだけど、まずこの皮脂が毛穴の中にたまることから始まるのだ。
さらに、毛穴の中に皮脂がたまりだすと、皮膚の代謝ではがれてくる角質も一緒にたまってくるんだって。
で、これが毛穴の中で相当量たまると、皮膚の表面がふくらんで見えるようになるのだ。
毛穴が開いていて白く見えると白ニキビ、毛穴が閉じていて黒く見えると黒ニキビと呼ばれるんだって。

で、この状態になってから、皮膚にもともと常在菌として存在しているアクネ桿菌(Propionibacterium acnes)という最近がたまった皮脂や角質を分解するんだ。
そうすると、脂肪酸などの刺激物質ができて、これが毛穴の中で炎症を起こすのだ。
それで赤くなって、いわゆるニキビになるんだよ。
さらにウミが中でたまってくると黄色っぽくなってくるんだよね。
でも、これを下手に破いてしまうと真皮の方までキズが広がってしまって、いわゆるニキビ跡やあばたが残ることになってしまうのだ。

市販されているようなニキビ薬は、ぬり薬の抗菌剤や抗炎症剤で、ひどい場合には飲み薬でビタミン類が処方されるみたい。
ビタミンBは皮膚の脂質の代謝を助け、Bは皮膚の抵抗力を高め、Cは抗酸化作用により色素沈着を防ぐそうなのだ。
でも、これって実は根本的な治療にはなっていなくて、できたニキビがひどくならないようにしているだけなんだよね。
ところが、一番最初のなんで皮脂がたまるのか、のメカニズムがよくわからないので、ニキビができる原因はまだ不明なんだって。

一般にきれいに洗顔するとよいとか、チョコレートやスナックなどのカロリーの高い、油分の多いものを食べないとよい、なんて言うけど、それもどこまで効果があるのかは不明だとか。
でも、ボクなんかは油っぽいスナックを食べるとニキビができていたような気がするんだよね。
それは「マーフィーの法則」みたいなものかな?
どちらにしても、もう大人になったボクにはあまりできないからあまり気にしなくてもよいのだけど(笑)

2008/03/07

第四の指

あるときふと気になったんだけど、英語では、親指はthumb、人差し指はindex、小指はpinkyと名前がついているんだけど、中指と薬指って聞いたことがなかったんだよね。
で、和英辞書で調べてみると、中指は日本語と発想がまったく同じでmiddle finger となっていたのだ。
一方、薬指はなんとring finger。
これは婚約指輪(engage ring)をつける指だからみたい。
でも、それって左手だけだよね(笑)

欧米で左手の薬指に婚約指輪をつけるのにはきちんと意味があって、かつて欧州では左手の薬指が心臓にもっとも近いと考えられていたからなんだよ。
これは一種のまじないのようなものなのだ。
互いに裏切ることの内容、もっとも心臓に近い指に指輪をつけて誓うのだ。
日本では指切りげんまんで小指を結んで約束するけど、これもそういうまじない的な意味があるのだ。
欧米でもpinky swearやpinky promiseと言って同じようなことをするんだよね。
運命の赤い糸がついているのが小指なのもきっと同じような意味があるのだ。

日本語の薬指という名称は、薬を水に溶かしたり、ぬったりするときに使っていたことから来ているのだ。
これは、普段もっとも使わない指なので、それだけ清浄と考えられていたんだよね。
むかしの女性は紅も薬指でくちびるにぬったんだよ。
江戸時代の浮世絵にもそんな構図があるのだ。
なので、紅差し指なんて呼び方もあるみたい。

薬指を使わないのはもっとも動かしにくいからで、小指みたいに端にあれば動かしづらくても使うんだけど、中途半端に内側にあるから使いにくいんだよね(笑)
でも、それもそのはずで、薬指を動かす腱は両隣の指の腱とつながってしまっていて、そもそも独立して動かすのが難しいのだ。
訓練すればかなり動かせるようになるけど、それでも自在に動かせるのは一部の人だけみたい。
ピアノをやったりするとかなり動かせるようになるみたいだけどね。

でも、そういう単独でぇ動かしづらいところが婚約指輪をつける指としてはいいのかもね。
一人で勝手にふらふらしないってことだから(笑)
実際的にも、もっとも動かさない指だから、指輪が外れにくいという利点もあって、なかなかよくできたものなのだ。

2008/03/06

大事な大事な骨

ボクは長距離歩くようになってから気づいたんだけど、姿勢をよくして歩いた方がつかれにくいんだよね。
これはきっと重心の位置が適切な位置に来て、左右のバランスもよくなるからだと思うのだ。
前傾姿勢とか左右どちらかにかたむいていると余計な負担がかかって片側の足だけが痛くなったりするんだよね(>_<)
それ以来、常に姿勢はよくするように気をつけているのだ。

そんな姿勢をよくする上で大事なのが背骨(脊椎)。
人間の背骨は7対の頸椎、12対の胸椎、5対の腰椎、5対の仙椎、それにしっぽの名残の3~6対の尾椎があるのだ。
人間の場合は、頸椎と腰椎が前方にふくらんでいて、胸椎が後方にふくらんでいるので、ちょうど横から見るとS字型になっているのだ。
これは二足歩行に適した形状と考えられていて、前後左右のバランスをとるのに優れているとともに、S字型になることで上下の衝撃も吸収できるようになっているのだ。

頸椎はほ乳綱の動物でその数が保存されていて、あの首の長いキリンも頸椎は7対の骨でできているんだよ!
ヘビのようにくねくね動かなくて思ったより柔軟性がない(どっしりして安定感があるといった方がよいのかな?)のはそのためなのだ。
首なんかないように見えるゾウやブタでも7対なんだよね。

胸椎は肋骨(あばら骨)のついている部分で12対の胸椎に対応して左右に12本ずつ、計24本あるのだ。
聖書ではアダムの肋骨が1本とられてそこからイヴが作り出されることになっているけど、別に男女で肋骨の数に差はないんだよ。
肋骨は上から7対目までは胸骨とつながっていて前が閉じているんだけど、そこから下は胸骨とは結合していないので開いているのだ。
ちょうどみぞおちのところがその境というわけ。
折れやすい骨としても有名で、内臓に突き刺さったりしない限りは折れても大ダメージにはならないんだけど、かといって手足の骨のようにギブスで固定することもできないので、できるだけ胸部を動かさないように安静にして治るのを待つしかないという大変な治療が待っているのだ。
折れると笑うだけで激痛が走るらしいよ。

腰椎はまさに腰の骨で、ここは前後の動きだけでなくて回転運動もするのでよく動かすところなのだ。
腰痛やぎっくり腰は腰回りの筋肉・腱や腰椎に原因があるわけだけど、ふだんから姿勢をよくして腰回りの筋肉を鍛えておくと、腰痛になりにくいそうだよ。
「腰」という字は肉月に要と書くわけだけど、まさに体の中の「要」なのだ(もともと「要」は扇子の留め金の部分でそれがないと扇子がバラバラになるので大事な部分を「要」と言うのだ。)。
仙対と尾骨はおしりにかけてある骨で、しりもちをついて痛く感じるのはここの骨なんだよね。

で、背骨でよく聞く病気といえばヘルニア。
背骨は上下の衝撃を吸収して二足歩行を可能にしているんだけど、それには背骨のそれぞれの骨の間にある椎間板が緩衝剤の役割をしているのだ。
椎間板はゼラチン状の核のまわりにコラーゲンをたっぷり含む繊維状の軟骨があるものなんだけど、これがゴムの衝撃吸収剤のように働いているのだ。
ヘルニアというのは本来あるべきところから外れて外に出ている状態を指すんだけど、でべそは正式には臍(さい)ヘルニアと言うんだよ。
で、椎間板ヘルニアの場合はこの軟骨の椎間板が背骨の間からはみ出してしまう状態を言うんだけど、背骨のすぐ近くには太い神経が通っていて、はみ出した椎間板がその神経を圧迫して発症するのが椎間板ヘルニアなのだ。
激痛が走るというのもあるけど、背骨の神経は四肢の運動神経や感覚神経のと脳の中枢神経を結ぶ働きをしているので、手足のしびれ、感覚障害、筋力低下などの症状も出てくるんだ。
腰椎にできることが多くて、次いで頸椎にできるみたい。

椎間板ヘルニアで苦しむというのも、もともとは背骨が大事な役割をしているからなんだよね。
まさに人間の屋台骨だし、人間は特に二足歩行をするために四足歩行の動物よりよりバランスや重心の位置が大事になってくるから、背骨の役割も大きいのだ。
姿勢をよくして大事にしないとね♪

2008/03/05

行って来いでちゃら

米国は広いだけあって、国内の移動には主に飛行機が使われるんだよね。
短距離だと車で行くけど、何より鉄道がもうあんまり走っていなくて不便だからなのだ(鉄道は主に貨物の輸送に使われているのだ。)。
で、そんな状態なので、主要都市の空港の間にはシャトル便が運航されていて、日本の新幹線のように使われているんだよ。
米国の航空システムはハブ&スポークと呼ばれていて、複数の航空便が発着する基点(ハブ)と、そこから放射状にいろんなところにつながる航空便(スポーク)で構成されているんだよね。
で、特に重要な地点間は日に何度も往復している便があって、それがシャトル便なのだ。

で、今回の注目はその「シャトル」。
バスにも「シャトル・バス」なんてのがあるけど、もともと「シャトル」は織機の杼(ひ)のことなんだよ。
杼というのは横糸を巻いておさめた平らな舟形のもので、織物をするときに縦糸の間に横糸を通すのに使うのだ。
がっちゃんがっちゃんて力織機を動かすとき、あの「がっちゃん」は2つの縦糸の上下を入れ替えている音なんだけど、縦糸を入れ替える前に杼で横糸を通し、織物を作っているのだ。
するするするーって通すやつだよ。
で、シャトル・バスやシャトル便は行ったり来たりするから、この杼の動きに例えられてシャトルと言われているんだ。
同じような言い方に「ピストン輸送」なんてもあるけど、これもピストン運動のように行ったりもどったりを繰り返すからだよ。

スペース・シャトルの考え方も同じで、宇宙に行って帰ってくる往還機で、何度も再利用できるからシャトルなのだ。
帰ってくるだけで次にまた宇宙に行けないようではシャトルとは呼べないんだよね(笑)
バドミントンの羽はシャトル・コックというけど、これもなんどもお互いのコートを行ったり来たりするからだよ。
もともとはコルクにニワトリ(cock)の羽をつけたものを使っていたのでシャトル・コックなんだって。

で、行ったりもどったりするものじゃなくて、杼と形が似た紡錘形のものもシャトルと呼ばれるのだ。
ステーキなんかの付け合わせに出てくる紡錘形のニンジンの形はシャトルと言うのだ。
小さい子はニンジンが食べられなくてフォークでこねくり回すから、行ったり来たりの運動をしているという説もあるけどね(笑)

今ではシャトルというとどうしてもスペース・シャトルが思い浮かぶけど、もともとは産業革命の代表的な発明のひとつでもある、ジョン・ケイさんの飛び杼の動きなのだ。
これはまさに飛ぶように縦糸の間を行ったり来たりする杼なんだけど、今ではそれが地球と宇宙を結ぶ動きをも意味しているんだから技術の進歩はすごいよね。

2008/03/04

Rice Cracker

ボクはおせんべいやあられ、おかきといった、いわゆる米菓が大好きなのだ。
ポテト・チップスなんかもいいけど、やっぱりおせんべいやおかきを食べたくなるんだよね。
これも日本人として生まれたさがかな?
さくさくしていたり、ばりばりしていたりするけど、そういう米菓独特の歯ごたえが好きなのかも。
でも、よくよく考えてみると、おせんべいとかおかきって何が違うのかわからなかったので、少し調べてみたんだ。

調べてみると、おせんべいとおかき・あられの違いは明確だったのだ。
おせんべいは炊いて食べる「うるち米」で作ったもので、通常はうるち米を砕いた粉で作った生地を平たくしてからよく乾燥させ、たれをつけながら焼いて作るのだ。
一方、あられやおかきはおもちにする「もち米」で作るんだって。
あられやおかきの方がぱりっとした感じがするのはそのせいかな?
あられやおかきには揚げたものも多いけど、サクサクした食感を出すにはもち米の方が向いているのかもね。

ちなみに、せんべいという名前でも別にうるち米で作られているわけでも、焼いて作られているわけでもないようなのだ。
例えば、岩手名物の南部せんべいは名前はせんべいだけど小麦粉で作ったものだよね。
駄菓子のソースせんべいも小麦粉から作られているのだ。
よくボクもおやつに食べたサラダせんべいは、もち米で作った生地をサラダ油で揚げて塩味にしたものなのだ。
でも、これらは厳密に言うと「せんべい」ではなくて、名称の中に「せんべい」が入っているだけなんだそうだよ。
よくよく包装を見てみると、「焼き菓子」とか「米菓(おかき)」とか書いてあるのだ。

あられとおかきには厳密な区別はないみたいなんだけど、一般に多きなも尾がおかき、小さなものがあられと呼ばれるみたい。
もともとあられはかたくなったもちを砕いて小さくして、それを大鍋で炒って作るものだったそうなのだ。
そのいるときの音が空から降ってくるあられのぱらぱらという音に似ているのでそう呼ばれるようになったみたい。
ボクは揚げ餅のおかきが大好きでよく食べていたんだけど、あれってカロリーが高いんだよね・・・。
サラダせんべいも揚げたものだけど、どうも焼くのではなくて揚げる場合はもち米が向いているようなのだ。
それに、せんべいは網の上でひっくり返しながら焼くけど、焼いて作るあられやおかきの場合はかごに入れて遠火であぶるんだって。
そうするとゆっくりふくらんできてあの食感ができるみたい。

「やめられない、とまらない」でおなじみのかっぱえびせんの「せん」は「せんべい」だと思うけど、もともとは「かっぱあられ」という名前で発売されていたんだって。
揚げているから「あられ」としたんだろうけど、米じゃなく小麦粉なんだよね。
これは食糧難の時代に開発されたことと関係しているみたい。
「かっぱあられ」に今のようにエビが練り込まれるようになって「かっぱえびせん」が誕生したそうだよ。

それにしても、日本のお米を使ったお菓子は奥が深いのだ。
欧米人から見ればクッキーやビスケットも奥が深いのかもしれないけど(笑)

2008/03/03

ひたすら煮込む

今日の夕ごはんは家にあまっていた赤ワインと、スーパーの安売りで買ったヒレ肉(テンダーロイン)でビーフシチューを作ったのだ。
赤ワインをたっぷり使ったのでちょっと酸味のある味になったけど、なかなかおいしくできたよ。
4時間も煮込んだだけあって、お肉もとろとろ、じゃがいももほくほくでスプーンだけで食べられる感じ。
やっぱりシチューはこうでないとね。

で、気になったのはシチューはそもそもなんなのか。
なんとなく大きめの具をよく煮込んだ料理というのはわかるんだけど、そうするとスープとの違いがよくわからないよね。
調べてみると、実際にどこからどこまでという線引きはあいまいなんだけど、一般にメインディッシュで食べるものをシチュー、前菜で食べるようなものをスープと呼ぶみたい。
シチューの具が大きかったり魚や肉がふんだんに入っているのはメインディッシュで食べるからなのだ。

英語ではstewは煮込むという意味なので(トマトのホール煮缶もstewed tomatoと書いてあるのだ。)、とにかく煮込んだ料理がシチューみたい。
日本で言うと煮込み料理とかにものに近いものなのかもね。
日本ではビーフシチューとクリームシチューがメインのような気がするけど、これは日本にシチューが最初に伝わったときにそれが伝わったからで、別にこの二つに限られるわけじゃないみたい。
ボクなんかもどうしても小麦粉を炒めて作ったルーが入っていて、とろっとしているものをシチューと思っていたけど、とろみがなくても煮込んであればいいみたい。
ブイヤベースやボルシチなんかもシチューの一種なんだって。

日本でビーフシチューというと茶色いものだよね。
明治期にすでに洋食としてメニューに取り入れられたみたいなんだけど、牛肉と野菜をブイヨンで長時間煮込み、それをトマトピューレとドミグラスソースで味付けてルーでとろみを加えているのだ。
ホワイトシチューというのもあるけど、こっちは鶏肉などが多くて、大きくきった牛肉は入らないよね。
でも、これは最初にそういうのが伝わってきて広まっていったからで、別にホワイトシチューに大きくきった牛肉が入っていてもよいはずなのだ。
後は味の好みだよね。

ビーフシチューと言えば必ずと言っていいほど出てくるのが、東郷平八郎元帥と肉じゃがの話。
統合元帥で英国でシチューを食べ、いたくこれを気に入って、海軍の調理師に同じような料理を作らせようとしたのだ(陸軍は兵士が交代で料理を作っていたんだけど、海軍にはきちんと船に専門の料理氏が乗っていたのだ。)。
それでできたのが肉じゃがで、これが戦争に従軍していた庶民が持ち帰って広がり、日本中の家庭料理になったというのだ。
確かに、具が同じで日本風の味付けになると肉じゃがだよね。
牛肉とじゃがいも、ニンジン、玉ねぎ。
これを茶色く煮るためにしょうゆを加えて少し甘くすれば肉じゃがなのだ。
ただ、すぐに広まったわけでもなくて、牛肉食が一般的になった戦後に広まっていったそうだよ。
それまでは軍隊でのみ食べられていたようなのだ。
お袋の味の代名詞だけど、実は大して歴史はないみたいだね(笑)

2008/03/02

ぞくぞく

今朝はものすごい寒気に襲われたのだ(>_<)
どうも体調を崩しているみたい。
寒くなったり、あたたかくなったり気温の変動が激しいからかな?
ボクはもう年だから、そういう急激な嚥下に弱いんだよね(笑)

こういう寒気のことを悪寒と言うのだけど、悪寒はまさに背中がぞくぞくする不快な感覚指すんだよね。
本当に寒いときや恐怖や戦慄でおののいているときもぞくぞくするけど、発熱する前にも悪寒が走るので、ぞくぞくしたらカゼの初期症状の可能性が高いんだよね。
あたたかくしてゆっくり休んだ方がよいのだ。
これは脳の中の発熱中枢がカゼなどの原因のウイルスに対する抵抗力を高めようと体温を上げる指令を体に出すんだけど(免疫反応は平熱よりも40度近い方が強力になるのだ。)、その指令が出ると寒気を感じるわけ。
実際に寒いと感じているわけじゃないんだけど、発熱しろ、という指令が来るからそういう風に感じてしまうのだ。

悪寒がひどいと鳥肌が立つけど、鳥肌も寒さだけでなく、強い恐怖感などを感じたときに出るのだ。
これは立毛筋という筋に肉が収縮することで毛穴が強く閉じられ、まるで羽をむしった鳥の皮のようにぶつぶつになるのでそう言われるのだ。
関西では「さぶいぼ」とも言うよね。
立毛筋が収縮すると発刊が抑制され、さらに体表面の毛細血管が圧迫されて血流量が減り、体温の低下を防ぐのだ。
立毛筋を動かすことで発熱もするんだよね。
なので、体温を上げようとする反射反応なのだ。

恐怖感や強いストレスを感じたときも鳥肌が立つけど、これはおそらく交感神経が興奮するからなんだよね。
強いストレスを感じるとアドレナリンが多く分泌されて、交感神経が興奮するんだけど、それによって体はいわゆる「臨戦態勢」に入るのだ。
心臓の心拍数や血圧が上がったり、消化管の運動が抑えられたり、体表面の血管が収縮したりするんだ。
むかしの人は寒くもないのに背中がぞくぞくするのに対して、「ぶるぶる」という妖怪を考えたりしたけど、不思議な感覚ではあるよね。

悪寒と似た言葉に悪心というのがあるのだ。
これは別によこしまな心(evil heart)という意味じゃなくて、吐き気などの気持ち悪い状態を指すんだよね。
保健体育ではじめて習ったときはなんのことかと思ったものなのだ。
最近はわかりやすいように「軽い吐き気」なんて書いてあるけど、むかしは薬の説明の副作用のところには「悪心」とだけ書いてあったりしたものなのだ。