2008/09/27

目黒の名物?

今日はお散歩で目黒界隈を歩いたのだ。
目黒といえば、やっぱり思い出すのは「目黒のさんま」だよねぇ。
本当に名物だったのはタケノコらしいけど・・・。
ちょうどめっきり気候も秋っぽくなってきて、サンマがおいしい季節だし、ちょっとサンマについて調べてみたのだ。

サンマはやっぱり細長いダツやサヨリの仲間で、似ているような気がするイワシとはそんなに近縁でないみたい(イワシはニシンの仲間だよ。)。
細い柳葉型で銀色に輝くので刀に例え、秋に特においしいので漢字では「秋刀魚」と書くんだよね。
秋刀魚は日本海から北太平洋の北米沿岸・メキシコ沿岸までの広い海域を回遊しているらしいんだけど、日本で水揚げされるものは夏の間オホーツクのあたりにいて、それが秋に産卵のためになんかしてくるものだそうなのだ。
産卵前なので特に脂がのっていておいしいというわけ。
落語の「目黒のさんま」では、殿様に気を遣って油を徹底的に落としてしまったからぱさぱさでおいしくなくなっちゃったんだよね。

サンマのうろこはとても小さくて、かつ、はがれやすいので、水揚げのときにほとんど外れてしまうそうなのだ。
なので、買ってきてそのまま塩をして網焼きしてもおいしいというわけ(好き嫌いはあるけど、サンマの肝が好きな人は多いよねぇ。)。
最近は流通が迅速化して新鮮なものが都心でも手にはいるようになったのでお刺身なんかもあるけど、サンマといえば塩焼き、開き、蒲焼きなんかがおなじみなのだ。
青魚で傷みやすいから、なかなか生食はできなかったんだよね。
なので、酢で締めてサバ寿司のように押し寿司にも使われていたようなのだ。
ボクが食べるときはほとんど塩焼きに大根おろしだけど、蒲焼きも甘辛くするとごはんに合うんだよね。
けっこう給食では好きなメニューだったのだ。
その他、あまり脂ののっていない時期に捕ったサンマを丸干しにすることもあるんだって。
この丸干しサンマから取れる出汁はかなりおいしいらしいよ。

鮮度のよいサンマを見分けるコツとして知られているのは次の3つ。
尾を持って頭を上にして縦にしたとき、曲がらずまっすぐに立つのは鮮度がよい証拠。
これはまだ身の筋肉の自己融解が始まっていない、ということなのだ。
ま、多少自己融解が進んだ方がアミノ酸が出てきてうまみが出るんだけど(牛の場合は2週間ほど熟成させたりするよね。)、魚の場合はそのときにくさみのおとになる不飽和脂肪酸も出てきてしまうので、うまみを出したいときは干物にするのだ。
それから目がにごっていないことも大事だって。
これは他の魚でも共通だね。
最後は口先がほんのり黄色いことだそうだよ。
これは見慣れてないとわかりづらいから、やっぱり先の2つで確かめるのがよいかな?

「目黒のさんま」の落ちは、鮮度のよい日本橋魚河岸から取り寄せたサンマでも、気を遣いすぎて油をぬいたり小骨を取ったりしてしまうとぐずぐずになってまずくなってしまい、海から遠い目黒のサンマの方がおいしく感じたってことなんだよね。
江戸時代は脂ののった魚は下魚として扱われ、庶民は食べたけど上流家庭では食べなかったことも影響しているのだ。
高級魚はタイなどの白身のあっさりしたもので、マグロやカツオ、サンマ、イワシなんかは庶民しか食べない魚で、マグロのトロなんかは脂がのりすぎていてしつこいと捨てられていたらしいのだ(>_<)

そこで気になるのが、目黒のサンマは本当はおいしかったのか?、だよね。
きちんと考えている人がいて、実はおいしかったんじゃないかと言われているみたい。
それは、サンマは塩を振ってから2~3時間後くらいがちょうど食べ頃になるそうなんだけど、芝浦などで水揚げされたサンマに塩をふると、目黒まで徒歩で来るのにちょうど2~3時間かかるらしいのだ。
なので、売りに来たのを買って焼けばちょうど食べ頃というわけ。
なかなかよくできた話だけど、実際はどうだったんだろうねぇ。
流通が今みたいに発達してなくても、そういう風にうまく回っていたとすると、案外都市部でもおいしい魚を食べられたのかもしれないね。

2008/09/20

春と秋で名前を変えろ!

ボクは和菓子が好きなんだけど、中でもけっこう好きなのはおはぎ。
ちょうどお彼岸の入りで街中でよく見かけるようになったよね。
完全なおもちでもよいのだけど、まだつぶれていない粒が残るおはぎの独特な感触がまたよいのだ。
甘過ぎないのもいいよね。
で、気になったのが、ぼた餅とおはぎの違い。
はっきり言って同じようなものだけど、ひょっとすると何か違うかもしれないと思って調べてみたのだ。

するとわかったのは、結論的には、基本として同じものということ。
どうも、春のお彼岸では、その季節がら咲く「牡丹」にちなんで「ぼた餅」(漢字では「牡丹餅」)と読んで、秋のお彼岸には秋の花の代名詞のハギにちなんで「はぎの餅」とか「おはぎ」と呼ぶようになったそうなのだ。
同じものだけど、季節に合わせて名前を変えているなんてなかなかおしゃれだよね!
地域によっては、完全におもちにしてからあんこにくるむのをぼた餅、半つぶしの状態でつつむのがおはぎ、としていたり、あんこをつけるのがぼた餅で、きなこをつけるのがおはぎ、と区別している例もあるようなのだ。
でも、たぶんは後付けの区別で、おそらく最初は季節による呼び方の違いだけだったんだろうね。
むかしはお米も砂糖も貴重なものだから、井悲願とかのイベントじゃなきゃ食べられなかったろうし、そういう季節との結びつきがより強かったはずなのだ。

ぼた餅は、もち米とうるち米を混ぜて炊き、それを完全に飯粒がつぶれないように半分だけつぶして、食べやすい大きさに丸めてからあんこをつけて作るのだ。
つぶし方は秋田名物のきりたんぽと同じだけど、きりたんぽはうるち米のみなのでわりとぼそっとしていて、ぼた餅の場合はもち米が掃いているのでよりもちもちした食感になるのだ。
ただのおにぎりにあんこをつけてもぼた餅に似た感じにならないのはこのためだよ。

ことわざでは、思わぬ成果を、期待していなかったうれしいことを「棚からぼた餅」なんて言うけど、むかしはそれだけぼた餅がごちそうだったのだ。
もともと甘いものは貴重だったわけだけど、白飯じたいが貴重だったむかしには輪をかけて大ごちそうなのだ!
なので、春と秋のお彼岸にお供えし、そのお下がりをごちそうとして食べていたようなんだけど、それ以上に農村部で重要だったのは、田植えや稲刈りといった、村をあげた共同作業のときのごちそうという位置付けなのだ。
今ではコンビニでも帰るけど、むかしは年に数回しか食べられないような貴重なものだからこそ、思わず「棚からぼた餅」はうれしかったはずなのだ。
今は物流が発展してるし、温室なんかも発達していつでも野菜や果物が食べられるようになったからそういうのが薄れてきているよね・・・。
そういうところは残念なのだ(>_<)

2008/09/13

何の最中?

ボクはけっこうお菓子の最中が好きなんだよね。
栗は食感が変わるのでない方がよいのだけど、おもち(求肥)は大歓迎なのだ(笑)
アイス最中もけっこう好きで、その場合はさくさくぱりぱりよりは、少し湿っている方が好きだったりするんだよね。
もちろん、ふにゃふにゃはダメだけどね。
で、そんな最中について調べてみたのだ。

最中はもち米の粉を水で練って蒸してから薄くのばして焼いた皮の中にあんこを詰めたものだけど、もともとは薄くのばした後に円形に切りそろえ、砂糖をまぶした干菓子の一種だったんだって。
江戸時代になると間にあんこをはさむバージョンが考案され、そこから今の最中ができてきたそうなのだ。
現在よく見かける形になったのは明治以降ということなので、けっこう新しいお菓子みたい。

名前の由来は、拾遺和歌集にある源順(みなもとのしたごう)さんの「池の面に 照る月なみを 数ふれば 今宵ぞ秋の もなかなりける」という歌だそうで、この歌を知っていたお公家さんたちが、月見で出された円形の干菓子を見て「もなかの月」と名付けたんだそうだよ。
江戸時代に考案されたあんこをはさんだものもこれを引き継いで「もなかの月」と呼ばれていたそうだけど、今の形に近づくにつれて円形ではなくなっていったので、「月」がはずれて単に「もなか」になったようなのだ。

今の最中はもち米の粉を練って蒸したものをローラーを使って数mmの薄さにまで伸ばし、それを型に入れて両面から焼くんだって。
この方の形で四角かったり丸かったりいろいろな形になるし、表面に字や絵なども入れられるのだ。
最近では伸ばさずに練ったものをそのまま焼き型に流し込む製法もあるんだって。
で、この皮を焼いていくと、型からはみ出るまでふくらんで、それで独特のさくさく感が出るのだ。
これはおもちが焼くとふくらむのと同じで、中の水分が水蒸気になって体積が急激に膨張し、それでウェハース上の泡が入った構造になるのだ。
これがさくさく感の正体。
で、最中の場合はこのさくさく感が失われないように、他のお菓子に比べてあんこの水分量を少なくしているんだって。
確かに、どら焼きなんかだととろけるようなあんこを使うけど、最中はもっとねっとりしたものが多いよね。
お菓子屋さんの中には目の前で皮にあんこを入れてくれるところもあるのだ。

西洋でもバニラアイスをコーンやウェハースに載せたりするけど、これを和風にアレンジしたのがアイス最中。
あんこの代わりにアイスをはさんだだけだけど、アイスの場合は冷やしておく限りは水分が氷としてかたまっているので、最中の皮のさくさく感が保てるのだ。
これはなかなかのアイデアだよね♪
でも、ずっとそれを維持できるわけでもなくて、流通経路で外に出したときなんかは少しアイスの表面が溶けて、その水分が皮にしみてやわらかくなってしまうのだ。
買ってから時間がたつとそれがさらにひどくなるよね(>_<)
ま、ボクの場合は少しふにゃふにゃなくらいで、ギリギリでさくっと割れるくらいの感じが好きだけど(笑)

2008/09/06

どれもミルクを入れたコーヒーなんじゃないの?

ボクはコーヒーはブラックで飲むことが多くて、かつ、缶コーヒーもわりと好きなので、まずスターバックスやエクセルシオールのようなカフェは利用しないのだ。
ちょっと高いしね(笑)
時々行くにしてもドトールとかヴェローチェが多いんだけど、この辺も庶民根性丸出しなのだ(笑)
で、そういうことなので、メニューの違いもよくわからないんだよね。
ラテは牛乳たっぷりの牛乳で、カプチーノはあわあわ、というくらいしかわからないのだ。
なので、ちょっと調べてみたよ。

まずは基本形のカフェラテだけど、もともとはイタリアのカフェ・ラッテで、「牛乳・コーヒー」というストレートな意味なので。
なので、イタリアではコーヒーと多めのミルクを混ぜればラッテなわけだけど、イタリアのコーヒーはイタリアン・コーヒーと別に呼ばれるくらい濃いものだし、もともとエスプレッソを多く飲むので、濃いコーヒーをたっぷりのミルクで割って飲みやすくしたものというわけなのだ。
これが米国でエスプレッソに多めのミルクを入れるカフェラテとして広まっていって、それが世界に発信されたのだ。

似たようなものにカフェオレがあるけど、これはもともとカフェ・オ・レで、フランス語。
英語だとcoffee into milkでミルクの中にコーヒーを入れたもの。
というわけで、作り方としてはほとんど差がないわけだけど、米国や日本ではエスプレッソをミルクに入れるとラテ、そうでなくて普通のコーヒーだとカフェオレ、と区別しているみたい。
ちなみに、もともとフランスは深煎りの渋いコーヒーを入れるので、やっぱりミルクで割って飲みやすくしていたようなのだ。
米国はラテもがぶがぶ飲むけど、カフェオレは専用の丼のようなカフェオレ・ボールに入れて出されて、全部の飲むとおなかがたぷたぷになってしまうのだ。

飲んだ感じも明らかに違うのがカプチーノ。
これはエスプレッソにクリーム状に泡立てたミルクを加えたものだよ。
泡立てているのでミルクも量は少なくて、ラテよりもカロリーも控えめなのだ。
後味があっさりしているのもそのせいだよ。

逆にがっつりしているのがカフェ・モカだよね。
エスプレッソの上にホイップクリームを載せたのがカフェ・コン・パンナという飲み物で、これにチョコレートシロップを加えて甘くしたのがカフェ・モカなんだって。
なので、一番カロリーが高いのだ!

同じく甘いのがキャラメル・マキアート。
ねっとりした甘さが特徴だよね。
カフェ・マキアートは、エスプレッソに蒸気で泡立てたフォームドミルクを加えたもので、ミルクの了は少なめなのだ。
で、これにキャラメルソースを入れるとキャラメル・マキアート。

日本でおなじみなのはむしろコーヒー牛乳だよね。
これは牛乳にコーヒーや砂糖で味付けしたもの。
デフォルトで砂糖でかなり甘めに味付けされているのが特徴だよね。
むかしのカフェオレは甘かったので、あたたかいか冷たいかくらいの差だったけど(笑)、最近はカフェオレも砂糖を加えずに飲まれるようになったので、差が鮮明になってきたのだ。
でも、時々飲みたくなるよね。

最後の番外編はスターバックスのカフェ・アメリカーノとアメリカンの違い。
アメリカーノはエスプレッソをお湯で割ったもので、アメリカンは浅煎りした豆を薄く淹れたものなのだ。
コーヒー豆が高くなったとき、少量でおいしく飲める方法として米国で考案されたものだよ。
最終的な濃さは違わないけど、アメリカンはじっくりと抽出するのでカフェインが大量に含まれているのに対し、エスプレッソは圧力をかけて短時間で抽出するのでカフェインは少なめ(レギュラーコーヒーと同じ量を飲むとエスプレッソの方がカフェイン量は多くなるけど、1杯あたりのカフェイン量はエスプレッソの方が少ないのだ!)。
なので、カフェイン含有量が決定的に違うのだ!

こうして見てくると、臆することなく安心して注文できるよね。
ボクはストレートのコーヒーしか頼まないけど(笑)