2013/12/21

ぴりりとさっぱり

夕ごはんのおかずにマグロの赤身の刺身を買っていたんだけど、ついつい食べ忘れちゃったんだよね。
仕方がないので、翌日に漬け丼にしていただいたのだ。
付け汁に少しショウガを入れると、臭みもなくなるし、アクセントにもなるよね。
おいしくいただいたのだ。

よくよく考えてみると、日本の食卓にはよくショウガがあるよね。
薬味として冷や奴や刺身に使うだけでなく、豚肉のショウガ焼きなんてのもあるし。
煮魚や焼き魚にははじかみショウガがついてくるよ。
お寿司にはショウガの甘酢漬けのガリがつきもので、牛丼や焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、豚骨ラーメンには紅ショウガ。
甘酒に少しショウガを入れることもあるのだ。
この場合、ショウガは臭み消しや、辛みのアクセント、殺菌作用なんかが期待されて使われているんだよね。

お寿司のガリは、ショウガを薄切りにしたものを甘酢に漬けたもので、食感ががりがりするから、或いは、ショウガを薄切りにするときにがりがり音がするから、という理由で、寿司業界の符牒としてそう呼ばれるようになったのだ。
醤油をムラサキ、お茶をアガリというのと同じ。
でも、ガリはショウガの甘酢漬けということはほとんどなくなっていて、ほとんど一般名詞化しているよね。
それだけ浸透しているのだ。

もともとは生魚を使った寿司を食べるに当たって、口の中に残る生臭さを解消するとともに、その殺菌作用で食中毒を防ぐ役割があったのだ。
通の人はガリでネタに醤油を塗って食べたりもするよね。
普通の人でも、ネタとネタの間にガリを挟むと、前のネタの味が残らないので、それぞれをおいしく食べられるのだ。
特に、脂ののった青魚やトロなんかを食べた後は、ガリを挟むとさっぱりするよね。
お寿司屋さんで熱いお茶が出るのも、それで口の中に残る魚臭のもとの不飽和脂肪酸を洗い流すためで、むかしからお寿司をおいしく食べる工夫が続けられてきたということなのだ!

一般にガリはうすいピンク色だけど、これは着色しているのではなくて、ショウガの中に含まれるアントシアニン系の色素がお酢に反応して色づいているため。
新ショウガの甘酢漬けも薄いピンク色だよね。
収穫してからしばらく保存・乾燥させているひねショウガを使うと、その色素が少なくなっているのであまり色がつかないのだ。
黄色いガリはひねショウガを使ったものだよ。
ただし、スーパーで売っているようなお寿司についている工業的に作っているガリはおいしく見えるように着色している場合もあるよ。

一方、赤い色が鮮やかな紅ショウガ。
こちらはショウガをまるごと梅酢に漬け、その後細切りにするんだって。
漬けるときに紫蘇を一緒に加えると真っ赤になるのだ(赤い梅干しと同じ。)。
これが本来の色なんだけど、市販品の多くは、細切りにしてから酢と着色料の入った調味液につけたものなんだそうだよ。
無着色をうたっている紅ショウガもほんのり赤いのは、ガリと同じでショウガ中に含まれるアントシアニン系色素によるもの。
やっぱり紅ショウガだから、赤くないととは思うんだけど、着色料はちょっとね、という声が大きいのか、最近は色がおとなしめのものが増えてきたような・・・。

日本で栽培されているショウガは3種類で、大中小の3つ。
小ショウガは名前のとおり小さいもので、谷中ショウガとして生で食べたり、やはじかみなんかに使ったりするもの。
葉と茎がついた形で八百屋さんに並ぶものだよ。
早生で辛みが強いのが特長なのだ。
一方、大ショウガは一株が1kgくらいにもなうようなもの。
手のひらのような大きなショウガの塊根がそれなのだ。
主に貯蔵されてひねショウガになり、根ショウガとして店頭に並ぶよ。
おろしショウガにしたり、漬け物にするのはこれが多いみたい。
大きくなるのに時間がかかるので、晩生なのだ。
間の中ショウガは中生から晩生で、大ショウガに比べて小ぶりで、辛みが強いのだ。
また、貯蔵しておくと繊維質が形成されてかたくなるので、貯蔵せずに加工品や漬け物に使われるんだそうだよ。

小ショウガを貯蔵せずに食べるのが新ショウガ。
ショウガ自体の色も白~薄いピンクで、鮮烈な辛さがあるのだ。
大ショウガを貯蔵したものがひねショウガで、色もショウガらしい黄土色になり、繊維質ができていわゆるショウガらしいショウガになるよ。
通常は2ヶ月くらい貯蔵して、水分を飛ばし、長期保存できるようにしているのだ。
水分が飛ぶので辛みも強くなるよ。
中ショウガは薄めの黄土色のもので、あまりかたくない状態で使ってしまうのだ。
八百屋さんとかではあんまり見かけないけど、水分が多めで色が薄めのショウガあれば中ショウガかも。

自宅でガリや紅ショウガを作る場合は、どのショウガを使うか気をつけないといけないのだ。
ガリを作るなら、新ショウガを薄くスライスして甘酢に漬けるのがベスト。
紅ショウガなら、根ショウガを買ってきて、塩漬けしてから梅酢に漬け直して作るのだ。
紅ショウガだと大変だけど、ガリくらいなら作れそうな気も・・・。
でも、漬け物って意外と作るのが大変なんだよね。
駆った方が安くておいしいことも多いし(笑)

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