2025/04/26

内なる〇〇を燃やせ

 お葬式に参加してきたのだ。
仏式だったのでお焼香をしたのだけど、なんで粉末状のお香が燃えるのか実はよくわかっていなかったんだよね。
灰の上に置かれている四角いものが熱源であることはしっていたのだけど、今回知ったのは、それが「炭」だったということ。
熱した石とか電熱だとか、そういうのを想定していたのだけど、よくよく考えれば仏教の儀式でお香を焚くのは非常に歴史があることだから、納得がいくよね。
石を熱してもよいけど、そんなに熱が長持ちしないし。

今回、お焼香の準備をしているのをたまたま見たのだけど、表面が銀色の何かにコーティングされた四角い炭にろうそくで火をつけ、それを灰の上に置いていたのだ。
炭が燃える場合は2種類あって、炎を上げてまさしく燃えている「燃焼」状態と、炎は出さずに赤熱しただけの状態でゆっくり燃える「熾火(おきび)」状態があるのだ。
炭火焼肉屋ら焼鳥、ウナギの蒲焼なんかでも燃え盛る炎に当てて焼いている絵わけではなく、静かに炎を上げずに燃えている炭から一定程度距離を話して焼いているよね。
遠赤外線というやつだ。
お焼香もこれと基本的には同じ原理でお香を焚いているようなのだ。

この炎を出さないで燃えている状態を「無炎燃焼」というらしいのだ。
炭の表面で炭素の酸化反応(C+O=CO)が起きていて、これが発熱反応なので燃焼に必要な温度が維持されるのだ。
この「炭の表面」というのがみそで、外側というだけでなく、多孔質の炭の場合は中心部も含めて空気に触れている面が多く、そこ全体で反応が起きているのだ。
つまり、炭全体がゆっくりと酸化反応を起こして発熱している感じ。

この状態はゆっくりしたものなので、火力はそこまで高くないけど長時間じっくりと焼けるというメリットがあるのだ。
これが炭火焼きでつかわれる所以で、火力が強すぎると食材の表面だけが焦げて中(中心部)は生の状態になってしまうわけだけど、弱めの熱でじっくり焼くので中心部まで火が通るのだ。
仲間で熱を通す過程で余計な脂も落ち、水分も適度に保持されながら焼けていくので、ふっくらと焼けるという寸法だよ。
焼鳥なんかでは重要だよね。
ステーキの焼き方だと、まずは表面を焦がして肉汁が漏れないようにし、じっくりと中まで火を通す、みたいなことをするわけだけど、基本的に肉類はゆっくりと被を入れた方が柔らかく仕上がるんだよね。

お焼香に使う熱源の炭はそのまま「焼香炭(しょうこうたん)」というものらしいいんだけど、これは1時間くらい燃え続けているみたい。
抱いた仏式のお葬式の読経は30~40分程度であることを踏まえると、ちょうどよい長さだね。
お通夜や葬儀が始まる前に火をつけておけば、よほどのことがない限りお焼香の間は熱源として使えるのだ。
お葬式はそれでよいのだけど、ずっとお香を焚き続けるような場合は炭だけだとつらいよね。
なので、高炉の中には電熱式のものもあるみたいなのだ。
アロマオイルを使う香炉なんかだと電熱式で下から水を温めて、その上にオイルを垂らすようなタイプが多いよね。

逆に、むかしは常にお香を焚いておきたいときは、お香自体を燃えるようにしていたのだ。
そう、お線香。
お線香は香料の成分を練ったうえで燃やしやすいように加工したもの。
これも炭と同じように炎を上げずにゆっくりと燃焼していくのだ。
浅草寺のようなお寺にはもくもくと煙が出ている「常香炉」は、参拝者が煙を浴びられるように常にお香を焚いているわけだけど、あれは常にお線香を焚いているのだ。
仏式のお通夜も寝ずの番でお線香を絶やさない、みたいなのがあるけど、やはり長時間の場合はお線香を焚き続けるというのが基本みたいだ。
作り方によるけど1時間くらい燃える続けるものもあるからね。

2025/04/19

紅白うお合戦

 先日、ファミレス型の回るお寿司に行ったのだ。
タッチパネルでも注文できるのだけど、そこで疑問が出てきたわけ。
サバやアジ、イワシなどの青魚が「白身魚」のカテゴリーの中に入っている!
え、光物って白身だっけ?
というわけで、ちょっと調べてみたのだ。

白身魚と赤身魚の違いはその名前が示すとおり、身の色。
人間でも、短距離走の選手はミオグロビンの少ない白筋(速筋)がメインで、逆に長距離走の選手はミオグロビンの多い赤筋(遅筋)が多いというけど、魚も同じみたい。
白身魚の多くはスプリンタータイプで、普段はあんまり動かず、エサを見つけた時や敵から逃げるときにさっと素早く動くような魚なのだ。
赤身魚の多くはマラソンランナータイプで、マグロやカツオのように常に泳ぎ続けていないとダメなやつ。
実際に白身と赤身は100gあたりのメモグロビン・ミオグロビンの含有量で区別するそうで、10mg以上が赤身、10mg未満が白身ということらしい。

白身魚の場合は、ミオグロビンが少ないという特徴のほか、コラーゲンが多いという特徴もあるのだ。
これは煮魚にしたとき決定的で、マグロなんかをねぎま鍋とかで煮て食べる場合、身はどちらかというとぱさぱさ下感じの仕上がり。
一方、カレイやキンメダイの煮つけの場合、コラーゲンが溶け出して煮凝りができるよね。
白身魚は熱で溶けだすコラーゲンが多いので加熱すると身を崩しやすいのだけど、逆に、それがあるからこそ、似て食べる場合は柔らかくなるのだ。
逆に、赤身魚の場合は、加熱すると水分が少なくなって固くなる傾向があるので、「火を入れ過ぎない」ことがおいしく食べるこつだったりするよね。

で、外観はそんな感じなんだけど、具体的に振り分けていくと、あ、そうなんだ、っていうのがいくつかあるんだよね。
一つはサケ・マス類。
身がオレンジ色なので赤身のようにも思えるけど、見は白身。
身がオレンジ色なのはエサとして食べているオキアミなどの甲殻類の持っている色素、アスタキサンチンによるもの。
ミオグロビンの色ではないのだ。
サケ・マス類は川を下って海に出て川に戻ってくる生体で知られるけど、河川残留型或いは陸封型といって海に下らずに淡水域に留まる連中もいるんだよね。
例えば、渓流釣りのヤマメはサクラマスの陸封型、逆に、塩鮭としてよく食べられるベニザケが陸封型になるとヒメマスになるのだ。
で、降海するサクラマスやベニザケは身がオレンジ色なのだけど、淡水域に留まるヤマメやヒメマスは身が白いんだよね。
かつ、その卵(イクラ)の色も違って、降海型はよく見慣れた赤い卵、陸封型は黄色い卵なのだ。
陸封型のサケ・マス類の卵は黄金イクラなんて呼ばれることもあるのだ。

問題の青魚だけど、一般的には赤身に分類されるのだ。
確かに味の刺身の色なんか見れば赤身だけど、サバって白くない?
でも、さっきのミオグロビン含有量で行くとサバも赤身みたい。
おそらく、血合いの部分は非常に色が濃く、そこはミオグロビンがたっぷりだから、全体を通してみると赤身になるっぽいのだ。
そう考えてみると、サバの味噌煮とカレイの煮つけってやっぱり違うよね。
サバは身がしっかり残っているイメージがあるし。
コラーゲン量も違うのだと思う。

境界線上に入るっぽいのがカジキの類。
カジキの仲間は回遊しているけど、海中屈指のスプリンターでもあるよね。
メカジキなんかは白身に分類されるけど、マカジキ、クロカジキなんかは赤身になるんだそうで。
確かに、ステーキのように焼いたときに、パサつくのとしっとりするのがあるけど、それはその赤身・白身の違いなのかもしれないなぁ。
カジキでひとくくりにしてどのカジキを買っているかあまり意識したことなかったけど、そこを見てみると面白いかも。

2025/04/12

かっふ~ん

 最近テレビのお天気コーナーでも「ヒノキ花粉」情報が出てくるようになったのだ。
前はスギ花粉以外はあまり触れなかったよね?
実際には、ヒノキもスギも同じヒノキ科で近縁種なので、スギ花粉にアレルギーのある人の多くはヒノキ花粉にもアレルギーを持つらしい。
で、スギ花粉が2~4月に飛散するのに対し、ヒノキ花粉はちょっとずれて3~5月に飛散するらしいので、あれ、スギ花粉は終わったはずなのに花粉症の症状が続くな、と思ったらヒノキ花粉もでした、ということらしい。
ボクは幸いまだ発症していないけど、つらい時期がさらに1か月伸びるとなるとねぇ。
確かにヒノキ花粉情報というのも求められているのかも。

スギ花粉とヒノキ花粉は、飛散の時期が少しずれる以外にも違いがあるわけだよね。
粒径はスギ花粉が30~40μm、ヒノキ花粉が28~35μmと、ヒノキの方が一回り小さい感じ。
また、スギ花粉は表面に突起があってとげとげしているのに対し、ヒノキ花粉はのっぺりとしているんだって。
そんな形状の違いで症状も異なると言われていて、スギ花粉が鼻の症状が強く出るのに対し、ヒノキ花粉は目や粘膜の症状が出やすいと言うよ。
とはいえ、アレルギーの症状は個人差が大きいのでそうも一概に言えないのだけど。
どちらも風に乗ると数kmから数十kmも飛ぶらしいので、都心部であっても影響は免れないのだ。
花粉から逃げようと思ったら、沖縄か、小笠原か、北海道か。
結構遠くまで離れないと無理なんだよなぁ。

そもそも花粉症が問題視されるようになったのは症状の原因が特定できるようになったからで、むかしから花粉が飛散する時期に鼻やのどの調子のおかしい人はいた、と言われているのだ。
ただし、その出現頻度はかなりあがっていて、その要因の一つは大気のよごれとも言われているよ。
花粉単独というのではなく、花粉とPM2.5のような大気中の微粒子が一緒に合わさるとアレルギーになる、という考え。
そういう面もあるかもしれないけど、黄砂のような微粒子はむかしから流れていているから、それだけでもないはず。
よくもう一つの要因と言われるのは、スギやヒノキの数が増えたから、というもの。

確かに、戦後の植林では、すぐに使える建材としてスギの植林がすすんだんだよね。
短期間でまっすぐな木材が得られるスギは建材という点では優秀なのだ。
ヒノキは成長に時間がかかるけど、性質的に建材としては最上級のもので需要も多いので植えられていったわけだよね。
これで我が国の人工的に管理している森林の多くがスギやヒノキになっていったわけ・・・。
一方で、伝統的な植林では、スギやヒノキばかり植えていたわけではないのだ。
森林資源として重要だったのは建材ではなく、むしろ薪炭の材料。
化石燃料が主体の今と違って、木炭が重要な燃料だったので、その材料となる木を植えたわけ。

代表的なのはクヌギやコナラ。
そう、どんぐりのなる木だね。
スギやヒノキは実を落とさないので森の動物にとってほとんど恩恵がないんだけど、これらの期は森の生態系を豊かにする効果もあったのだ。
逆に言うと、スギやヒノキを効率的に圧縮して植林すると、動物も寄り付かない「緑の砂漠」になってしまうのだ(>_<)
それに次いで重要だったのがアカマツ。
マツの仲間はまっすぐな木材はとりづらいけど、しなやかで加工しやすいので、梁の材料に使われたりしていたのだ。
かつ、松脂もとれるし、乾燥した松葉は着火剤にも使えるので、非常に便利だったのだ。
しかも、タカなどの猛禽類は枝ぶりから安定的に営巣できるからかアカマツに巣を作ることがおおいらしく、そういう面でも生態系に貢献しているのだ。
確かにスギやヒノキだと鳥が巣を作るのは難しそう。

今では花粉症対策として「花粉の少ないスギ」への植え替えなんてことが行われているけど、生物多様性の確保などの観点を踏まえると、かつての里山管理のような考え方を入れて、いろんな樹種を増えた方がいいんだよなぁ。
それには管理コストがかかるので、ペイするように工夫がいるわけだけど。
ドローンとかを使えば効率的にできるだろうし、もっとまじめに考えないといけない問題かもね。

2025/04/05

炭酸力

 スーパーの和菓子コーナーで、聞きなれない商品を見つけたのだ。
その名も「炭酸まんじゅう」。
草大福やら黒糖まんじゅうと一緒に並んでいた、黄色いおまんじゅうだよ。
その時点ではドンパッチでも入っているのか?、と思ったんだけど(笑)
よくよく考えてみたら、生地を発酵させずに重曹(炭酸水素ナトリウム)で皮を作ったのか、と思い至ったのだ。
でも、まんじゅうの皮ってそもそもどうなんだっけ。

まんじゅうの起源は中国。
中華風蒸しパンである「饅頭(マントウ)」や具入りの蒸しパン「包子(パオズ)」だよ。
日本では多くの地域でお米がとれるわけだけど、埼玉や群馬、長野のようなもともと稲作にあまりむいていない地域では代わりに小麦が栽培されていたし、温暖な吸収や四国は二毛作の裏作で小麦を作っていたんだよね。
その関係で日本でも小麦食の伝統があるわけだけど、そこに食い込んだのだ。
まんじゅうの場合、実は大陸から二系統が伝わってきていて、酒種を使って生地を発酵させる「酒まんじゅう」と発酵させずに重曹で生地をふっくらさせる「利休まんじゅう」の二つだよ。
酒まんじゅうの方が本場のものに近いけど、発酵させるのには温度管理が必要だし、時間もかかるので、重曹を使って簡単にふっくらした皮が作れるのはありがたいわけだよね。

炭酸まんじゅうがまさにそれで、別名を「田舎まんじゅう」と言うんだけど、それはまさに田舎で自分で作って自分で食べるようなまんじゅうだから、ということなのだ。
「利休まんじゅう」は、お茶文化と一緒に発達した薄皮まんじゅうだけど、これは作るのに技術がいるんだよね。
薄い皮であんこを包むのが難しいのだ。
なので、大福のように小麦粉を練って作った生地にあんこを入れて蒸すだけの田舎まんじゅうは皮があついのだま、田舎で食事として食べるものならその方がいいしね。
で、蒸さずに囲炉裏の灰の中で焼くと長野の名物「おやき」になるよ。
ちなみに、上州名物焼きまんじゅうはぐなしの酒まんじゅうを焼くらしい。
実は手間がかかっているみたいなんだけど、これは江戸末期に店で売る商品として開発されたものだから。
埼玉や群馬では小麦食がさかんで、うどんやらまんじゅうやらすいとんやらをよく食事として食べていたらしいので、まんじゅうを作っておいて冷たく硬くなったやつを焼いて食べていた、みたいなのが下地にあったんじゃないかとは思うけど。


この炭酸まんじゅうの特徴は、重曹の効果により皮が黄色くなっていて、少し苦みがあること。
重曹を加熱すると二酸化炭素が発生し、それによって生地がふんわりするわけだけど、二酸化炭素が抜けた後には水産間トリウムが残るんだよね。
これが苦みの原因だけど、市販されているベーキングパウダーの場合は中和剤も入っているので、この苦みが出ないように工夫されているのだ。
黄色い色も水酸化ナトリウムの効果で、小麦粉中に少しだけ存在しているフラボノイド色素が塩基性課で黄色く発色するから。
これはうどんは白いのにかん水(塩基性)を入れあ中華麺は黄色くなるのと同じ。
さらに、塩基性課ではグルテンの結合が強化されるので、ぷりぷりとした歯ごたえが出てくるのだ。
これがうどんと中華麺の弾力の違いなんだけど、実は、乾麺のパスタをゆでるときに少し重曹を入れると中華麺のような食感になるんだよね。
なので、生地を練る段階でなく、ゆでる段階でも作用するようなものなのだ。

今売られているような田舎まんじゅうは、小麦粉と砂糖を混ぜて水で練って重曹を加えてあんこを包んで蒸す、という工程。
そう、あんこのあるなしはあるけど、ほぼほぼ蒸しパンと同じなのだ。
あんこを包んだ蒸しパンと言っても過言ではないね。
ちなみに、あんこを入れる代わりにゆでたサツマイモをサイコロ状に切ったものを混ぜてから成形して蒸せば鬼まんじゅう。
戦前から食べられているとまんじゅうで、戦後になって食べられるようになると蒸しパンという名前になっているのかもしれないなぁ。

2025/03/29

は~い解散、解散

 東京地裁が宗教法人法に基づき旧統一教会に解散命令を出したのだ。
教会側は東京高裁に即時抗告すると早速会見し、場合によっては最高裁まで争い姿勢のようだけど、いつの間にかそこまで話は進んでいたんだね。
報道されないだけで手続は進んでいたようなのだ。
で、今回の解散命令は昭和26年(1951年)に宗教法人法が制定されてから3件目だそうで。
それほど珍しいことなのだ。
でも、個人的には何で裁判所が?、という疑問もあったので、ちょっと調べてみたよ。

まず、宗教法人法の規程。
第81条で解散命令について規定していて、「裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる」となっているんだけど、今回は都道府県をまたいで活動してる宗教団体である統一教会の所轄庁である文部科学省が地裁(法人登記の場所なので今回は東京地裁)に解散命令を請求したものなのだ。
で、その請求理由は同条第1号の「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」とされているのだ。
刑事事件として検挙されたことはなかったけど、多額の献金の要請や霊感商法などで財産的・精神的被害をもたらしたとする民法上の不法行為を根拠にしている点が注目されているよ。
以前の2件(オウム真理教と明覚寺)については刑事事件を根拠にしているので、さらに一歩踏み出した判断になるからなのだ。

その事前の手続きとして、第78条の2に基づく質問権を7回行使しているんだけど、最初に質問権を行使するときは話題になっていたけど、この質問権というのは、オウム真理教の事件を踏まえて法改正で追加されたものなんだよね。
地下鉄サリン事件というテロ行為を起こして初めて山梨県にあった施設で警察による強制捜査が行われることになるんだけど、坂本弁護士一家失踪事件以来きな臭いことはあったわけで、もう少し情報が取れていれば未然に防ぐこともできたのででは、ということなんだよね。
確かに、当時の教団は相当怪しい活動をしていたので、報告徴収やら質問権行使やらがもっとできていたら、最悪の事件を起こす前に検挙できた可能性はゼロではないのだ。
で、今回、その法改正で追加された質問権が機能したわけなのだ。
行使する前には憲法上は信教の自由が保障されているのでその権利侵害だなんて意見もあったけど、その結果、民事上の不法行為のエビデンスは集まりました、ということなんだよね。

ちなみに、オウム真理教の次に解散命令が出た明覚寺というのは、水子供養にかこつけた霊感商法で詐欺をしていたとして刑事事件になった宗教法人。
もともと本覚寺と名乗っていて、悪名が広まってきたので解明したといういわくつき。
旧統一教会が名称を変えた際にも話題になったのだ。
この時は普通に詐欺罪で警察の捜査が入ったので、質問権の行使などなくてもなんとかなったんだよね。
今回についていうと、刑法犯とまでは言えないような得も言われぬやり口(?)での不当な金集めが問題視され、それが民法上の不法行為に当たるとして、それを根拠に「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」という整理になっているんだ。
でも、この民法上の不法行為を「法令に違反して」という宗教法人法の条文の解釈で行けるかどうかは微妙とみている専門家もいて、おそらくもう少し裁判で争うことになるんだよね。

っていうか、最初にオウム真理教が刑法犯で解散命令が出た時も、最終的に最高裁まで争っているのだ。
「法令に違反し」まではよいとしても、「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」というのが少し大げさな表現であることが理由だよ。
霊感商法で大規模に詐欺行為を働く、というのは「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」のか、というこおだよね。
ただし、これは最高裁判決が出ているので、オウム真理教は完全アウト。
明覚寺もテロ行為という国家転覆につながるような大それたことはしていないけど悪質な詐欺を継続して働いていたのでアウト、という整理になっているので、少しずつ外縁が明らかになってきているのだ。
今回の例も、民法上の不法行為まで広がるかどうかは今後の司法判断を待つよりほかないよ。
ちなみに、明覚寺と同じように霊感商法でもんだしされた「法の華三法行」についても解散命令を発出すべく検討されたんだけど、それより先に破産してしまったので、宗教法人としては解散になってしまったのだ。
宗教法人法第43条第2項で「宗教法人は、前項の場合のほか、次に掲げる事由によつて解散する」となっていて、その一つとして第3号で「破産手続開始の決定」が規定されているので、破産すると強制的に解散なのだ。
オウム真理教も破産しているけど、あれは宗教法人としての解散命令が出亜後に破産しているのだ。

2025/03/22

今こそ原点回帰

 そろそろ放出された備蓄米が流通に乗るはずなんだけど、お米の値段はいっこうに下がらない。
っていうか、むしろまだまだ上がっている。
本当に米価は安定するのだろうか?
スーパーに行くと、「お米の代わりに」とか言って、パスタや焼きそば、パンのコーナーに力を入れ始めているのだ。
最近はお米を食べない食生活も広がってきているから、確かにそういうのもありだよなぁ。
でも、このまま値段が上がったせいで米離れが加速し、かえってうれなくなってしまうのだろうか。
ボクもある程度はいいけど、どうしてもお米を食べたくなるときはあるんだよなぁ。

そんなとき、先人の知恵が役に立つのだ。
それが「かて飯」と呼ばれるもの。
埼玉の名物として五目ごはんみたいのがあるけど、あれ。
もともとは米を炊くときに他の材料を入れてかさまししたものなのだ。
特に有名なのはNHKドラマ「おしん」で一気に全国区の知名度になった大根飯。


もともと江戸時代の農家は、自分でお米を作っているのにたらふくお米を食べると言うことはなかなかできなくて、麦や雑穀を混ぜたり、水気を多めにして雑炊やかゆにして食べていたのだ。
そんな少ない米でおなかいっぱい食べる工夫のひとつが「かて飯」。
大根以外にも、エンドウ豆(豆ごはん)、サツマイモ、キノコなどを入れていたようなのだ。
海が近い地域では海藻を混ぜ込むのもよくやられていて、その系統にあるのが、給食で人気のわかめごはん。
刻んだわかめのかすかな磯の香りとほんのりした塩味がおいしいよね。
戦中戦後の食糧難の時代には、トウモロコシやカボチャをまぜたりもしたのだ。
戦中世代はさんざん食べさせられたから、サツマイモやトウモロコシ、カボチャがきらいな人が一定数いるんだよね。

で、もともとは米が少なくてもすむ工夫だったわけだけど、具が入ってあじのついたごはんっておいしいよね、ってことで発展していくのがかやくごはん。
栗ごはんやタケノコごはんはもともとは「かて飯」のカテゴリーだったようだけど、白飯が不自由なく食べられる時代になっ点もおいしいからといって食べ続けられているのだ。
っていうか、少し高級だよね。
豆や山菜、キノコなんかもそう。
ボクは実家で出ていた里芋入りのキノコごはんが好きだったなぁ。

で、米が高くなったいま、米以外の主食を食べるというのもあるけど、この「かて飯」に注目するのもありと思うのだ。
ごはんを食べたいという欲求も満たせるし、お米をがまんしている、という感じも薄いし。
けっこういいアイデアだと思うんだよな。
そんなことを考えていると、ひさしぶりにわかめごはんが食べたくなってきた。
でも、わかめごはんだと大してガサ増やしにならないんだよなぁ。
やっぱり豆ごはんやトウモロコシごはんから始めるのがよいか。

2025/03/15

聞かない力

 ネットで見た情報なんだけど。
精神疾患の症状の一つである幻聴がノイズキャンセリングのイヤホンで軽減するということが報告されているのだ。
え?
実際には音が聞こえていないから「幻聴」なんじゃないの?
それが雑音を消して音をクリアに聞きやすくするノイズキャンセリングでなくなる?
これだけ聞くと意味不明だよね。
ちょっとずつ解きほぐして考えた方が良さそうなのだ。

まず、ノイズキャンセリング技術から。
これは理論的にはそうなんだけど、本当にそんなことができるのか、と個人的に思う技術の一つなんだよね。
音が波の英室を持っているのは周知のとおり。
実際には空気の振動が進行方向に振動する粗密波という波なのだ。
で、波という性質を持つ以上、周期と位相があるわけで、同じ周期で逆位相の波を重ねると、山と谷がそれぞれ打ち消し合うので波がキャンセルされるのだ。
なので、ノイズの音の波の成分を分析し、それを打ち消す波を出してあげればよいわけ。
理屈はそうなんだけど、リアルタイムで音波の成分を分析して逆位相の音波をぶつけるってすごいよね。
実際には完全一致しなくてもある程度打ち消せればノイズは小さくなるので、ある程度予測できればできなくもないとは思うけど。

次は「幻聴」について。
本来的な意味として、聞こえないはずの音が聞こえたと脳が錯覚している状況を指すわけだよね。
聴覚信号については、
 音刺激が耳に入ってくる
=>鼓膜を介して音刺激が生体内信号に変換される
=>聴覚神経から脳の聴覚野に音刺激が来たという情報が伝わる
=>脳内で情報処理をしてその音刺激を「音」として認識する
という流れ。
このうち、特に重要なのは認識の部分で、人間の脳の処理は立派なので、「聞きたい」音は増幅されて、そうでない雑音(虫の声、外を走るトラックのエンジン音などの環境音)は減衰させて認識しているんだよね。
集中してくるとまわりの雑音が気にならなくなる、というやつ。
確かに、いろんな人の話し声が混ざり合った雑踏の中で会話をしていても自分が会話している相手の声だけははっきり聞こえるけど、その背景にある他の人の会話は通常あまり認識されないよね。


精神疾患は「心」という概念を無視すれば、聴覚に関する脳が機能不全に陥っている状態。
この場合、脳内の音刺激の情報処理がおなしなことになると、聞こえていないはずの音が聞こえたように誤認してしまうのだ。
ただし、どうもそれにもさらにサブタイプがあるようで、
・全く何も聞こえていないのに音が聞こえると錯覚している
・本来雑音として「あまり聞こえない」ように処理すべき音が意味のあるような音(多くの場合他の人の話し声、しかも、自分を罵倒や嘲笑するような声)に誤認している
というような場合があるのだ。

後者の場合、ノイズキャンセリングできるとトリガーになる雑音が減るのでこうかはありそうだよね。
でも、実は前者の場合でも、ノイズキャンセリングで雑音は聞こえないんだ、という安心感と言うか、プラセボ効果により、そういう錯覚をしなくなる、というケースがあるようなのだ。
音がしない部屋に入れても自分をののしる声が聞こえる、という症状を訴える患者さんであっても、ノイズキャんセリングのヘッドホンを装着させると落ち着くことがあるんだって。
こうなると、機能不全とはいいながら、精神的な状態が機能に影響を与えているということになるので、また「心」という問題に戻ってくるんだよなぁ。
なかなか脳の高次機能と言うのは難しい。
とはいえ、器質性ではない耳鳴りなんかの場合は精神的な原因かもしれないので、その場合はノイズキャンセリングヘッドホンがおすすめだよ、ということ。