2010/08/14

Bon Vacation!

世間はすっかりお盆休みシーズンだねぇ。
街中から人は減り、帰省ラッシュのニュースが流れているのだ。
かくいうボクも今回はこのお盆の時期に夏休みを取得しているのだ。
お仕事の相手先もお休みのことが多いから休みやすいんだよね。
なんだかんだでまだ国民的な季節行事なのだ!

お盆というのは仏教で言う盂蘭盆会(うらぼんえ)から来ているもので、祖先の霊がもどってくるので、それを迎え、供養して、また送り出すというのが一連の流れ。
一説には、釈迦の十大弟子の一人、神通第一と言われた目連尊者が夏の修行(夏安吾)の最中に亡き母親の姿を探したところ、餓鬼道に落ちていることを発見したことから始まるのだ。
それをどうしたら救えるかとお釈迦様に相談すると、安吾の最後の日(解夏の日)にすべての比丘(仏教の修行者)に食べ物を施せば母親にも届くだろう、と教えられ、すべての比丘に布施をしたところ、餓鬼道にいた母親の口にも食べ物が届いたんだとか。
これが施餓鬼とも言われる所以だよ。
この話は中国で成立した偽経にあるものなので、中国由来なんだそうで、インドでは盂蘭盆の習慣はないんだって。

もともと中国では初春と夏の盛りに二度祖先の霊をまつる習慣があったようで、その夏の祖霊供養の習慣が仏教とまざってできたのが盂蘭盆なんだと考えられているようだよ。
中国の習慣は広く東アジアに広まるので、これは日本にも入ってきていて、さらに仏教とともに盂蘭盆が入ってくると、日本で独自に進化した夏の祖霊供養の民俗習慣と、仏教とともに入ってきた盂蘭盆が習合して現在のようなお盆になったのだ。
そういう意味で、仏教色が強いけど、純粋な仏教行事とはいえないんだよね。
お墓参りやお経をあげたりするほかにもお盆の行事があるのにはそういう事情があるのだ。
ちなみに、初春の行事は後にお正月の民俗につながっていって、中国では爆竹を鳴らしたり、日本では門松を立てて年神様を迎えたりするけど、それももともとは祖先の霊の供養だったんだって。

お盆が特殊なのは他の夏の行事とも密接に関係していること。
特に夏祭りが行われる地域だと、盆踊りとお祭りは密接不可分だよね。
夏祭り自体は疫病が流行しないように祈ったり、収穫前にしっかり雨が降るよう祈ったり、逆に台風の被害がないように祈ったりするもの。
これももともとは祖先の霊をまつって、感謝の気持ちを表すとともに、そういう祈願をしていたのかもしれないのだ。
もともと日本の神様は祖先的な意味合いもあるから、神仏混淆の世界ではそれでよいのかも。

盆踊りは地獄での受苦を逃れた亡者が喜んで踊る姿を燃したなんてことも言われるけど、むしろ祈願の踊りと考えた方がすっきりするかもね。
雨乞いの踊りのようなものなのだ。
沖縄のエイサーも盆踊りの一種だそうだけど、太鼓や鉦を大音量で打ち鳴らすのは疫病払いのお祭りの特徴だよね。
東北のねぶたも疫病払いと言われるけど、こっちもお盆と大きく関係しているようなのだ。
秋田の竿灯祭りは豊作祈願だけど、やっぱりお盆と関係しているよね。
やっぱり夏祭りとお盆は民俗行事としてつながっていそうなのだ。
ちなみに、これらのお祭りや盆踊りはむかしでは一大イベントでは、田舎の地域では重要な出会いの場だったんだよね(笑)

お盆によく見るのは迎え火や送り火。
これは祖先の霊を迎え、送り出すときのもの。
京都五山の送り火も祖霊を送るものだそうだよ。
灯籠流しや精霊流しも同じ意味があるそうなのだ。
むかしは海の彼方に常世=あの世があるとも考えられていたので、川に流すという発想が出てくるのだ。
そして、お盆の名物と言えばキュウリとナスに割り箸をさした馬と牛。
来るときは馬に乗って早く、帰るときは牛に乗ってゆっくりと、という意味が込められているんだって。
ちなみにこれは精霊馬と呼ばれるのだ。

で、現在はお盆というと8月中旬、終戦記念日と同じ15日に当てられることが多いよね。
この前後がお盆休みシーズンとなるのだ。
でも、もともとは旧暦の7月15日で、それが新暦になると約1ヶ月ずれるわけだけど、そのまま旧暦の日付に合わせ続けると新暦では毎年日が変わってしまうので、そのまま1ヶ月ずらした8月15日固定されるようになったんだ。
今でも旧暦の7月15日に旧盆をやる地域もあるよね。
さらに、新暦の7月15日という地域もあたりするから混乱するのだ。
とは言え、なんとなく、8月中旬、夏休みも折り返しを過ぎて、そろそろ休みも終わるなぁ、と思いをはせるこの時期がお盆っぽいよね。
お盆が終わるとヒグラシも鳴き始めて、夏の終わりを感じるのだ。
やっぱり日本人の季節感と密接に関連した民俗なんだね。

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