2011/11/12

よいマルチ?

予算委員会で3次補正予算案の審議が始まったと思ったら、中身は山岡大臣の「マルチ問題」・・・。
これでいいのか?、という気もするけど、この件も気になるのは確かだよね。
疑問符がつく人が担当大臣をしていていいのか、という問題もあるし。
で、個人的に気になったのは、この話で出てくる、「よいマルチ、普通のマルチ」という言葉。
「マルチ商法」って一般には悪いイメージだよね。
「よい」も何もないと思うんだけど・・・。

調べてみると、マルチ商法というのは法律用語ではなく、定義もいろいろあるので受け止め方に差が出てくる言葉のようなのだ。
法律上規制されているのは、「特定商取引に関する法律」で規制されている「連鎖販売取引」というもの。
消費者生活センターなどでは、この「連鎖販売取引」のことをいわゆる「マルチ商法」として表現しているみたい。
例えば、国民生活センターの相談事例なんかを見ていると、連鎖販売取引に関するトラブルのところで「マルチ商法」とあるのだ。
大学生が勧誘された例だけど、これは実際に平成16年に女子学生から相談があった実例みたい。

「連鎖販売取引」というのは特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第33条で定義されているんだ。
そのまま引用すれば、

第三十三条  この章並びに第五十八条の七第一項及び第三項並びに第六十七条第一項において「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章及び第五十八条の七第一項第一号イにおいて「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の主務省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章及び第五十八条の七第一項第四号において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章及び第五十八条の七第一項第四号において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。
なんだけど、これじゃわからないよね(笑)
わかりやすく言えば、布団やら化粧品やら健康食品やらを販売する事業で、会員になって受託販売をすると、売上高や新規会員紹介でマージンがもらえる、という仕組みで会員を増やしていくものなのだ。
ただし、会員になるときに入会金が必要だったり、有料の研修を受けなければいけなかったり、一定量の商品をあらかじめ購入することを義務づけられたりするのだ。
受託販売のところだけ見るとフランチャイズに似たような感じもするけど、フランチャイズの場合はロイヤルティーを払って自らやらせてもらうんだよね。
なので、自分で事業をしているという感覚があるのだけど、マルチ商法の場合は、もともと売れたらその分マージンがもらえる仕組みで、「副業的に」とか「アルバイト感覚で」とか称してもっと安易にできるようなイメージがあるのだ。

実際に受託販売がうまくいくのであれば問題はそんなに問題は発生しないわけで、それがどうも「よいマルチ」らしいんだよね。
「マルチ商法」と言うと聞こえが悪いので、「ネットワーク・ビジネス」とかも言ったりするみたい。
ちなみに、類似のものに「マルチまがい商法」というのもあるよ(笑)
でも、多くの場合、商品が売れないのでマージンが入らない、というところで問題が発生するんだ。
その際、あらかじめ受託販売用に購入させられた商品が返品(クーリング・オフ)できない、とか、実はほとんど売れない商品でもともと会員の入会料だけで回していたような仕組みだった、とかのトラブルにつながるわけ。
簡単だ簡単だと言って高額な入会料や研修料をとる詐欺まがいの行為もあるんだ。
よい資格があると言って高額な料金を払わせて資格を取得させるけど実際には全く使えない資格だったとか、高額な研修を受けてもも実際は仕事を回してもらえないだとか、内職用の高額な器具を交わされても実際には儲からない内職だったとかの詐欺的な手口だよ。

ただし、この連鎖販売取引は、それ自体が禁止されているものではなく、一定の規制がかけられているだけ、というところがいわゆる「ネズミ講」との違いなんだよね。
もともと「特定商取引に関する法律」は悪質な訪問販売や通信販売を規制するためにできた「訪問販売等に関する法律」で、マルチ商法はそれが社会問題化してきたときにこの枠組みに入ったのだ。
で、新たな手口が出てきて問題が発生するたびに取り締まりを強化すべく改正を繰り返し、今の法律になったというわけ。
それでも、日々悪質な手口も進化していくので、「いたちごっこ」的ではあるんだよね(>o<)

連鎖販売取引の場合、クーリング・オフができるようにする、中途解約できるようにする、誇大広告をしない、強引な勧誘をしないなどの規制がかかっているんだけど、それをクリアすれば禁止されているものではないのだ。
とは言え、実質上はこの規制はとても厳しくて、ほぼ事実上の禁止に近いものになっているそうなんだ。
なので、「マルチ商法」かな?、と感じたら、とりあえず避けた方が無難。。
もしひっかかっていたら、早め早めに都道府県の消費者センターに相談するべきなのだ。
理論上「よいマルチ」というか「合法的な連鎖取引販売」は存在するけど、本当にそれがビジネスモデルとして社会に存在しているかははなはだあやしいのだ・・・。

ちなみに、「ネズミ講」は法律で禁止されているんだ。
「無限連鎖講の防止に関する法律」というのがそれで、その中で定義されている「無限連鎖講」がいわゆる「ネズミ講」。
親会員から子会員、孫会員とネズミ算式に会員を増やしていく過程で入会料を集め、それを上位会員に配当金として分配していくのでその名があるんだ。
会員が無限に増えていくのであればいいのだけど、実際には会員が無限に増えるわけではないので、ある時点で破綻し、末端の会員は入会料だけ払って配当がもらえなくなるのだ。
ピラミッドの上位にいた人だけはもうかっていて、それが成功事例のように映ると新規会員が増えてしまうんだよね・・・。

事業、ビジネスモデル自体に収入が見込めないのに、入会料だけで配当金を回そうとするとこの仕組みになるのだ。
今問題になっている「安愚楽牧場」の経営も、実質上これに近いことになっていたんだよね。
けっきょく肉牛はほとんど売れていなくて、新たな会員からの出資金をもとに配当を払っていたので、会員の加入がなくなった時点で破綻することは目に見えていたのだ。
ま、この場合は意図的にやっていたのではないので「ネズミ講」には当たらないのだろうけど、ウソのビジネスモデルでそういうことをすると「ネズミ講」になるのだ。

というわけで、世の中そんなにうまい話があるわけではなくて、楽してもうけようというのはうまくいかないのだ。
株取引とかで一夜にして莫大なお金を稼ぎ出す人もいるけど、それは一部の才覚のある人で、一般人ではそうはいかないのだ。
宝くじが当たるほど運がよければ別だけど、「誰でも楽にもうけられる」なんてうたい文句ウソっぱちなので、引っかからないように自分で気をつけないといけないよ!

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