2010/07/24

暑中お見舞い申し上げます

昨日は二十四節気の大暑。
梅雨も明けて晴れの日が続き、夏の間でももっとも暑い季節と言われる約2週間が始まるよ。
その後の立秋を過ぎると徐々に暑さも和らぎ、徐々に過ごしやすくなっていくのだ。
で、この時期の名物と言えば暑中見舞い。

暑中見舞いは一つ前の小暑から立秋までの約1ヶ月間の暑中のうち、梅雨明け以降に出すものなのだ。
直接相手を訪問することもあるようだけど、基本的には手紙を出すのが一般的だよね。
年賀状ほど広まってはいないけど、くじ付きの「かもめ~る」なんかも販売されているのだ。
むかしの人は通信手段が限られていたからこういう季節の行事を大事にしていたけど、携帯電話も含めていつでも簡単にコミュニケーションがとれる現代では徐々に失われつつある文化だよね。
だからこそ、大事な人に出したいものでもあるんだけど。

ちなみに、立秋を過ぎてから出すのは残暑見舞い。
一番暑い時期は過ぎたとは言えまだまだ暑いので、ということで相手を見舞うという分けなのだ。
立秋って7月中にあるので意外と早いんだよね。
そういう意味では気をつけないと暑中見舞いと残暑見舞いを間違ってしまうのだ(>_<)

狭義では、ウナギでおなじみの夏の土用の期間、つまり立秋までの約18日間が暑中で、その間に相手の体調を見舞うのだ。
広義の暑中は約1ヶ月だけど、その間でも特に暑いのが夏の土用なんだよね。
梅雨が明けるのもこのころで、本格的に暑さを感じる時期なので、体調を崩しやすいのだ。
いわゆる夏バテというやつで、そうやって体調を崩す人が多いので見舞うのが本来の意味だよ。
で、夏バテにならないように栄養をつけようとこの暑い時期にウナギを食べましょう、となるのだ。
土用自体は、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの直前の期間のことなので、「土用の丑」と言っても春夏秋冬あるわけだけど、やっぱりウナギを食べるのは夏の暑い時期、暑中の土用というわけなんだよね。

このころに気をつけたいのは夏バテだけでなくて、土用波もそうなのだ。
夏の土用の時期に見られるのでそう呼ばれているんだけど、一見おだやかな海なのに土用波にさらわれて沖まで流されてしまう、なんて事件がよく起こるんだよね。
土用を過ぎてからの海水浴には注意が必要なのだ。
この土用波、むかしから知られていたんだけど、その正体ははるか遠洋にある台風が起こす波のうねりが伝わってきたもの。
三角に波頭がとがっている並みは波長も短く、そんなに遠くまでとどかないのだけど、波頭に丸みがあって、波長が長い波のうねりは減衰しづらくて遠くまで届くのだ。
秋の手前が台風のシーズンだけど、やがってやってくる台風は遠洋ではすでに発生していて、その影響が土用波として先に来ているのだ。
夏の最盛期は太平洋高気圧が発達しているので台風が近づけなくてなかなか上陸しないだけで、南洋では熱帯性低気圧がたくさん発生しているのだ。

いずれにせよ、土用というのは季節の変わり目。
特に夏の土用は、体調を崩したり、気候も大きく代わったりするので、いろいろと気をつけたいのだ。
そういうときに、身の回りのお世話になっている人を気遣うっていうのはよい文化だよね。
すたれさせるにはおしいのだ。

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