2011/04/16

いつまでゆれるの?

3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生してから1ヵ月が経過したのだ。
でも、まだまだ余震が続いているよねぇ。
最近では震度6級の大きな余震もあって、東京でも震度4くらいでゆれたから本当にびっくりしたよ。
気象庁が大きな余震の可能性は低くなるって発表した矢先だったしね。
原発問題もまだしばらく片付きそうにないけど、余震の方も心配なのだ(>o<)
先の地震でもろくなった構造物が倒壊するおそれがあるし、何より、いつまでも余震が続くと精神的な重圧も感じるよね。

余震というのは、地殻プレートが押し合ったり、引っ張り合ったり、横ずれしたりして起きる地震(これを本震と言うのだ。)の後に続く地震の総称で、大きな地震であればあるほど大きな余震が長い間続く可能性があるのだ。
ちなみに、本震の前に先触れでゆれる前震というのもあるんだって。
この余震は、本震で放出されきれなかった地震のエネルギーが徐々に放出されることで起きると思われているのだ。
あまりに貯まったエネルギーが大きいと、一気に放出しきれないんだそうだよ。
で、そういうときは、大きな地震が来た後に、比較的大きな地震が続くのだ・・・。
今の状態がまさにそうなんだけど、なかなか収まる気配はないし、まだまだ警戒しなきゃ、という雰囲気だよね(ToT)
一般には、余震の大きさは最高でも本震のマグニチュードより1程度小さくなると言われているんだけど、今回の地震はマグニチュードが9.0だったから、マグニチュード8クラスの巨大地震が余震として発生するおそれがあるかもしれないということだよね・・・。

よく地震のメカニズムとして、プレートテクトニクスが語られるよね。
地球表面を覆っている比較的固い岩盤は「1枚岩」ではなくて、いくつかのプレートに分かれていて、それが動いているというのだ。
プレートとプレートの間では、横にずれたり、下に滑り込んだり、上に乗り上がったりして摩擦が生じていて、そこで発生するエネルギーが徐々にためられていくことになるんだ。
それがためきれなくなって放出されると地震となるわけ。
ちなみに、ヒマラヤ山脈も富士山もプレート同士がぶつかって盛り上がってできているんだよね。
決して速いスピードで動いているわけではないけど、それくらいの強さのものなのだ!

ニュースの解説なんかだと、そのため込まれたエネルギーを地震として放出する際に板バネのような絵を描いて説明するのだ。
板バネを指で曲げておいてから指を話すと、振動しながらもとのまっすぐな状態にもどろうとするよね。
これはいわゆる「縦ゆれ」的なイメージだけど、ゴムひもやバネのような伸び縮みするような場合もあって、それが「横ゆれ」のイメージになるのだ。
でも、実際には地殻はそんな単純に縦と横の成分に分けて考えられるような動きをするわけじゃないんだよね。
むしろ、ゴムまりを無理やりつぶして、それが複雑に動きながらもとの形にもどろうとする動きの方が近いのだ。
これは「応力」という力で、物体の内部に生じたゆがみをもどそうとあらゆる方向に働く力のことで、糸が引っ張られたときに引っ張られたのと反対方向に働く張力が3次元になったようなものなのだ。

地殻の構成は一様ではなくて、いろんな岩石や砂、泥、水などなどがモザイク状にまざっていて、岩石内部での密度の濃淡があったり、粘度の大小があったりするんだよね。
そのために外部から力が加わると、それが均等に分散されず、弱いところにゆがみ・ひずみが蓄積されるのだ。
それで局所的に応力が発生した状態になるんだけど、いよいよそのゆがみ・ひずみに耐えられなくなると、地殻の岩盤が割れて、断層ができるのだ。
この断層ができるときのゆれが地震となるわけ。
断層ができる場合には、押し合う力で上に盛り上がる逆断層、引っ張り合う力で下にずれ込む正断層、横にずれ合う横ずれ断層などの種類があって、それぞれの断層のでき方で地震のゆれも特徴的になるんだよ。
この断層は地震後にある程度確認できるので、どういう地震だったかの解析が可能になるのだ。

ところが、こうやって断層ができても、完全にゆがみやひずみが解消していない場合があるんだよね。
いったん断層ができるともろくなって次の断層ができやすくなるし、また、断層ができてずれて動くことで新たなゆがみ・ひずみが発生することもあるのだ。
こうしてまた耐えられない状態になると地震が発生するんだ。
それが余震。
逆に、断層が大きく動く時にその予兆として少し動くのが前震だよ。
実際には断層は一カ所にだけできる訳じゃなくて、いろんな形の断層がいっぺんにできるので、そう単純ではないんだけど。

ちなみに、耐えられなくなって断層ができる前にも、ゆがみ・ひずみのエネルギーが蓄積されている状態は観測できるはずなんだよね。
それで地震予知を行おうという考え方もあるのだ。
例えば、岩石は外から圧力をかけられると中に応力が発生するんだけど、その際、内部に微弱な電流が流れることが知られているのだ。
地殻でも同じことが言えるだろうと、地中に発生する微弱な電流をとらえて地震予知につなげようとする方法もあるんだ。
地震の前にはプラズマの火球が発生するとか、地温が高くなって生物の行動に変化が見られるとか、土中成分の濃度に変化が出てそれが植物に影響を与えるとかとか、いろいろとあやしいのも含めて考えられてはいるんだよね。
地震雲という特徴的な雲が出るなんて言う民間伝承的なものもあるのだ。
日本で一般的なのは、微弱な地層のずれなどをGPSなどを使った精密な位置観測で検出するのだ。
これは前震よりさらに前の前触れを見ているわけだよ。
古代中国では8つの首の竜が8方向に顔を向けて玉を加えていて、その玉が落ちた首の方向で地震が起きる、なんて予知をしていたけど、これも微弱なゆれを検知する機械になっているんだよね。

気象庁の余震の予測は、過去の地震の観測例や統計データ、発生した地震の性質の分析などをすることで、どの程度の余震が発生するかのシミュレーションをして、余震の発生確率を割り出しているんだよ。
ある期間の間にどれくらいの大きさの余震がどれくらいの確率で発生するかを発表するのだ。
さらに、その予測が当たったか外れたかをさらに計算に入れて未来の予測につなげていくのだ。
今回の地震は未曾有の大災害といわれるような超巨大地震だったのでなかなか予測は難しいみたいだけど、数年に一度発生するような中程度の地震であれば統計モデルもかなり確立されているので予測精度は高いみたい。
今回の地震のデータを詳細に解析すれば、将来の大きな地震にも備えられるはずだから、しっかりとデータをとり続けることが大事なのだ!
次の地震に備えることも必要なんだよね。

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