2011/09/17

期待していないけど期待値

ちょうど1ヶ月くらい前、サマージャンボ宝くじの抽選が行われたようなのだ。
ボクが子どもの頃は、1等前後賞合わせて1億円(1等賞金6,000千万円+前後賞各2,000万円)だったけど、これは宝くじの賞金は原則として額面金額(ジャンボの場合は1枚300円)の20万倍までという上限が法律で決められているからなんだって。
今ではさらに法改正され、総務大臣が指定をした場合は、額面金額の100万倍まで(ジャンボなら300円の100万倍で3億円)の当せん金が認められるようになったんだよ。
今のところ最高額のジャンボ宝くじでも2億円だけどね(前後賞を合わせると計3億円)。
でもでも、「億円」という単位が出てくると俄然夢を見たくなるけど、同時に、当たらないよあぁ、というのも宝くじの印象。
これがどうなっているのかをちょっと数字で調べたのだ。



表がその簡単な分析。
今年のサマージャンボ宝くじの場合、1等、前後賞、2等はそれぞれ1枚ずつ。
01組~100組まであって、それぞれ100000~199999の10万通りの数字の組み合わせがあるので、トータルでは1000万通り。
すなわち、これらの賞は1000万分の1の確率でしか当たらないのだ!
組違い賞だとその100倍、組番の下一桁だけを指定する3等だとその10倍当たりがあるのだ。
で、それぞれ当せん金と当たる確率をかけ合わせて、当せん金の期待値を求めると、1等で20円、前後賞合わせても30円というていたらく・・・。
1等から7等まで+ラッキーサマー賞まで入れても、300円で買った宝くじ1枚に期待される当せん金は136円という結果になったのだ(ToT)
通常ジャンボ宝くじの当せん金期待値は140~150円くらいと言われているから、こんなものだろうね。

逆に言うと、売上金の半額は実入りになるわけで、そこから宝くじ事業を行うに当たっての経費(人件費、印刷費、宣伝費等)が捻出されるとともに、各種公共事業等に投入される収益金(全国都道府県・19指定都市に納められる分)が生み出されるのだ。
財団法人日本宝くじ協会のHPによれば、宝くじの売り上げのうち45.6%が当せん金、14.5%が事業経費、39.9%が収益金になるそうなのだ(平成21年度実績)。
1枚300円のジャンボ宝くじの場合、その45.6%は136円80銭なので、だいたい期待値計算と合っているよね!
実際には、当たっていても当せん金を受け取りに来ない人が多数いるので、その分は収益金にまわるようなのだ。

よく宝くじには「当たりやすい売り場」がある、なんて言って長蛇の列ができることがあるよね。
でも、公平に抽選をしている限り、この売り場だと「当たりやすい」ということはないはずなのだ。
ただし、「当たりが出やすい」というのは存在するんだよね。
それは単純に売り上げ枚数の差。
宝くじの当たりのようにごくごくまれにしか起こらない事象はポアソン分布に近似されるけど、そうすると、一つの売り場で高額当せん金が当たる確率は、「売上げ枚数×当選確率」に近似されるのだ。
例えば、さっきのサマージャンボの場合、50万円以上の当たりが出る確率はわずか0.00114%(>o<)
1万枚の売上げがある売り場なら、その期待値は0.114・・・。

つまり、10回に1回しか高額当せん金は出ないというわけ。
当然、1000枚しか売れない売り場ならその10分の1の確率でしか高額当せん金は出ないわけだよね。
逆に言うと、10万枚以上売上げのある売り場なら毎回1つは高額当せん金が出るんだよ♪
すなわち、一度高額当せん金が出たと言って話題になると売上げが伸びるので、ますます高額当せん金が出る確率が上がるのだ。
この「正の循環」で「当たりが出やすい売り場」(例えば銀座の数寄屋橋)が誕生するわけだよね(笑)
ま、買った人から見れば、どこで勝手も当たる確率に変わりはないのだ。

そんなわけで、年末にはまた年末ジャンボがあるけど、期待値的に購入金額の半額は寄付していると思って買わなきゃいけないわけ。
ま、当たったら大きいし、夢を買うということだよね。
堅実派のボクとしては、なかなか買おうとは思わないのだけど(笑)
とは言え、買わなきゃ当たらないわけで、高額当せん金を手に入れる確率を「0」にしないためには買うしかないのだ!

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