2012/05/05

じゃじゃーん

香港に行ってきたのだ。
今ではもう中国ではあるけど、食事とかの面ではちょっと安心だよね(笑)
香港の人たちも日本食材を買いたがるそうだから、同じ認識なのかな?
本当は本場物の味って言うのがあるはずなんだけどね。

そんな香港でおいしかったのがXO醤。
日本で中華料理を食べているときには特に意識したことはなかったけど、香港で中華料理を食べてみて、濃厚なコクにびっくりしたのだ!
本当はこういうものだったんだね、と。
最初はただ乾物系の出汁が入っているのかと思っていたのは内緒だけど(^o^;)

このXO醤は、ペニンシュラ香港のシェフが考案したと言われている香港発祥の調味料。
調味料というだけでなく、それだけでおつまみ的に食べられたりもするのだ。
ミソみたいなあつかいかな?
確かにミソっぽいところもあるよね。
レストランによってはお皿にXO醤を入れて出してくれるので、そのままなめてもよいし、料理に足してもいいんだよ。

作り方は秘伝で、各レストランで固有のレシピがあるようなんだけど、主要な材料は干しエビ、干し貝柱、金華ハム、生姜、唐辛子、ニンニク、油。
エビや貝柱、豚肉の出汁が濃厚に出るのだ。
もどした干しエビや貝柱と中華ハムをみじん切りにしてから水分がなくなるまでよく炒め、唐辛子、生姜、ニンニクなどの香味を加えて、紹興酒、オイスターソース、豆板醤などで味を調えるんだって。
できたら瓶詰めにして完成。
特にここから熟成させる、というものでもないみたい。
実は食べるラー油と同じようにごはんにあうかも。

ちなみに、オイスターソースはカキ油とも言われることからわかるように牡蠣のうまみを凝縮したもの。
これも広東料理出身だよ。
牡蠣のゆで汁が捨てられているのを見かね、そこからグリコーゲンを取り出してお菓子のグリコが作られた話は有名だけど、オイスターソースもその牡蠣のゆで汁を原料にしているのだ(牡蠣や貝柱はゆでてから日干しにするのだ。)。
牡蠣のゆで汁を煮詰め、小麦粉やデンプンでとろみをつけてからカラメルで色をつけ、砂糖などで甘みを調節したらできあがり。
グリコーゲンのほか、アミノ酸や核酸が豊富でうまみがたっぷりなんだ。
でも、やっぱりただの調味料なんだよね。
そのままでも高級料理になる高級食材を調味料のために使っているXO醤とは比較にならないのだ(笑)

ボクは「XO」というくらいだから、ブランデーのXO(「Extra Old」)が関係していると思ったんだけど、「最高級の調味料」ということを表すだけなんだって。
ブランデーを使っているレシピもあるのかもしれないけど。
とにかく、高級な食材を使ってぎゅっとうまみを濃縮させた調味料なのだ。
ボクが香港で食べたものは特に干しエビの味が強かったね。
何食べてもエビの味がしたけど(笑)

現在では、上記のレシピを「参考」にして、大量生産品も作られているのだ。
それがスーパーなんかで売っているもの。
でも、正直普通のオイスターソースとの差がよくわからなかったんだよね。
なので、オイスターソース的なものを作るときにブランデーで漬けているとかなんとかと誤解していたのだ(>o<)
本場のものは全くの別物で、確かにこれなら最高級調味料というのもわかるよ、というものだったね!

一説には、XO醤を日本に広めたのは「炎の料理人」周富徳さんとも言われているんだって、
ちょうど「料理の鉄人」なんかの対決型グルメ番組の人気がピークだったから、よく耳にするようにはなったんだよね。
それで多くの日本人の知るところになって、広まった可能性はあるのだ。
ただし、ボクも含めてそうだけど、音で知っているだけで、何であるかはよくわかっていなかったんだけど(笑)

今では世界中に広まっているらしいよ。
香港発の世界の味になったのだ!
飲茶が世界に広がったのも香港からだけど、まさに国際都市の面目躍如。
今の中国ができて社会主義体制になってからは香港とマカオ、台湾だけが開かれた中国だったからね。
その中でも、イギリス統治下で栄えた香港の影響力は大きいと思うのだ。
米国にいたときに見かけた中国料理はほとんど広東料理で、おそらく香港発だろうからね。
今では特別行政区と言いながら中国の一部になってしまって、最近の上海の台頭に比べて影が薄くなりがちだけど、今回のXO醤のように意識していないところで香港の影響が出ていることを知ると、やっぱり世界を代表するアジアの都市なんだなぁと思ったよ。

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