2012/12/08

太陽系を越えて、無限大の彼方へ

最近ニュースで知ったんだけど、米国の探査機ボイジャー1号が太陽系の「へり」を航行していて、まもなく太陽系を脱出するらしいのだ。
ここで言う「太陽系」というのは、太陽風の影響が及ぶ範囲のことで、その外側に行くと星間物質のみで構成される宇宙空間になるよ!
これこそまさに未踏のフロンティアなんだけど、そもそもどこまで太陽風が来ているのかもわかっておらず、思ったより太陽系が広くってまだ出られていない、っていうのが米国航空宇宙局(NASA)の発表なんだよね(笑)

ボイジャー1号が現在飛んでいるあたりはへリオポーズと呼ばれる領域。
ここは太陽風(太陽から出ている超高温で電離したプラズマ)と星間物質が混じり合っている領域で、境界面にあたるそうなんだ。
身近な例で言うと、河口付近の汽水域みたいなものかな?
太陽から発せられる太陽風は、外側に行けば行くほど薄まって弱まっていくけど、星間物質と衝突したり、星間地場で減速されたりして、やがて速度がゼロになる=太陽風が止まる地点があるのだ。
そこが末端衝撃波面。
そこから先は星間物質と太陽風が混ざり合う領域のヘリオシース。
完全に混ざり合って均一な状態になっているのが今いるへリオポーズ。

へリオポーズは太陽の周りにあって、太陽と一緒に銀河の中を公転しているんだけど、このへリオポーズが公転する際に星間物質と衝突して、バウショックと呼ばれる衝撃波面が形成されるのだ。
これが正真正銘の太陽系の境界面で、この先に行くと、太陽からの磁場の影響がなくなり、星間物質からの磁場の影響のみを受けるようになるので、磁力線の向きが変わるはずなのだ。
なので、その時点で太陽系を脱出したかどうかがわかるらしいよ。
ただし、バウショック自体も100~1000kmくらいの厚さがあると考えられているので、ある一瞬を越えるといきなり磁場の向きが変わるということではないみたい。
いずれにせよ、ボイジャー1号は太陽から最も遠いところにある人工物なのだ!

もともとボイジャー計画は惑星探査計画であるマリナー計画の一部として始まったもので、たまたま惑星の配置がよく、木星・土星に行くついでに天王星、海王星にも寄れる可能性があったことから、より遠くの外惑星を探査することも視野に入れて計画されたのだ。
後にも先にも天王星や海王星の画像を撮ったのはボイジャーだけだよ。
この計画では、マリナー計画に引き続き、惑星の重力をうまく使ってか減速するスイングバイ航法が採用されていて、それによって木星を越えてさらに航行することが可能となっているのだ。
ボイジャー計画では、1号と2号の2つの探査機が昭和52年(1977年)に打ち上げられ、以来ずっと宇宙を旅しているんだよ。
両方とも750kgくらいの大きさだから、はやぶさとあんまり変わらないんだね。

でも、はやぶさの場合は太陽電池搭載で、太陽光発電で電力をまかなっていたけど、ボイジャーはそうではないのだ。
通常太陽光発電で電力がまかなえるのは火星と木星の間の小惑星帯くらいまで。
がんばれば木星あたりでもいけるらしいけど、その先の土星となるともう光が弱くなってしまってだめなのだ(>o<)
そこで、さらに遠くに行くボイジャーに採用されているのは原子力電池。
プルトニウムが熱源として搭載されていて、アルファ崩壊するときに出てくるアルファ線が吸収されるときに出てくる熱を熱電変換素子で電気に変えているのだ。
発電効率は悪いのだけど、長期間にわたって安定的に電力を供給できるんだよね。
どうしても火星より先に探査機を飛ばそうとすると必要な技術なのだ。

この電池は、打上げが失敗すると放射性物質がばらまかれるおそれがある、という大きなリスクがあるのだけど、電源としては優れもので、ボイジャーも2020年くらいまでは観測したデータを地球に送るくらいの電気がまかなえるらしいのだ。
ということは、50年くらいもつんだね。
ちなみに、地球から一番遠いところ、太陽から約180億km離れたところにいるのだ。
すると、地球と通信するだけで片道13時間超。
実は、携帯電話より弱いくらいの電波を出しているだけで、地上の超大型アンテナでその微弱な通信電波を補足しているんだとか。
ちなみに、太陽から最も近いとされる恒星はケンタウルス座のアルファ星で、太陽から約4.37光年の距離なんだけど、今のスピードで飛び続けても、ボイジャーが到達するには8万年以上かかるらしい・・・。
宇宙って広い!

現在は太陽系脱出ミッションになりつつあるボイジャーだけど、もともとは外惑星探査ミッションで、初めて天王星や海王星の鮮明な画像を撮ったり、木星・土星の新しい衛星を発見したりと大活躍。
それが、ろくにコンピュータもない、1970年代に開発されているんだからすごいよね・・・。
2号の方はトラブルもあったみたいだけど、まだ現役でデータを送っているんだからすごいよ。
日本ではちゃんと帰ってきて「おつかい」を果たしたはやぶさが人気だけど、ボイジャーも別次元ですごいのだ!
太陽系の外側がどうなっているのか、ボイジャーが教えてくれる日も近いよ♪

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