2017/08/19

うまみの果実

フランスではいろんな種類のトマトが売っているのだ。
赤、黄色、緑、黒。
形も様々で、大玉、中玉、小玉、細長いの、扁平なの。
それぞれに特徴があって、サラダに使ったり、ソースに使ったり、使い分けがあるみたい。
中でも、加熱調理用のトマトは、そのままで食べても酸っぱいんだけど、トマトソースにしたり、煮込み料理に使うとおいしいのだ♪
これはトマトに大量に含まれるうまみ成分「グルタミン酸」のおかげなんだよね。

実は、トマトは昆布並みにグルタミン酸を含んでいるのだ。
なので、「だし」がでるんだよ。
トマトベースのスープやソースには意味があったのだ。
肉類や魚介類に含まれるイノシン酸などのうまみ成分と一緒になることで相乗効果が出るので、まさにベースにぴったりなんだよね。
これが世界中で消費される理由。
実は、このトマトからも「だし」をとることができるのだ。

わかりやすいのはドライトマト。
イメージは昆布といっしょだよね(笑)
そのまま具に使って煮込んでもいい「だし」がでるんだけど、だしだけ使いたい場合は、常温の水又はぬるま湯にしばらくつけておくとよいのだ。
できあがりの「だし」は黄色みを帯びているよ。
そんなにトマトの風味はなく、あっさり系の「だし」で和風の料理にも使えるんだって。
「だしがら」のトマトの実は、そのままオリーブ油に漬ければまた食材として活用できるのだ。
ちなみに、すでにオイル漬けのものからは「だし」はとれないので、乾燥させたかぴかぴのやつじゃないとダメだよ。

かつおだし風のイメージなのは、煮出す方法。
へたをとってざく切りにしたトマトに約2倍量の水を加え、弱火でじっくりと煮出すのだ。
あんまり強烈に沸騰させない方がよいみたいだけど、あくをとりながら5~10分煮立たせればできあがり。
やっぱりうっすらと黄色くなるのだ。
これもトマトの風味はほとんどないので、いろんな料理に使えるよ。
ちなみに、「だしがら」のトマトはぐちゃぐちゃになっているので、せいぜいカレーに入れたりするくらいかな。
うまみをとってしまっているので、トマトソースにするにはきついのだ(>_<)

最後は一番手がかかるんだけど、トマトのうまみが凝縮された「だし」をとる方法。
フレンチの手法らしいんだけど、まず、へたを取ってざく切りにしたトマトに少し塩を加えて、フードプロセッサーでピュレ状にするのだ。
これをさらしでこして、透明な液体成分をとるのだ。
これが「トマト水」。
ドライトマトの戻し汁やトマトを煮だしたものとは違って、トマトの甘味や酸味も含めて抽出されるよ(~8時間くらい)。
生だから当たり前なんだけど。
残ったトマトはもはや「ぬけがら」状態なんだけど、カレーなんかに入れて使えるみたい。
って、カレーが多いね・・・。

どの方法でもけっこうな手間のような気もするけど、トマトの底力を改めて知ることができるので、試してみるとおもしろいのだ。
日本食材がなかな手に入らない場所でも、トマトなら手に入りやすいから、そういうときは便利なはずだよね。
どこまでそんな需要があるかはわからないけど(笑)

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