2024/11/23

乾いた氷

 最近は要冷蔵品を買っても楽しみが減ったのだ。
それは、ドライアイスではなく、保冷剤がついてくることが多くなったから。
子供のころはドライアイスに水をかけてスモークごっこをするのが好きだったんだよなぁ。
そんなドライアイスだけど、二酸化炭素がかたまったもの、といこと以外はよく知らなかったので、ちょっと調べてみたよ。


ドライアイスは二酸化炭素の固体状態のものなんだけど、常圧下では液体になることなく、固体から気化するのだ。
昇華というやつだよね。
このとき、まわりの空気がわりと湿っていると、その冷機で空気中の水分が凝固して細かい氷ができるんだけど、それがドライアイスから立ち上る白煙の正体。
水をかけてあげると周りの水分量が増えるので、白煙が出やすくなるのだ。
乾燥地帯にドライアイスを放置しても白煙は出ないよ。
やったことないけど。

ドライアイスの冷却能力は、同重量の氷の2倍、同容積の氷の3倍以上らしいのだ。
かつ、氷のように融けた後に水が残らないので、びしょびしょにならない!
だから「ドライアイス」と呼ばれるわけだけど、使い勝手もよかたんだよね。
逆に、融けていくと炭酸ガスが発生するので、密閉容器の中には入れられないというデメリットはあるのだ。
最近はゲルを使った保冷剤が多いけど、凍らせれば再利用できるし、何より、ドライアイスより「冷やし過ぎない」というメリットがあるのだ。
冷却能力が高すぎるのも困ることがあって、水分が凍結したりすると風味が府しなわれたり、ぱさぱさになったりするんだよね。
なので、ドライアイスを裸で入れるのではなく、不織布に包んだりして直接触れないようにしたりするのだけど。

そんなドライアイス、作り方は僕のイメージとはちょっと違ったのだ。
加圧しながら冷却していくと塊のドライアイスができると思っていたんだけど、そうではないんだよね。
まず、加圧したうえで冷却していって、液体状態の二酸化炭素を作るんだって。
これを常圧状態に戻してあげると断熱膨張により一気に固化してパウダー状のドライアイスができるんだって。
断熱膨張というのは、外界と熱のやり取りをしないで体積が膨らむこと。
液体二酸化炭素が炭酸ガスになる際には気化熱が必要なんだけど、それを周りから熱を奪うんじゃなくて、自分の温度を下げてまかなうことになるんだよね。
で、液体から固体になるわけ。

同じような現象は、密閉容器に水の入ったコップを入れておいて、そこから真空ポンプで減圧していくと、いきなりコップの中の水が沸騰し、その後いきなり氷になる、というのがあるのだ。
よく科学実験で紹介されたりするから有名なもの。
水は蒸発する際にまわりから気化熱を奪うよね。
だから汗をかくと冷却効果が出てくるのだ。
ところが、瞬間的に体積を膨張させると、まわりと熱のやり取りをしている暇がないから、自分の温度が下がってしまうのだ。
スプレー缶でずっと噴射し続けると感が冷たくなってくるのもこれと同じ現象だよ。
で、この方法だとパウダー状のドライアイスができるんだけど、あらかじめ液体の二酸化炭素に水を少しだけ混ぜておくと、さらさらの粉状ドライアイスの周りに氷の粒もできて、それがつなぎのように働いて成形しやすくなるそうな。
なので、それを型に入れて押し固めてあげるとペレット状やブロック状のドライアイスになるんだって。
落雁を作っているようなイメージだね。

ドライアイスの意外な利用方法は、遺体の保存。
腐敗しないようにするエンバーミングという処理もあるけど、ドライアイスは冷やして腐敗を遅らせるだけとはいえ、簡便かつ安価で、さらに、棺に入れっぱなしでもそのまま火葬してしまって問題ないのでよく使われるんだそうだよ。
最近はあんまり人を呼ば核なったとはいえ、通夜・葬式とやる場合はけっこう亡くなってから時間がかかるからね。
そういうのもあって、製造業者は減っているけど需要はそこまで落ち込んでおらず、国内製遺贈だけでは間に合ってなくて一部輸入しているそうなのだ。
そんなに使っているものなんだねぇ。

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