2012/07/28

つーるりつーるりぴーかぴかぴか

小学生だったころ、学期の終わりの大掃除の時には床のワックスがけをさせられたものなのだ。
床をいつも以上にきれいに掃いてから、いっせいにモップで白い液体を塗っていくんだよね。
乾くまでは立入禁止になって、塗った直後はつるつるでおもしろかったのだ。
体育館なんかは長期休みの間に業者さんがやっていたみたいだけどね。
で、最近知ったんだけど、この床の「ワックス」も進化していて、今ではコーティングと言う方が普通のようなのだ。

いわゆるむかしながらのワックスは文字どおり床の表面に固形状の脂の層をコーティングするもので、それこそ最初はスキー板の裏側のように蝋などを塗っていたんだろうけど、今ではアクリル樹脂を使うのが一般的なんだって。
床の表面に薄いプラスチックの膜を作るイメージなのだ。
もの自体は安いんだけど、すぐにはがれてしまうので1年に1回塗り直すなどのメンテナンスが欠かせないことと、塗るときに有機溶媒を使わないといけないので、くさいことがデメリットなのだ(>o<)
特有のワックス臭ってあるよね?
耐薬品性や撥水性もないので、床表面に光沢を与え、軽微な傷から保護する程度のものだよ。
塗り直しはめんどくさいけど、すぐにはがせるのはメリットで、見た目をきれいに保つにはよいのだ。

ここから少し進化しているのがウレタン樹脂を使ったもの。
アクリルは炭素、酸素、水素のみからなるけど、ウレタンはそこに窒素も加わるのだ。
アクリルがエステル結合(アルコール基の-OHとカルボン酸基の-COOHの間の結合)であるのに対し、ウレタンはアミド結合(アミノ基の-NHとカルボン酸基の-COOHの間の結合)だよ。
ウレタンの場合は耐摩耗性・耐油性に優れているので、油をはじくようになる=表面に油汚れがついてもすぐに拭き取れる、ということなのだ。
ただし、アクリル樹脂とは違って空気中の酸素や水分と反応して徐々に分解していく性質があるので、耐候性という観点では劣るんだよ。
ウレタンの場合は、高濃度に濃縮したものを塗るか、固める際にUV照射をするのだ。
UVの場合は、低分子のウレタン分子を有機溶媒に溶かした塗料を床面に塗布し、そこにUVを当てることでウレタンの低分子を重合させ、床表面でポリウレタンにするから。
アクリル樹脂の場合はもともと液体状に重合させることができるので(アクリル絵の具はまさにこれで、床に塗るワックスは透明なアクリル絵の具なのだ。)、塗って自然乾燥させるだけだよ。

UVで固めるウレタン樹脂の最大のメリットは、その場で重合させるので、分厚く、丈夫にできること。
耐用年数は一番長いみたい。
(耐用年数は皮膜がはがれない期間であって、その間中床がぴかぴかで保護されているとは限らないよ・・・。)
とは言え、あまり厚くしすぎると硬くなりすぎて引っ張り力に弱くなるので、ひび割れたりするんだって。
高濃度のウレタンを塗る場合はアクリル樹脂ほど簡単とは言えないまでもはがせるからいいとして、UVで固めるものははがせないので、適度に厚く、というのが重要なのだ。
体育館なんかはウレタン樹脂でコーティングするのが主流みたいだけど、はがせる方の高濃度のウレタン樹脂で、2年に1回とか定期的にメンテナンスするみたい。

これよりさらに強度が強くなるのはシリコン樹脂。
二酸化ケイ素(-O-Si-O-)の長い鎖状の分子に様々な有機官能基がついたものだよ(官能基の種類で性質が変わってくるのだ!)。
今ではいろんなところに使われているよね。
硬さもありながら弾力性もあって、水と油をはじき、薬剤などにも強いのだ。
しかも、10~15年はもつみたい。
ただし、はがすことはできないので、それ以上経つと床の張り替えになってしまうのだ・・・。
それはUVのウレタンも似たようなものだけどね。
とは言え、シリコンの場合は多少のでこぼこを気にせず塗れるので、塗り直しはある程度できるみたい(見た目の問題があるんだろうけど。)
時に光沢が強く、ぴかぴかてらてらになるみたいなのだ。

このシリコンよりさらに硬くなるのがガラスコーティング。
まさに二酸化ケイ素(SiO)だけでコーティングするんだ。
むかしは技術的にできなかったけど、今はナノコンポジット技術というのを使って、ナノメートルのオーダーの微少なガラスの粒子を液体の中に均一に分散させ、それを塗布して液体部分を乾燥して飛ばしてコーティングするようなのだ。
弾力性はシリコン樹脂に比べて落ちるけど、ガラスなので硬さは抜群。
耐用年数も20年以上と長期間持つのだ。
こっちは塗り直しがきかないので、原則張り替え。
でも、長い間持つし、表面に傷もつきづらいのだ。
光沢も抑えめにすることができて、床が適度なてかりになるみたいだよ。

というわけで、何度も塗るワックスから様々なコーティングと時代は進化しているのだ。
シリコン樹脂やガラスだと、薬剤にも強いので、子どもがマジックやクレヨンで床にいたずらがきをしても、除光液やベンジンで拭き取ることも可能なんだ!
防汚特性と言って汚れがこびりつきにくい特性もあるので、お掃除も楽々。
こうなると、つるつるの床はどんなコーティングになっているのか知りたくなるよね。

2012/07/21

きのこの名は?

スーパーで安売りをしていたので、白いブナシメジのブナピーを買ったのだ。
なんだかとっても人工的だよね。
しゃきしゃきしているし、味もいいんだけど、やっぱり白いといかにも人工栽培っぽいからちょっと人気ないのかな、と思ったり。
真っ白だから料理の彩りに使ったりするにはよいし、それなりに評判がよいから商品として売られているんだけど。
同じ値段なら普通の茶色いブナシメジを買ってしまうのだ(笑)

このブナピーは紫外線による品種改良をしたブナシメジで、「♪きのこのこのこげんきのこ」でおなじみのホクトの商品。
品種の登録名は「ホクト白1号菌」というらしいよ。
発売日が7月10日だったので、同日を「ブナピーの日」に設定しているんだとか。
一般的(?))には「納豆の日」だよね(笑)

ボクが子どものころは、ブナシメジという名称は一般的ではなくて、普通に「シメジ」だとか「ホンシメジ」という名前で売られていたのだ。
でも、「香りマツタケ、味シメジ」の天然のシメジは非常に貴重なきのこで、そうそう流通に乗るものではなかったんだ。
というのも、ホンシメジは外生菌生菌という種類のきのこで、植物の根の細胞の間に菌糸を伸ばし、植物と共生しているきのこなので、人工栽培が難しかったんだよね。
土中からリン酸や窒素などを吸い上げてある代わりに植物から光合成でできた炭化水素をもらって成長するのだ。
むかしから味がいいと言われるだけあって、グアニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などのうまみ成分に富んでいるんだって。
今では技術が向上したので、菌床栽培もできるようになっているのだ。
ときどきスーパーで見かける「ホンシメジ」はこの人工栽培のホンシメジで、むかしみたいにブナシメジではないのだ。
ただし、やっぱり人工栽培だと天然物とは違うみたい・・・。

で、ホンシメジは人工栽培できないので、似たような食感、味を持っている、人工栽培できるきのことして普及したのがブナシメジ。
こっちはもともと木材腐朽菌で、倒木や切り株に生えるきのこなので、シイタケと同じようにわりと簡単に原木栽培できたのだ。
今は菌床栽培が多いみたいだけどね。
20世紀までは「ホンシメジ」の名称で売られていたんだけど、もともと違う種類のきのこでまぎらわしい、ということで、21世紀からは「ブナシメジ」として売られるようになったのだ。
今では「ブナシメジ」の名前もかなり一般化したよね。
ブナシメジにも天然ものはもちろんあって、写真で見る限り、スーパーで並んでいるものとが違うよ。
カサが大きく広がっているのだ!

ブナシメジとは別にスーパーで見かけることがあるのはハタケシメジ。
畑地などでも生えているのでこの名前があるみたい。
形状や食味はホンシメジにかなり似ていて、そもそも系統上はブナシメジよりホンシメジに近縁なのだ。
ホンシメジ・ハタケシメジがシメジ科シメジ属なのに対して、ブナシメジはシメジ科シロタモギタケ属だよ。
ホンシメジに近くても、菌生菌ではなく、腐生菌なので、落ち葉や埋もれ木に生えるのだ。
それで畑地や路傍なんかにもあるわけ。
堆肥による菌床栽培が可能なので、人工栽培されたものが流通しているのだ。
ブナシメジと比べると子実体(いわゆる「きのこ」の部分)が大きいんだよね。

これらシメジ類とはまったく関係ないのに、かつてはヒラタケ(ヒラタケ科ヒラタケ属)も「シメジ」として栽培品が流通していたことがあるんだって。
味にも香りにもくせがなく、どんな料理にも合うので人気だったのだ。
「信州シメジ」などの名前で今もあるらしいけど、ブナシメジの人気が高まっているのでほぼ見かけないね。
そう言えば、子どものころによく食べたカサの部分が黒いシメジはこれだったんだ!
きのこの種類的にはむしろエリンギなんかが近縁みたいだよ。
ヒラタケなんかはそれこそむかしから食べられていたんだから、わざわざシメジの名称を使わなくてもよかったような気もするんだけど。

というわけで、以外と商品としてのシメジの世界は奥が深いのだ。
ぷりっとしたくせのないきのこ、ということでは共通なんだけどね。
食べちゃえば同じ、ではなくて、ちょっと気にしてみるとおもしろいのだ♪

2012/07/14

つぶさずにすぱっと解決

朝ごはん用のパンを切っていたら、パン切り包丁で指を切ってしまったのだ(ToT)
意外にぐっさりやっていて、しばらく血も止まらなかったからびっくりしたよ!
それにしても、よく切れるものだねぇ。
パンみたいにやわらかいものを切るから、そんなに切れ味はよくないんだろうと勝手に想像して油断していたのかも・・・。

このパン切り包丁。
独特の形状なのだ。
主な特徴は、刃が波形であることと、片刃であること。
これによりパンやスポンジのような空隙があってやわららかいものをつぶさずに切ることができるのだ。
普通の包丁で切ろうとするとどうしてもつぶれてしまうよね。
どんなに切れ味がよくてもダメなのだ(>o<)
いったん冷凍させたりすればなんとかなるけど。

秘密その1は波形刃。
刃がぎざぎざの波形になることで、刀身あたりの刃の長さが長くなるのだ。
なんでそんなことをするかというと、刃にかかる力を分散するため。
刃が長ければ、それだけ切ろうとかけた力が分散されることになるので、やわららかいパンでもつぶれにくいというわけ。
切られる方から見ると、力がかかっていないように見えても切られているわけ。
このせいでボクも指をやられたような気がするんだよねorz
指に刃が当たってるな、くらいでもずばっときれてしまうのだ!

秘密その2は片刃の刃。
よく日本刀は片刃、西洋の剣は両刃、とかいうけど、ここで言う「片刃」・「両刃」とは意味が違うよ。
こっちの「片刃」というのは刀身の片側だけに刃がついているという意味で、両刃は逆に刀身の両側が刃になっているという意味。
あまり意識していないとわからなくなっちゃうので紛らわしいんだよね(>_<)

パン切り包丁の「片刃」というのは刃の作り方。
刀身を片側のみからといで片側だけに刃ができるのが片刃。
この場合、刃の裏面は平面で、表面は斜めになっていて、断面は「∠」の形なのだ。
逆に、刀身を両側からといで中心線に沿って刃をつけるのが両刃。
刃の断面は両面から斜めに削られているので「<」の形だよ。
出刃包丁や刺身包丁などの和包丁では片刃が多くて、鉈や文化包丁、ペティナイフのような牛刀や洋包丁なんかは両刃だよ。

刃のつけ方が違うと切れ方も違ってきて、両刃の場合は対象物を押し開きながら切るので、まさに「切断する」とか「切り裂く」というイメージ。
斧や鉈のように「たたき切る」ということなんだよね。
硬いものを切るのには向いているけど、切り口はちょっとつぶれてしまうのが難点。
ただし、誰でも使いやすく、とりあえず力を入れれば切れるのだ。

一方、片刃は滑らせながら対象物を片側にだけ押しながら(=ずらしながら)切るので、「削ぐ」、「削ぎきる」というイメージ。
カンナが木材の表面を削る、彫刻刀で板を削る、というのと同じなのだ。
薄くきれいに切ることが得意で、だからこそ獣肉よりやわらかい魚を切ることが多い和包丁は片刃が多いのだ。
パンもやわらかいので片刃がよくて、同じくハムやチーズも片刃の方がきれいに切れるのだ。
ひげを剃るカミソリなんかも肌の表面の毛を突起物を削るように切るので片刃だよね。
そぎ切りにするので断面はなめらかで、うまくやればつぶれることもないよ。
まさにパンを切るのと一緒だね。

ただし、この片刃は使うのにある程度の熟練が必要で、滑らせながら切らなくちゃいけないし(日本ではよく「引きながら切る」と言うよね。)、刃のついている側の差で、右利き用・左利き用の別があるよ。
さらに、あんまりぎこぎことのこぎりのように往復させると断面がずたずたになるので、さっと退いたら切れてる、というのが理想的なのだ。
それと、どうしても刃のつけ方の差から、片刃の方がより鋭利になるので、切れ味が増すのだ。
ということは、ボクみたいに指を切ったりすると大変、ということ。
カミソリの切れ味がよいのはそのためだよ。

パンを切る場合も、できれば何回も往復させるよりは、1~2回往復させるだけで切るときれいなのだ。
特にケーキのようなよりやわらかいものだと、1回ですっと切らないとクリームや上に載っているフルーツも崩れちゃうよね。
ただし、切れ味が悪くなってくるとすっときれなくなるので、何回も往復することになって、それだけパンくずも多く出るのだ。
よく切れるパン切り包丁だとあんまりパンくずが出ないんだよ(波形の刃の形状を工夫しているのもあるのだ。)。
なので、パンくずが出始めたら切れ味が落ちてきた証拠。
特殊なとぎ方が必要なので、専門の人に任せるか、新しいものを買うのがよいかもね。

こういうので一番まずいのはちょっと切れづらくなってきた包丁。
切れないなぁ、と思いつつ余計な力を入れたり、ちょっと往復運動を増やしたりするので指をけがしやすいのだ。
でも、まったく切れないわけではないから傷はできてしまって、かつ、そんなに切れ味がよくないから傷口はぎざぎざでなかなか傷がくっつかないで血が出るのだ・・・。
ボクはそのパターンにはまったのかなぁ?
まだほとんどパンくずは出ないから、単に切り方がまずかっただけ、と思うんだけど。

2012/07/07

茶をしばけ!

年齢を重ねてくると気になるのが脂肪。
そもそもあまりに脂っこいものは受け付けなくなっては来るけど、やっぱり脂ものはおいしいよね(笑)
揚げ物なんかは無性に食べたくなるときがあるのだ。
でも、若いときならいざ知らず、代謝も下がってくるから、食べた分だけ脂肪を蓄積してしまうのだ・・・orz
で、最近では、脂肪の吸収を抑えるとか、脂肪の燃焼を高めるとかの効果があると言われる特定保健用食品が注目されているよね。
ボクも、有効性には多少の疑問を持ちつつも、自分へのいいわけ程度に摂取しているのだ。

代表的なのは黒烏龍茶。
これは脂肪の吸収を抑制すると言われているよね。
その有効成分と考えられているのはウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)と呼ばれる成分。
メカニズムとして想定されているのは、このOTPPが脂肪を分解するリパーゼという酵素を阻害することで吸収しづらくする、というものだよ。

脂肪は通常トリアシルグリセロールの形で、グリセリンの3つのアルコール性水酸基(-OH)に3つの脂肪酸がくっついている物質なのだ。
リパーゼは、このグリセリンと脂肪酸の間のエステル結合を切り離す作用を持っているんだよ。
実際には、3つとも切り離されるわけではなくて、グリセリンに1つだけ脂肪酸が結合したモノグリセリドと2つの脂肪酸に分解されるんだ。
これが界面活性作用(=油脂を分離させず、水中に細かく分散させる作用)を持つ胆汁酸がにより乳化され(まさにマヨネーズのような状態)、小腸の表面から細胞内に取り込まれるのだ。
乳化されたミセルの状態(中心に脂溶性・疎水性の脂肪酸とモノグリセリドがあって、そのまわりを界面活性剤の胆汁酸が囲んでいる状態)だと、細胞膜(リン脂質二重膜)を通過して細胞内に入り込めるのだ(脂肪のままだと水中で分離しているので、うまく吸収できないよ!)。
で、細胞内で再びモノグリセリドと2つの脂肪酸が結合して脂肪(トリグリセリド)の状態になって血中に取り込まれるのだ。

胆汁酸は、大きな脂肪のかたまりをほぐして小さくしてリパーゼが分解しやすくするとともに、分解した後のモノグリセリドと脂肪酸を小腸の上皮細胞に吸収させるのに役立っているんだけど、OTPPは、脂肪をからめとって、大きなかたまりにしてしまう作用があるのだ。
すると、リパーゼがうまく反応できないので脂肪は分解されないまま排出されることになるんだ。
これで脂肪の吸収が抑制されるわけ。
ちなみに、あまりに多くの脂を食べると下痢することがあるけど、それはリパーゼの分解が追いつかずに脂肪排出されるため。
OTPPはそんな状況を擬似的に作っているんだけど、そのため、場合によってはちょっとおなかがゆるくなる可能性があるよ!

ちなみに、脂っこいモノを食べた後に烏龍茶を飲むと口の中がすっきりするけど、これは口の中の脂肪を大きなかたまりにしてしまって洗い流してくれるからだよ。
中国でフィンガーボウルの中に烏龍茶を入れることがあるのも同じなのだ。
かたまりが大きい方が落としやすいんだよね。
油べっとりの皿洗いに烏龍茶を使うときれいに落ちたりするのかな?
とは言え、唾液中にもリパーゼが含まれるので、時間が経てば口の中の脂肪は適宜分解・吸収されていくので、いつまでも油まみれなわけじゃないけど。

もうひとつメジャーなのは茶カテキン。
こっちは脂肪の代謝を活性化する、と言われているのだ。
さっきのOTPPとは違ってなぜ脂肪代謝が上がるのか、メカニズムはよくわかっていないんだって(>o<)
ただし、カテキンと胆汁酸にの立体構造の違い(カテキンは芳香環なので平面的だけど、胆汁酸は環状飽和脂肪酸なので立体的にうねっている。)がヒントになるんじゃないのかなぁ、とは個人的に思うのだ。
似たような構造の部分があるけど全体として構造が違うことで、酵素を阻害・活性化したりするのはよくあることだからね。
よくわからないながら、脂肪分解酵素を活性化させるとか、胆汁酸の排出を促進するとかいくつか仮説はあるようなのだ。

カテキンというと緑茶が思い浮かぶけど、もちろん烏龍茶にも含まれているのだ。
なので、烏龍茶の場合は、OTPPで吸収を抑えるとともに、カテキンで脂肪の燃焼も活性化することになるよ。
これはすごい!
だったら烏龍茶だけ飲み続ければいいじゃない?、ってことだけど、烏龍茶はカフェインも含んでいるから、飲み過ぎるのもあんまりよくないんだよね。
それに、確かに作用は認められるけど、それがどれくらいインパクトがあるのか、というのも問題なのだ。
多少吸収を抑えたり、燃焼を上げたりしても、実際にはあまり意味がない可能性もあるんだよね・・・。
そういう意味では、気休め程度のものと思って飲むことも大事だよ。
これがあるからいくらでも脂肪を摂っても大丈夫ということではないので、過信は禁物!

2012/06/30

Every child has a beautiful name!

歌手活動を休止中の宇多田ヒカルさんがツイッターで、「最近日本では風変わりな名前の子供が多いらしいけど、絶対読めない名前とか、日本語っぽくない名前とか、ちょっとかわいそうだなと思う。親御さんたちは愛情をもって名付けたんだろうけど…(原文ママ)」とつぶやいたことが話題になっているのだ。
最近は子どもたちに「変わった」名前をつけることが注目されていて、俗に「キラキラネーム」と呼ばれたりするんだよね。
これは文字どおりキラキラ輝いているというより、皮肉を込めた言い方だけど・・・。
もともとは、2ちゃんねるでよく使われる「DQN」な親が子どもに変わった名前をつけるので、「DQNネーム」と呼ばれていたよ。
ただ、どうしても「DQN」というスラングには蔑称的なニュアンスがあるから、キラキラネームの方をよく見かけるようになったよね。

思い出してみれば、かつては自分の子どもに「悪魔」という名前をつけようとしたところ、市役所に不受理にされるという事件があったのだ。
手続的には明らかな瑕疵はなかったんだけど、市役所が法務省民事局に照会した結果、「子供の福祉を害する可能性がある」として、親権の濫用を理由に不受理にしたものだよ。
このころは、自分の子どもにそんな名前をつけるなんて!、と眉をひそめる人も多かったけど・・・。
今ではかなり予想の斜め上を行く名前もあるようなのだ。

2ちゃんねるで有名なのは「ぽっどる」だけど、これはネタかもしれないよね。
でも、「ゆとり」くんや「ぷもり」ちゃんは実際に存在していて、テレビのニュースや新聞の投書欄に登場しているのだ。
「光宙(ぴかちゅう)」とか「大熊猫(ぱんだ)」、「今鹿(なうしか)」などなどの名前も本当に存在しているそうだよ。
子どもがどう思うかは別の問題としても、まわりの大人、例えば学校の先生は苦労するだろうね(>o<)
思い切って大喜利的に読もうとすればなんとかなるのかもだけど(笑)

で、命名のルールなんだけど、これは戸籍法と戸籍法施行規則(法務省令)に依っているのだ。
戸籍法では、

第五十条 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
2 常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。


と定めていて、ここでいう「常用平易な文字の範囲」というのは、戸籍法施行規則で、

第六十条 戸籍法第五十条第二項 の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。
 一 常用漢字表(平成二十二年内閣告示第二号)に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。)
 二 別表第二に掲げる漢字
 三 片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)


となっているのだ。
この省令の第2号で言う「別表第二に掲げる漢字」というのがいわゆる人名漢字表なのだ。

気をつけたいのは、戸籍法の体系では、命名するときに使用する文字のルールは定められているものの、読み方については言及がないこと。
だから、どんな当て字をしてもいいし、まったく関係ない読みをつけてもよいのだ!
極論で言えば、「太郎」と書いて「とむ」と読ませてもよいわけ。
ま、そういう名前の付け方をされると将来苦労するかもしれないけど・・・。
ただし、名字の世界で言えば難読の姓はいくらでもあって、「四月一日(わたぬき)」、「小鳥遊(たかなし)」、「目(さっか)」、「一(にのまえ)」などあるから、読み方に制限をつけるのは日本の伝統・文化に反することだったのかも、とちょっと思うのだ。

そして、よく命名で問題になる、「公序良俗に反する名前」、「子どもの福祉を害する可能性」などなどの「不受理」の理由は戸籍法の体系ではなく、むしろ一般法規から来るもので、出生届を出すときの手続上の問題ではないのだ。
なので、アルファベットや数字を使っている、常用漢字表・人名漢字表外の漢字を使っているなどの明確なルール違反がなければ、受付はしなくちゃいけないんだ。
さらに、不受理にすると、場合によっては裁判所に不服申立てをされてしまうよorz
「悪魔」ちゃん騒動のときはまさにそうだったのだ。

名前は一生のつきあいだから慎重につけないと、ということなんだけど、あまりにも社会生活を営む上で傷害となるような場合には改名することもできるのだ。
戸籍法では、

第百七条の二 正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

とあって、家庭裁判所の許可を得れば改名はできるんだ。
15歳以上であれば本人が、15歳未満であれば法定代理人が家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所の裁判官が「正当な理由」と認めれば改名ができるわけ。
実際に認められるのは、営業の理由による襲名又は代々の当主名への襲名を行う場合、神官・僧侶になる場合又は還俗する場合、難解・難読な名前又は珍奇な名前を変更する場合、親戚や近隣者に同姓同名の者がいて紛らわしい場合、帰化した際に日本風の名前に改める場合、本人の外見と名前の性別が食い違って不便な場合(むかしは異性と紛らわしい場合だけだったけど、性同一性症候群が認められてからは、性別の変更による改名も認められるようになったよ。)、永年使用した通称を本名にする場合、出生届を提出した時の誤りを正す場合などだよ。
ただし、裁判所としては、都合が悪くなったからといってすぐに改名すればいい、という風潮に釘を刺す意味で「親権者がほしいままに個人的な好みを入れて恣意的に命名するのは不当で、子供が成長して誇りに思える名前をつけるべき」との見解を示しているのだ。
まさに今問題になっているキラキラネームをどう考えるかだね。

とは言え、変わった名前をつけるというのは今に始まったことではないみたい。
江戸時代の国学者・本居宣長さんも弟子の中に名前の読みが難解な者がいる、と嘆いているし、作家の森鴎外さん(本名は森林太郎)は国際的に通じるようにと、子供にそれぞれ於菟(おと、Otto)、茉莉(まり、Marie)、杏奴(あんぬ、Anne)、不律(ふりつ、Fritz)、類(るい、Louis)など外国人風の名前を付けたりしているし。
それこそ、今は一般的になっている(?)「翔」とか「彩」みたいな名前はむかしは少し違和感があったわけだよね。
むしろ、現代では「太郎」・「次郎」や「花子」・「菊子」みたいな名前の方がマイナーで、逆に目立つようになっているのだ。
そういうことを考えれば「流行」ということなのかもしれないけど、明らかに読めない名前、別の意味を持つ言葉の読みを変えた名前などなどは将来困るだろうから、よくよく考えた方がよいだろうね。

2012/06/23

トンボのメガネは・・・青色遮断!

最近テレビのCMで気になっているのはパソコン用メガネ。
度なしのメガネで、パソコンからの「有害」な光を遮断し、目を守るというのだ。
確かに、長時間パソコンの画面を見ていると目が痛くなるけど、それって単にパソコンの画面が明滅しているかrだと思っていたんだよね。
でも、どうやらそうではないらしいのだ・・・。

今回のパソコン用メガネの特徴は、可視光のうちエネルギーが高い青い光をカットすること。
「ブルーライト」と呼んでいるけど、もともとはそのまま「高エネルギー可視光線」として扱われているもののようなのだ。
波長で言うと380~530nmくらいで、紫~青くらいの色の光。
この青い光は「加齢黄斑変性」の原因の一つと考えられているのだ。
これは加齢によって網膜の黄斑部が変性して視力が低下し、場合によっては失明に至のなのだ。
この黄斑部は、網膜の中でも特に□という感覚にとって重要な部分で、黄斑部の中心にある中心窩(ちゅうしんか)のまわりには明るいところで色の識別をする錐体細胞がたくさんあって、そのまわりには暗いところで白黒で明暗を判別する桿体細胞がたくさんあるのだ。
どちらの細胞も網膜に広く分布しているんだけど、特に黄斑部に多いので、ここがダメになると視力に大きく影響が出るようなのだ。

症例的には、黄斑部にダメージが蓄積され、眼底部に新生血管を生じたりするのだ。
血管ができてしまうとそれに遮られて光受容ができなくなるので、視力が低下してしまうんだよね。
そのため、治療としては、血管新生を抑える薬を使ったり、できてしまった血管をレーザー光で焼き切ったり、外科的手術で取り除いたりするみたい。
いずれにしても、なんか痛そう(ToT)
ちなみに、血管ができるわけでもなく、単に黄斑部の萎縮などが起こる症例では、有効な治療法がないのでサプリメントの投与くらいしかやることがないんだとか・・・。

まだ原因が明確にわかっているわけではないんだけど、ここに青い光が影響してそうだ、と言われているのだ。
視細胞は光を感知するとき、光受容体の視物質の化学物質の変化で認識しているのだ。
ロドプシンとか有名だよね。
で、一回光が当たると視物質が変化して、それが電気信号に変換されて脳に送られるわけだけど、そのままだと二度と光が感知できなくなってしまうので、再び光が感知器で切るように視物質が回復する代謝経路があるのだ。
視物質が元の状態にもどるまでの時間は一時的に光が感知できないラグは生じてしまうけど。
ちなみに、強い光を見てしばらく視覚がダメになる(いわゆる「目くらまし」)のはこのためだよ。
通常は全部の視細胞が反応するわけでないので残っているものが対応するわけだけど、強い光でほとんどの視細胞が反応してしまうと、もう反応できる細胞がないために一時的に視覚が使い物にならなくなるのだ。

で、この視細胞は基本的には可視光に反応するわけだけど、波長が短くエネルギーの強い、青い光は網膜にも届きやいことが知られているんだ。
すると、この視物質が元にもどるまでのラグの間にさらに光が来て、別の反応を起こして悪さをすることがあるのだ。
そのときに活性酸素なんかが出てくると黄斑部の変性につながってしまうわけ・・・。
青い可視光は太陽光にも含まれているので常に見ているんだけど、パソコンが特に問題視されるのにはそれなりの理由もあるようなのだ。

現在のパソコンのバックライトは多くの場合LEDを使っているんだよね。
人間の視覚では、光の三原色の組み合わせで色の違いを理解しているので、それを逆に応用して、LEDでフルカラーにするには三色のLED発光素子を使っているのだ。
全部の光を混ぜると白色光になるわけだけど、LEDの場合、青色発光が強いみたいなんだよね。
しかも、その波長が網膜に傷害を与えやすいと考えられている波長とほぼ一致するのだとか!
なので、ここ最近パソコンの光から目を守れ、という感じになってきているようだよ。
目の酷使というだけでなく、物理的・エネルギー的・生理学的な原因があるかもしれないのだ。

こうなってくるともう気をつけたくなるよね。
ちょっと危機感を持つのだ。
市場に出ているパソコン用メガネは、一義的には悪い作用を及ぼすかもしれない青い光の透過度を下がることで目を守るんだけど、そのままでは色のバランスが悪くなるので、他の領域の光の透過度も変えることで全体的に見やすくしているんだって。
まずは青い光を遮るフィルターとかをつけるのでもよいけど、画面を見やすくするための工夫でそういうところも大事みたい。

実際どこまでどう影響があるのかよくわからないけど、それこそ仕事をしている間中パソコンとずっとにらめっこしている、という状況は最近になって生じたことだから、リスクは未知数だよね。
10年後、20年後に加齢黄斑変性が増えているかもしれないし、意外に変わらないかもしれないし・・・。
むずかしいところだけど、そういうリスクがあるということは認識しておいて、多少気を遣った方がよいのかもね。
とりあえず、パソコン画面からはできるだけ顔を話すことにしようっと。

2012/06/16

Hey Say Junk!

ボクは普段から割と食べるものには気を遣っているんだよね。
カロリーを抑えたり、野菜が多めのものを選んだり。
でも、どうしても時々ジャンクな食べ物が恋しくなるのだ(笑)
悪そうな油を使った揚げ物とか、脂ぎとぎとのラーメンとかね。

これらはいわゆる「ジャンクフード」。
ジャンクフードには明確な定義はないんだけど、一般論として言えば、熱量(カロリー)は高いが、ビタミンやミネラル、食物繊維などがあまり含まれない食品のことを指すみたい。
その場しのぎのエネルギーは補えるけど、体を維持するのに必要な栄養はそれだけではまかなえない、ということなのだ!
燃料はあるけどエンジンオイルはない、みたいなものかな?
低価格なものが多いけど、「安くておなかはふくれるけど、栄養素としては乏しい」というイメージがつきまとうね・・・。

代表的なものと言えば、ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、ラーメン、スナック菓子などなど。
日本でもあまり子どもには食べさせたくない、と思われているものが多いよね。
でも、子どもは逆に好きだったりするから困るのだ(笑)
でも、ディズニーなんかは子どもの成長に悪影響を与えるとしてジャンクフードの広告規制をしたりもしているんだよ。
米国の場合、州によってはハッピーセットが禁止なのだ。
おもちゃで子どもを釣ってジャンクフードに触れさせることになるからね。
なので、米国のマクドナルドには、サラダやカット果物、脂肪を抑えたサンドウィッチ(マクドナルドで言うサンドウィッチはいわゆる「ハンバーガー」)、無糖・無脂肪ヨーグルトなんかがメニューにあるのだ。
でもでも、米国のサブウェイはなぜかサンドウィッチとスナック菓子のセットを売っていたりするけどね(>o<)

油脂とか砂糖って人間にとってはおいしく感じる要素で、くせになってどんどんほしくなるのも確かなのだ。
ボクが時々どうしても食べたくなるっていうのも本能的なものなのかも。
特に、黄色人種(モンゴロイド)は脂肪をためやすいので、ジャンクフードばかり食べているとすぐ肥満体型にorz
たいていの場合塩分も多いので、血圧まで上がってしまうのだ!
そんな食生活じゃ体がおかしくなるよね。

でも、貧困だと、どうしてもこれに近い食生活になるのも確か。
米国のジャンクフードを見ていると、やっぱり黒人系の人が好むものが多いのも事実なんだよね。
なにしろ、肉体労働でたくさんエネルギーを消費するけど、所得は高くないのでとりあえずカロリーの高いものを、となると必然的にジャンクフードを食べることになってしまうよね。
フライドチキンやハンバーガーなんてまさにそう。

日本でも、江戸の庶民はおかずなんてそんなに食べられないので、少しの漬け物や納豆・豆腐のような豆の加工品、少量の魚くらいしかなかったんだ。
それでお米をたくさん食べていたんだけど、白飯ばかりを食べるので栄養失調になるのだ。
江戸でビタミンB不足から来る「脚気」が蔓延したのもそれが原因。
一方、農村部ではあまりお米を食べることはできず、食べても玄米。
多くは粟や稗、稷、麦などの雑穀と多くの野菜を使った雑炊なのだ。
なので、栄養面でははるかに都市部より優れていたわけ。
脂肪過多による生活習慣病病とは無縁だったかもね・・・。
(江戸時代は保存性の関係でしょうゆや味噌の塩分が濃かったので、循環器系の病気は多かったかもしれないのだ。)

とは言え、これは食べちゃいけない、というほどのものでもなくて、ようは「節度を持って」というだけなんだよね。
あんまり気にしすぎるとストレスになってしまってかえってよろしくないし。
でも、米国なんかは気にしすぎているので、成分無調整の生乳もジャンク扱いする場合もあるよ。
米国のスーパーに行けばわかるけど、基本はスキムミルク(無脂肪乳)か低脂肪乳しか売っていないのだ!
全乳(ホールミルク)なんてよほど探さないと手に入らないよ。
そのくせピザを1枚まるまる食べたり、砂糖より甘いデザートにたっぷりの生クリーム・チョコレートソースをかけたりするんだから不思議だよね。

ルーマニアには「ジャンクフード税」、デンマークには「脂肪税」、ハンガリーには「ポテトチップス税」なんて感じで欧州ではジャンクフードに課税をしてあまり食べさせないようにする動きもあるくらいなのだ。
それくらい肥満とそれに起因する健康障害、ひいては医療費負担が問題になっているんだよね。
で、ジャンクフードの本場たる米国でもかなり気にする人は木にするんだけど、「わかっちゃいるけどやめられない」というのがこの世界なので(?)、通称「チーズバーガー法」とも呼ばれる食品消費個人責任法という法律がていしゅつされたこともあったのだ。
これは、ジャンクフードを食べ過ぎて肥満になったと言って食品産業を訴えられないようにした法律案だよ。
肥満が大きな問題になっていたため、下院は通過したけど上院で否決されて法律には至っていないけど、好きで食べていたくせに太ったからと医ってファストフード店が訴えられたんじゃたまったもんじゃないよね・・・。

というわけで、やっぱり最後は「自制」あるのみ。
適度に息を抜きつつ、でも、食べ過ぎないようにして、「たしなむ」程度で楽しめばよいのだ♪
禁欲期間を経た後のぎとぎと脂は格別かもよ?