2008/12/07

かたや高級食材、かたや居酒屋のおつまみ

エプソン品川アクアスタジアムに行ってきたんだけど、そこには「ノコギリエイ」という魚がいたのだ。
エイなんだけど扁平じゃなくて、むしろサメのような形なので一瞬「ノコギリザメ」かと思うんだけど、エラ穴と呼ばれる、軟骨魚類独特のスリットが体の下面についているのでエイなんだって。
たしかにノコギリザメはそれが体の側面についているのだ。
で、気になったのがエイトサメの違い。
そこでちょっと調べてみたのだ。

軟骨魚類には3種類いて、大きく分けてサメ、エイ、ギンザメに別れるのだ。
先に触れたように、サメは体の側面にエラ穴があり、エイは下側にあるのだ。
ギンザメはわりと深い海底にいる魚で、原始的なものと言われているんだ。
サメとエイではエラ穴が5対なんだけど、ギンザメは1対しかないんだそうだよ。
で、これら軟骨魚類の大きな特徴は、名前のとおり、体の骨全部が軟骨でできていること!
サメはよく牙しか後に残らないと言うけど、これは前身の骨がタンパク質からできている軟骨なので、分解されてしまうからなのだ。

もうひとつの特徴は死後のアンモニア臭。
このせいであまり食用にならないんだけど、これは浸透圧の調節のために体の中に尿素をためていて、それが死後にアンモニアとなって出てくるからなんだ。
ちょっと時間がたつととたんにくついにおいがするんだよね。
でも、東アジアでは食用になっていて、日本ではサメはかまぼこの具に使うし、エイは煮こごりなんかにするよね。

で、もっと大事な利用方法がフカヒレとエイヒレ。
フカヒレは名前のとおりサメのヒレだけど、そのままヒレをとっただけではアンモニア臭がするので、それをゆでて皮を取り除き、さらに油脂分も落としてヒレの形を支えるフレームワークになっている軟骨部分だけを取り出して天日干しにしたものなんだ。
作るのに手間がかかるので高級食材になるというわけ。
これは干しナマコなんかと同じ理屈だね。
ヒレの形のまま干せると高級なんだけど、ちょっとでも形が崩れるとほぐされるんだよね。
ありとフカヒレスープがリーズナブルな値段であるのはこのためで、さすがに姿煮になるとまんまの形のヒレが必要なので高級になるのだ。

一方、エイヒレの場合は、体の側面のヒレ(ヒラメで言うところのエンガワに当たる部分)を切り取って干物にしたもの。
最初アンモニア臭が出てくるけど、かまわず干し続けるみたいだよ。
これがこりこりした食感で人気があるんだけど、これってフカヒレとまったく違うよね。
で、何が違うかというと、作り方もさることながら、もともとのヒレの機能が違うのだ。

エイヒレの場合は泳ぐためによく動かす部分で、骨のように縦に細い軟骨が入っていて、それを軸にしてひらひらと動かすんだよね。
これがカリカリの食感の原因。
一方、フカヒレの場合はあくまでも形状を支えるための軟骨組織で骨の代わりになるようなものでないので、むしろぷるんぷるんとした食感のやわらかいものとなるのだ。
エイヒレの場合も、骨のように固い軟骨のまわりにそういう軟骨組織もあるんだけど、それだけ取り出すのは困難なのだ。
うまく取り出すことができたらほぐしたフカヒレと似たような感じになるかもしれないけどね。

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