2009/01/14

胸に付けているマークは・・・

今年は世界天文年で、星空を見上げよう、なんて動きがあるんだよね。
そんな中で、お正月早々の御イベントだったのが四分儀座流星群。
これは流星群の中でも特に1時間当たりの流星数の多い三大流星群のひとつで、夏にはペルセウス座流星群、年末には双子座流星群があるのだ。
このほか、水瓶座の流星群や獅子座流星群も有名だよね。流星はけっこう明るいものもあって、都会でも十分に見えるのが魅力のひとつ。
というわけで、今年は流星を見るぞぉ、という意気込みも含めて、流星についてちょっと調べてみたのだ。

流星、流れ星は、地球のまわりにある数cmの小天体や数mmのチリが地球の重力に引っ張られて落ちてくるときに光るものなのだ。
特に明るいものは火球なんて呼ばれることもあって、一般的には宇宙から落ちてきたものが「燃え」ながら発光していると思われているけど、実は違うんだって。
流星の発光はプラズマ発光で、酸化しながら発光する「燃焼」ではないのだ。
だいたい100~150kmくらい上空から落ち始めると発光をはじめるそうだけど、これはこのあたりから大気があって、その摩擦で温められ、小天体やチリがプラズマ状態になって中でプラズマ放電が発生して光るようになるそうなのだ。
プラズマ状態では、内部で分子が電離して、それが自由に動き回れる状態になるんだそうだけど、正と負に分かれた荷電粒子間で放電が起こって光る現象で、蛍光灯の中の水銀や希ガスを使ったガス放電電灯なんかと同じ原理。
オーロラも地球上空にある荷電粒子が地球の地磁気に引っ張られて極域に落下してくる間にプラズマ放電するものなのだ。

落下してきた流星はたいてい50~70kmまでには気化して消滅するんだけど、たまに地上まで落下してくるのがあって、それは隕石となるのだ。
でも、隕石のすべてが流星の「燃え残り」というわけではなくて、たまたま軌道が重なって衝突するようなものもあるみたい。
これは複雑なのだ・・・(>_<)
流星の「素」は宇宙空間にある流星物質と呼ばれるもので、その多くは彗星が通っていった後に残していった小さな岩石や氷、チリなんだとか。
たまに人工衛星の破片やロケットの破片などの人工物が地上に落ちてくることがあるけど、これも流星のように観測されるのだ。
この前、米空軍が制御不能になった人工衛星を弾道ミサイルで撃ち落としたときも、その破片は流星のように見えたそうだよ(昼間だからわかりづらかっただろうけど。)。

彗星が通った後、宇宙空間のある場所にそういう「素」が残されるんだけど、それと地球の公転軌道が重なると、その流星物質のある場所に地球が来たとき、多くの流星が観測されるのだ。
これが流星群で、○○座流星群というのは、○○座のある方向から流星が流れ出すということで、その流れ出す点を放射点と言うんだよ。
ちなみに、四分儀座の場合は、すでに星座自体は廃止されてしまっているんだけど、流星群の名前としてだけ残っているのだ。
このほか、突発的にぽつぽつ落ちてくる流星もあるわけ。 これが願い事を3回唱えるとかなう、と言われるいわゆる流れ星なのだ。この場合はたまたま地球に近づいてきた小天体やチリみたい。

流星群は放射点から流れ出すんだけど、そこからさまざまな方向に流れ出すので、必ずしも放射点の方を見ていなくてはいけない、ということではないらしいのだ。
さすがに放射点がある程度の高度になっていないと観測はきびしいけど、放射点をじっと見ているよりは、どの方向でもよいから、幅広く夜空全体を見渡すようにした方が観測できるそうだよ。
通常は1秒くらいしか流れないけど、けっこう明るいから、目の前をさっと通るものが観測できるのだ。
流星群の場合、多いときには1時間に10個以上流れるというから、どの方向を見ていても10分くらい見上げていると見られるはずだよ。

流星というと、最近では願い事がかなうとかポジティブなイメージがあるけど、むかしはそうでもなかったんだよね。
三国志の世界では誰かが死ぬ予兆として扱われていて、蜀の軍師の諸葛亮孔明さんも流れ星を見て自分の死期を悟ったといわれているのだ。
ま、三国志演義に書かれている話だから本当かどうかは怪しいけど(笑)、そういう考え方はあったということだよね。
古代中国では流れ星は彗星とともに「天狗」と呼ばれていて、これが日本に伝わって「アマツキツネ」と訓が与えられたのだ。
名前からしてもあまり歓迎されているようなものでもなかったんだけど、時代が下ると「天狗」は今でいう鼻が高くて顔が赤いあの天狗になるわけ。
空を飛行する怪しいもの、というイメージが重なったのかな?今ではこうやって科学的にもわかってきたからこういうネガティブなイメージは払拭できたよね。
でも、やっぱり信じたい気持ちがあるから、願い事が叶う、というよい方面はまだまだ生きているけど(笑)
彗星も「ほうき星」として悪いことが起きる予兆と考えられていたけど、これって、夜空に輝く星が不意に落ちてしまう、というように見えたから、星が終わるというようなイメージで悪いイメージになったんだろうね。

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