2009/01/25

棒につけた餅ではないんだよ

昨日、お取り寄せグルメできりたんぽ鍋をいただいたのだ。
これが予想以上においしくてびっくり!
特にきりたんぽがその辺で売っているものと違って、ほどよいもちもち感、ほどよいほぐれ具合でおいしかったんだよね。
さすが本場の味!
というわけで、今回は、感動したきりたんぽについて調べてみたのだ。

きりたんぽは言わずとしれた秋田名物。
比内地鶏(本当は比内鶏を使うのが本式だったんだけど、数が少なくなりすぎて天然記念物になってしまったので代わりに地鶏とかけ合わせて比内地鶏を使うようになったのだ。)やせり、ささがきゴボウと一緒にしょうゆベースのスープで煮るきりたんぽ鍋が有名だよね。
でも、鍋以外でも、焼いて食べることもあるんだ。
縁日なんかではしょうゆをつけて焼いた焼きたんぽや、みそをつけて香ばしく焼いたみそたんぽも売っているよね。
あれは売っているとほしくなるんだけど、たいていぼそぼそでおいしくないんだよね・・・。

きりたんぽは「きり」+「たんぽ」で、切ってないものはあくまでも「たんぽ」なのだ。
なので、鍋に入っているのはきりたんぽでも、棒についたまま焼かれているのはただの「たんぽ」なんだよ。
この「たんぽ」は槍の先に布をつけてくるんでまいてあるやつのことで、よく時代劇で槍術のお稽古をしているシーンなんかに出てくるよね。
槍先がそのままだとけがしてしまうので、そこにカバーをつけているのだ。

きりたんぽの原材料はうるち米。
いわゆる普通に炊いて食べる方のお米で、これを「半殺し」という半分程度飯粒がつぶれている状態にしてから棒にくっつけて焼くのだ。
なので、いくら飯粒をつぶしても餅にはならないわけで、固くなっちゃうだけなんだよね。
そこで、「半殺し」で固くなりすぎない程度に粘りを出して棒に巻き付けるというわけ。
もともとは猟師(マタギ)の料理で、あまったごはんをつぶして棒につけて焼き、それを山でとってきた獲物や山菜と一緒に煮たものだそうだよ。

よく似たものにやっぱり秋田名物のだまこもちというのもあるんだけど、これは飯粒をやっぱりつぶしてお団子程度の大きさに丸めたものなのだ。
同じように鳥や野菜と一緒に鍋にして煮るんだよ。
こっちは焼いていないのでもっと汁気を摺って崩れる感じになるんだよね。
きりたんぽとはまた違って食感でおいしいのだ♪
こっtも猟師料理が発祥みたいだから、まさに「流儀」みたいな違いだよね(笑)
ま、たんぽの場合は焼いて食べるという別の食べ方もあるわけだけど。

むかしはそんなにお米は食べられるようなものじゃなくて、言わばときどきしか食べられないような贅沢品だったはずだよね。
今のように保温機能付の炊飯器もないから、食べきってしまうか、おひつに入れておいたものを蒸して炊き直したのだ。
でも、おそらく東北の冬だとそれよりはこうしてつぶして棒に巻き付けて焼いたり、団子状にした方が「もち」がよかったんだろうね。
そんなに頻繁に食べられないお米をおいしく食べるための工夫なのだ!
東北にはおもちも凍結乾燥させて独特に凍みモチの伝統もあるし、雪国ならではの食の工夫があるんだよね。
食べ物はまさにその地域の地域性が色濃く出てくるものだから、おいしいというだkでなく、こういう料理は後世にも残していきたいよね。

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