2009/07/19

皮が重要

ボクはジャムの中でもマーマレードが好きなんだよね。
ほろ苦さがあるところが好きなのだ。
色も黄色やオレンジできれいだよね。
でも、イチゴやほかの果物の場合は単にジャムと呼ばれるのに、マーマレードだけは特別にマーマレードと呼ばれるんだよね。
そこが少し気になって調べてみたよ。

辞書で見てみると、「オレンジ・夏みかんなどを用いたジャムのうち、果皮の薄片の含まれているもの。」ということで、この「オレンジ・夏みかんなど」というところと、「果皮の薄片」というのがポイントなんだ。
日本農林規格(JAS)でも、「ジャム類のうち、かんきつ類の果実を原料としたもので、かんきつ類の
果皮が認められるもの」とされているよ。
一般に見かけるのはオレンジ・マーマレードで、オレンジの果汁と果皮を砂糖で煮てとろみをつけたもの。
たまにユズ・マーマレードやグレープフルーツ・マーマレードなんかも見かけるよね。
定義としては、かんきつ類を使って作ったジャムで果皮が中に含まれるもの、なんだって。
果皮を一緒に入れることで、ほのかな苦みとリモネンほかのかんきつ類特有の香りが強くなるのだ。
いわゆるかんきつ類の香りは多くは皮のつぶつぶの中に含まれている精油成分だからね。

作り方は普通のジャムより一手間多くて、まず実と皮をわけ、皮は千切りにするのだ。
その皮を実からしぼった果汁(ジュース)で煮てって、やわらかくなったところで砂糖を投入して甘みづけ。
最後に火を止めてペクチンを入れ、とろみがつくまでかき回したらできあがりなのだ。
皮は本当の外側の色のついた部分だけでもよいけど、できれば白い綿状のところも入れたいのだ。
ここに苦み成分があるんだよ!
それと、作るときに気をつけないといけないのは、皮をそのまま使うので、表面をきれいに洗っておかないといけないということ。
最近ではもうそんなことはないだろうけど、ひとむかし前は防かび剤とかを塗布(ポストハーベストというやつだよね。)してあったからね。
気をつけるにこしたことはないのだ。

マーマレードを作るときの特徴は皮を煮ていくことだけど、このとき、果皮からペクチンが溶け出すのだ。
イチゴやブルーベリー、サクランボ、モモ、アンズなんかの場合は酸性度が足らないので、煮詰めてからレモン汁を加えると、液性が酸性になって果肉の細胞壁中から自然と溶け出したペクチンと反応してゲル化するわけ。
ところが、マーマレードは皮と果汁で作っているんだけど、皮から溶け出したペクチンは果汁の酸でほぼ十分にとろみがつくのだ!
皮を煮るときにはじめから砂糖を入れないのがポイントみたいだよ。

マーマレードの語源はマルメロというギリシア原産のカリンに似た果実の砂糖漬けから来ているんだって。
このマルメロは、カリンと近縁種(属は違うけど)で、カリンと同じように固くて酸味が強くて生食できない果実。
一方、果実酒や砂糖漬け・はちみつ漬け、ジャムなんかに加工すると強い香りがあっておいしいんだって。
で、むしろ洋なしに近いこのマルメロの砂糖漬けがなんでかんきつ類の果皮入りのジャムの語源になっているのかはよくわからないけど、細切りにして砂糖漬けにしたものがマーマレードの中のオレンジ類の果皮に似ていたのかもね。
強い酸味があるので、味的にかんきつ類を使ったジャムに似ていたのかもしれないけど。
ちなみに、民間伝承としては、スコットランドのメアリー女王が仮病を使ってでも食べたがったことから名前がついたとも言われているそうだよ。

最後に、韓国ではユズ・マーマレードをお湯又は水に溶かしたものをゆず茶として飲むんだよね。
のどが痛いときなんかはやさしい味で、日本のカフェとかでもけっこう見かけるよね。
もともとジャムは紅茶に入れられたりするけど、ボクはマーマレードを入れるのがわりと好きなんだよね。
香りもオレンジティーのようになるし、甘さもそんなに強くないのでちょうどよいのだ。
それを考えると、ゆず茶というのもそんなに不思議な飲み方ではないんだよね。
薄いとおいしくないけど(笑)

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