2009/07/26

なべら

昨日、沖縄料理を食べたんだけど、沖縄って独特の食材を使うよね。
ゴーヤことニガウリは特に有名だけど、青パパイヤやヨモギなんかもよく食べられるようなのだ。
でもでも、ボクが何よりおどろいたのがヘチマ!
小学校の時に育てたことがあるけど、まさか食べられるとは思っていなかったのだ。
で、食べてみるとけっこうおいしかったりするんだよね。
というわけで、今回はヘチマについて少し調べてみたよ。

ヘチマはその形や花からもわかるように、キュウリやカボチャの仲間のウリ科。
つる性の植物で、普通は棚にはわせて栽培するのだ。
花は黄色くて、雄花と雌花に分かれていているけど、雌花のつけねの子房はすでに小さなヘチマの形をしているんだよね。
これはキュウリなんかとまったく同じなのだ。
ヘチマの場合は同株の雄花と雌花で受粉ができるので、実がなる確率もかなり高いのだ!

キュウリも放っておくとものすごく大きくなって、黄色く色づくんだけど、その姿はヘチマそっくりなんだよね。
両方とも完熟した後に乾燥してきて、実の先端が割れてそこから黒い種が飛び出すのだ。
風で乾燥した実がゆれると、先から種が四方八方に飛ばされるというわけ。
キュウリの場合は熟しすぎると苦みが出るとともに、固くなって食べられなくなるんだよね。
ヘチマは熟してくるとあの「たわし」になる繊維質が固くなってきて、食べられなくなるのだ。
キュウリ同様未成熟の実を食べているんだよ。
みずみずしくて、キュウリよりはねっとりした感触なのだ。
沖縄ではチャンプルー(炒めもの)とかンブシー(味噌煮)にして食べるよね。

十分に熟した後に実を収穫し、しばらく水につけて実の部分を腐敗させた後に残るのがヘチマの形の繊維質。
これがたわしになるんだけど、沖縄弁の「ナーベラー」も「鍋洗い」に由来するらしいのだ。
最初はちょっと固いけど馴染んでくると適度にやわらかくなって、体を洗うスポンジとして今でも使われているよね。
夕顔(ひょうたん)だと繊維が密に固まっていてシート状に残るので容器にできるわけだけど、そこまでではなくてメッシュ状なのでたわしに使われるのだ。
それにしても、むかしの人はよくこんなのを見つけたよね。

そして、ヘチマと言えばヘチマ水。
化粧水として使われるけど、これは、完熟した実をとった後、茎を地上30cmくらいのところで切ってしまって、その先端を容器にさしておくとたまってくる水のことなのだ。
ようは、ヘチマの根が地中から水を吸い上げて維管束の中を通して上に送ろうとするものをとっているんだ。
ヘチマの茎の中を通ることで、サポニン、カリウム、ペクチン、タンパク質、糖分なんかを含むのだ。
サポニンは泡立つ性質がある物質として有名で、殺菌作用があるんだよ。
それに、ヘチマ水の中には植物由来の抗菌成分のファイトアレキシンなんかも含まれるので、抗菌・殺菌作用があるのだ。
しかも、一般の化粧水に含まれているアルコールも含んでいないので、肌に優しいと言われているんだ。
合わない人もいるけど、自然成分で今でも愛用者がいるんだよね。
ただし、防腐剤などは当然入っていないから、あまり長期間保存できないのだ。
※市販のものは保存できるようにいろいろな成分を加えた加工したものが多いよ。

というわけで、学習に使われ、食べられ、たわしの原料になり、そして化粧水もとれる便利な植物なのだ。
栽培も比較的しやすいし(小学生でもできるくらいだからね。)、すごい植物だよ。
身近ながらすごいやつなのだ!

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