2009/09/12

二日目がつらい・・・

木曜日の夜に若手職員の懇親会があったんだけど、学生の時のノリで飲んでしまったので、翌日すごいことに。
さすがにアラサーで一気とかは体に悪いのだ・・・(>_<)
なんとか職場には来ているけど、みんな気持ち悪そうな顔をしていて、頭が痛いなんて言っている人もいたのだ。
つまりは、二日酔いに苦しんでいたというわけ。
ボクはもともと量が飲めないこともあって二日酔いになることはほとんどないんだけど、ちょっと気になったので調べてみたよ。

「二日酔い」は「宿酔い」とも書くけど、アルコールによる酩酊状態が続くというわけではなくて、代謝能力を越えるアルコールを摂取したことによる不快な身体的状態を指すのだ。
よく酒が残っていると言うけど、多くの場合は中間代謝物であるアセトアルデヒドがたまっている状態なのだ。
ちなみに、壁紙の接着剤などの建築材から出るアセトアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質のひとつで、それが体内でできてたまっているのだから、体によいわけがないのだ!
このアセトアルデヒドを分解するアルデヒド脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ)の能力がお酒を飲める・飲めないの差となるのだ。
この酵素の機能が低いとアルコールの分解が途中でつまってすぐ気持ち悪くなるのだ。
世界的には東アジアのモンゴロイドのみに見られるんだよね。

一般には、頭痛、吐き気・嘔吐、胸のむかつき(胃炎)、のどの渇きなどが症状だよ。
ほとんどの症状は体内にアセトアルデヒドがたまっているから起こる症状だけど、のどの渇きだけは違うのだ。
アルデヒドを分解するときは水を使ってカルボン酸に酸化するんだけど(いわゆるアルコールのエタノールの場合はアセトアルデヒドから酢酸になるのだ。)、分解に水を大量に消費するので水分がほしくなるわけ。
同時に、分解を行っている肝臓ではそのエネルギーも必要となるので糖分も欲しているのだ。
食べ物と同時にお酒を飲むと二日酔いになりにくい、というのは、食べ物が胃に入ることで過度に出た胃酸が中和され、アルコールの分解に必要なエネルギーも得られるからなのだ。
二日酔いの時にスポーツドリンクをおいしく感じるのも糖分も摂取できるからなのだ。
原理的にはコーラとかでもよいわけだけど、胃がむかむかしていることが多いから、炭酸飲料は飲む気がしないんだよね(>_<)
シジミ汁も二日酔いに聞くと言われるけど、シジミにはうま味成分のコハク酸が多量に含まれていて、このコハク酸はすぐに分解されてエネルギーとなるのだ。
二日酔い防止のドリンク剤にカキエキスが含まれているのは、同じようにカキにエネルギー源となるグリコーゲン(ブドウ糖が分岐しながらたくさんつながったもの)が大量に含まれているからだよ。

わざとアルデヒド脱水素酵素の働きを悪くする薬もあって、それはアルコール依存症に使われるんだよね。
ちょっと飲んだだけで気持ち悪くなるので飲まなくなる、というわけなのだ。
こういうのを嫌酒薬と言うんだよ。
よくかぜ薬とアルコールを同時に摂取するとよくないと言われるけど、これも似たような話で、よくかぜ薬に入っている解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンは肝機能を低下させる副作用があって、大量のアルコールと同時に摂取するとアルコールが分解できなくなって、その中毒になるのだ。
これは急性アルコール中毒と同じような状態で、アルコール自体がアルデヒドに分解されきらず、血中に高い濃度で残ってしまうことで、脳機能が麻痺していき、最終的には脳幹の呼吸器や循環器を司る部分も麻痺してしまって意識を失うのだ(>o<)
これはアルデヒドを分解できるとかできないとかは関係なく、純粋にアルコールの濃度が高いときに起こるので、お酒に強い・弱いにかかわらず、短時間で大量にお酒を摂取すると起こってしまうんだよ!
普段お酒が強い人も中毒になるので注意が必要なのだ!

戦後のもののない時代は、通常アルコールとして摂取されるエタノールが不足していて、かわりにメタノールが飲まれることもあったんだよね。
でも、これは危険で、やってはいけないのだ。
メタノールが分解されてできるホルムアルデヒドは有害物質として有名だけど、これが網膜の視細胞に作用して、失明するのだ。
視細胞の中で光を完治するのに使われているロドプシンというタンパク質は、レチナールというアルデヒドが光に当たったときに構造変化を起こすことを感知しているのだけど、これがホルムアルデヒドに変わってしまうと光が感知できなくなるのだ。
なので、「目散る」と言われたんだよね。

ホルムアルデヒドの水溶液はホルマリンで、タンパク質を変性させ、固定させる作用があって、よく生物標本を作るのに使われるよね。
そんなのが体内の血液中を流れることになる、と考えるとおそろしいけど、実際にはすぐに分解されてしまうので、問題になるのは目への影響のみだそうだよ。
むしろ、ホルムアルデヒドが分解されてできるギ酸を霊長類は分解できないので、こっちの悪影響の方があるのだ。
ギ酸がたまると血液が酸性に傾くアシドーシスという状態になり、ひどいと意識を失うのだ。さらに神経毒性もあるので、かなりやばいんだよ。
今では工業用アルコールを飲料にしないようにわざとメタノールを添加していたりするんだよね。

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