2012/11/10

爆歩兄弟!タッチ&ゴー

駅のポスターを見て知ったんだけど、今日から明日にかけてSUICAとPASMOはシステムメンテナンスのために一部のサービスが停止されるんだって。
で、改めて気づいたんだけど、SUICAやPASMOが使えなくなって電車に乗れなかった!、っていう事態ってないよね?
どれだけ堅固なシステムなんだろうって感心するよ。
その仕組みを調べてみると、意外な(でもいつはけっこう有名な)ことがわかったのだ。

SUICAとかPASMOって実は使うたびにセンター・サーバーと情報のやりとりをしていないんだって。
クレジットカードの場合、通信にけっこう時間がかかるよね。
あれはカードの認証をするのにセンター・サーバーに問い合わせていて、そのとき、限度額を越えていないか、不正なカードでないか、盗難などで使用停止になっているカードでないかなどなどを確認しているんだ。
でもでも、SUICAとかPASMOはまさに「タッチ&ゴー」でピッっていう間に決済が終わるんだよね。
これは、センター・サーバーまで問い合わせをしていないからこそできる芸当なのだ。

では、どうしているかというと、各端末(駅で言うと自動改札機)とICカードとの間だけで情報のやりとりをしているんだって。
で、カードにも端末にもそれなりに履歴を蓄積することができて、後でそれを照合しながらまとめていって、最後にセンター・サーバーに集約するみたい。
自動改札の場合は、通信が生きている限りは一定時間ごとに各改札機から駅のサーバーに情報を上げ、駅のサーバーはまた通信が生きている限り一定時間ごとにセンター・サーバーに情報を上げていくのだ。
最後に全部の情報を集約して矛盾がないかどうか確認して、最終的に電子的決済が完了する、という仕組みのようだよ。

駅で運賃が引き落とされたり、コンビニで代金が引き落とされたりしても、その時点ではカードに記録されているチャージ情報が書き換えられているだけで、まだ確定していないのだ。
なんらかの理由で不都合が出てきて、数字が合わない場合は、それぞれの取引をさかのぼって確認することになるんだろうね。
ちなみに、紛失時の再発行や、カード内のデータが死んで復旧するときに時間がかかるのは、まさにこのため。
センター・サーバーに情報を集約して処理し、取引の決済が完全に完了するまでは「確定」できないからなのだ。

これがSUICAとPASMOのシステムを難攻不落にしている要因で、通信が死んでいても、端末やローカル・サーバーに情報が蓄積しておけるので、しばらくは使い続けることが可能なのだ。
これはセンター・サーバーやローカル・サーバーが落ちた場合も同じ。
後でまとめて情報を送ってやって処理できればいいわけ。
これが自律分散型システムなのだ!
最近では電子マネーとしての利用も増えているし、相互利用も進んできているから取引量がのびているけど、だいたい3日くらいまでならサーバーが落ちても使い続けられるらしいよ。
なんというロバストネス(堅牢さ)♪
今回はまさにサーバーのメンテナンスをするため、情報を確定しないとできない手続である再発行や払い戻しができなくなるみたいだね。
普通にサーバーは落ちているみたいだけど、こういう手続はそんなに頻繁じゃないし、そもそも乗車券や電子マネーとしては使い続けられるから問題にならないというだけなのだ。

そもそもこの非接触型のICカード利用が検討されたのは90年代なんだって。
ちょうど磁気カードを挿入する自動改札が普及してから10年くらい経つと、読み取り部の摩耗やら機器の更新やらでメンテナンス費用が高くつき、システムの拡張性も乏しいので、磁気カードが本格導入されたそのタイミングから検討が始まったみたい。
ちょうどそのころそういう技術も出てきていたんだよね。

磁気カードの場合、挿入してからデータの読み出し、正規なものかどうかの判定、データの書き込みと確認という処理を0.7秒でやっていたらしいのだ。
ところが、すーっと自動改札の横をストレスなく歩き過ぎる速度は都心部では1.2m/s、毎分72mくらいの早さで、改札の横を通る時間はなんと0.2秒しかないのだ。
しかも、カードとの通信(往復)で0.1秒かかるので、データの処理を0.1秒以内に行う必要があるんだって。
この一瞬間に、認証、読み出し、判定、書き込み、確認という処理をしているらしいよ。

現在カードと端末の間で使われているのは無線通信で、実際は「タッチ」する必要はなく、10cm以内に近づければいいんだって。
でも、この0.2秒を確実に稼ぐために「タッチ&ゴー」を推奨しているそうだよ。
無線通信は準マイクロ波と呼ばれる、1~3GHzの周波数の極超短波。
今の第三世代携帯(3G)の通信帯域と同じだね。
だからモバイルSUICAなんてのもできるのかな?

それにしてもなんとなく使っていたけど、これはすごい技術だねぇ。
そう言えば、出始めのときはおどろいたっけ。
慣れっていうのはこわいこわい。
でも、これってデータ処理の分野で言うと、画期的なシステムだったらしいよ。
開発者はこのシステム構築で博士論文を書いたらしいけど、こんなのが現実に動くわけがない、と批判する学者もいたとか(笑)
でも、この各端末が自律的に動くシステムを組み上げることで、堅固なシステムと高速処理を実現したのだ。
ちょっとこれからは自動改札を通るときもその技術に敬意を表さないとね。

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