2014/06/07

せきたん

ここのところずっとのどの調子が悪いんだよね・・・。
咳が出て、痰がからむのだ(>o<)
それ以外はなんともなくて、熱が出るわけでも、体がだるいわけでもないので不思議。
声が出なくて苦しいので、早く治したい!
で、もはやプロポリス配合ののど飴でもダメで、トローチを使い始めているのだ。

総合感冒薬に入っている鎮咳去痰薬は、名前のとおり、咳を鎮め、痰を出しやすくするもの。
でも、実はそのメカニズムはいろんなところに関与していて、それだけいろんな種類の集合体になっているのだ。
調べてみると奥が深いねぇ。
自分の症状に合わせて、適切な薬を選ぶのがよさそう。

有名なのはジヒドロコデイン。
通常はリン酸ジヒドロコデインとして総合感冒薬などに入っているのだ。
これは中枢神経のオピオイド受容体に作用して、延髄の咳中枢を抑制すると考えられているんだ。
咳を出そうとする指令を出元から止めるわけ。
ただし、ジヒドロコデインはモルヒネ類似体で、弱い習慣性もあるのだ。
なので、麻薬性鎮咳薬と分類されているよ。
同じようにアヘン抽出物でモルヒネ類似体なんだけど、麻薬性の習慣性がないものもあるんだ。
ノスカピンなんかがその例。
これらは非麻薬性鎮咳薬と区別されるんだ。
なぜか便秘の副作用があるものがあるので(特にコデイン)、その点でも使用上注意が必要みたい。

次のグループは興奮作用により気道を拡張することで咳を止めるもの。
一つはアドレナリン作動薬で、アドレナリン受容体に作用して、交感神経を興奮させるもの。
漢方薬の麻黄から抽出されたエフェドリンなんかがその例だよ。
このグループの薬の場合、同時に心拍数や血圧を上げるとともに血管を拡張させるので、動悸や頭痛といった副作用も出てくるので注意が必要なのだ。
一方、中枢神経に作用して興奮作用をもたらすのはカフェインなどの薬物。
「アンナカ」として有名になった安息香酸ナトリウムなんかも使われるよ。
あんまり咳を止める目的で使われることはないとは思うけど、総合感冒薬には眠気覚ましとして入っているので、気管支拡張作用も期待される、という程度のものなのだ。

で、神経に作用するのではなくて、のどの筋肉(平滑筋)に作用するのがキサンチン誘導体。
喘息の薬のテオフィリンなんかがそうだよ。
気管支の拡張・収縮を担う平滑筋を弛緩させることで、気管支を拡張するのだ。
基本的には気管支を広げて呼吸をしやすくするものなんだよね。
むかしから濃いコーヒーを飲むと咳が止まることが知られていて、カフェインよりも気管支拡張作用が強力なものとして抽出されたものがテオフィリンなんだとか。
日本でも咳がひどいときにお茶を飲んだりするけど、あながち意味がないわけではないんだねぇ。

逆に、気管支の収縮を抑えることで、結果として呼吸がしやすいようにする薬もあるのだ。
それが抗ヒスタミン剤。
ヒスタミンはアレルギー症状のトリガーを引く神経伝達物質として知られているけど、アレルギー性のくしゃみや咳を止めるには、そのヒスタミンを押さえ込めばよい、というわけ。
中枢神経に作用する抗ヒスタミン薬は眠気を催す副作用があるので注意が必要だけど。
(総合感冒薬にもよく入っているけど、抗ヒスタミン剤による眠気を相殺するためにカフェインが入れられるのだ。)

ここまでは主に咳を抑えるものだけど、痰を出しやすくする作用を持つ薬もあるよ。
例えば、ブロムヘキシンなどの去痰剤。
気道の粘液分泌を促進することで、痰の粘度を下げ、出やすくするのだ。
通常痰が絡むような場合は、痰の粘度が高まっていて出にくくなっているんだよね。
かたくなっている痰を柔らかく溶かす作用の薬物もあって、それは気道粘液溶解薬と呼ばれるもの。
ブロムヘキシンにもその作用はあるんだけど、他にメチルシステインなど。
タンパク質の構成要素のアミノ酸であるシステインは、チオール基(-SH)同士がくっついてジスルフィド結合(-S-S-)を作ることで架橋し、タンパク質の高次構造を支えて安定化を担っているんだけど、この結合を切ることでタンパク質を水に溶けやすくし、粘度を下げることができるのだ。
これは薄めるんじゃなくて、そもそも粘度を下げるというところがみそ。
このほか、リゾチームのような消化酵素により、炎症の原因となる雑菌を排除するというのもあるのだ。
そうすると、そもそも痰がからめとる異物が少なくなるので、痰はかたくなならなくなるんだけど、これは効くには時間がかかる・・・。

というようなわけで、いろんな薬が使われているのだ。
で、多くは咳を止める薬なんだけど、そのまま咳だけ止まるとますます痰がつまるので、通常は去痰薬と一緒に使うんだって。
やっぱり勝手に「これ」と自分で選ぶんじゃなくて、市販の咳止め薬を使った方がよいのかなぁ。
いまのところトローチはけっこう効いているから、まずはこれに頼るか。

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