2014/07/05

生乾き?

テレビで大評判と紹介されていたので、我が家でも成城石井の「ちりめん山椒」を買ってきたので。
さっそく食べてみたんだけど、山椒の香りは鮮やかだけど、全体的に甘いような・・・。
こういうのは好みがあるからね。
これよりは、大根おろしと大葉と一緒にごはんに釜揚げしらすをのせたしらす丼の方が合うみたい。
で、気になったのが、ちりめんじゃことしらすって何が違うんだろう?、ということ。

調べてみると、かなり境界はあいまいなようで、明確な定義はない、なんてのも見かけるんだけど、一般的には使い分けがあるみたい。
それは、基本的に関西での呼び名が「ちりめんじゃこ」で、カタクチイワシの稚魚などの塩水でゆでたものを指し、ゆでただけの「釜揚げ」と、ゆでてから天日干しにして乾燥させた「上乾(じょうぼし)」があるのだ。
一方で、幼魚でまだ透明感がある状態の稚魚はゆでると白くなるので「しらす」と呼ばれていて、関東ではこれを生乾きの状態である「しらす干し」として食べるのが一般的なのだ。
最近は「釜揚げしらす」なんていう干していないしらすもあるんだけど・・・。

「ちりめんじゃこ」は漢字で書くと「縮緬雑魚」で、小さな魚をゆでて平らに広げて干したものが、細かいしわが特徴の織物の「縮緬」に似ているのでそう呼ばれるようなのだ。
シート状に干すと「たたみいわし」になるけど、これも畳表に似ているから。
こういうネーミングセンスってけっこう好きなんだよね(笑)
しらすは、まだ体に色素がない稚魚はゆでると白くなることからそう呼ばれるんだけどこれはその稚魚を指す言葉なのだ。
なので、正確には、食卓に上がるのは「しらす干し」になるんだよね。

ちなみに、しらすやちりめんには時々エビやカニの幼生、小さなタコ、タツノオトシゴなんかが混ざっているよね。
基本的には主にカタクチイワシなんだけど、一緒にとってしまうので入っているのだ。
一部では「ちりめんモンスター」なんて呼んでどういうのが混ざり込んでいるか楽しんでいる人たちもいるけど、確かに子供の時しらすをかき分けて探したっけ。
最近は見ないなぁ、と思っていたら、アレルギーとかの関係で取り除いているとか!
むかしは手作業で取り除くのが大変だから混ざったままだったんだろうけど、そこまでするんだねぇ。

我が家でも買ってきたちりめん山椒は、カタクチイワシの稚魚などを塩水でゆでた後、軽く天日干ししてから、山椒の実と炊き合わせたもの。
京都発祥の料理で、京の花街、上七軒の料理人が考案したとか。
僕も京都のイメージが強かったけど、最近はいろんなところで見かけるよね。
それこそ普通にスーパーでも売っているわけだし。
京都の市街は海からわりと離れているので、流通が発達していない当時は新鮮な魚介類はなかなか食べられなかったんだよね。
ハモみたいなとにかく生命力の高い魚を運んでくるか、ある程度保存のきく状態(=干したものなど)を持ち込むか、のどちらか。
なので、干したちりめんじゃこをおいしく食べる工夫としてこの料理が生まれたんだよねぇ。

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