2017/03/18

ドーバーをくぐる

三連休になったので、それを利用してちょっと旅行することにしたのだ。
行き先は、いろいろ考えた上でロンドン。
パリからだとユーロスターで行けるしね。
というわけで、生まれて初めてドーバー海峡を渡ることになったのだ。

ユーロスターは欧州の高速鉄道のひとつで、1994年に開業。
当時は大きな話題になったよね。
今ではロンドン-パリ間を催促2時間15分で結んでいるのだ(最高時速300km)。
東京からだと京都まで、というところ。
そう考えるとなんだか納得だなぁ(笑)
ユーロスターはクラスが3つあって、ビジネス、スタンダード・プレミア、スタンダードとあるんだけど、ビジネスならホットミールが、スタンダード・プレミアならコールドミールが提供されるんだ。
このあたりのサービスは飛航空便を意識しているのかな?
最新の列車だと社内でWiFiも使えるようだし、快適な旅になりそうだ♪

ユーロスターの開業に当たってはドーバー海峡の海底トンネルがみそなわけだけど、なんと、その構想は18世紀までさかのぼれるみたい。
すでにそのときに海底にトンネルを掘って大陸とグレートブリテン島を結ぶアイデアがあったのだ!
1855年のパリ万博には、海峡トンネルの模型まであったらしいよ。
で、トンネル掘削会社まで作って掘り始めたんだけど・・・。
建設中止。
きっと土木技術が追いつかなかったのだ。

戦後になって、1978年に再度掘削が開始されたんだけど、やっぱり注視。
そして、1986年に再び工事に着工し、1990年にトンネルがやっと貫通したのだ。
構想から230年あまり。
いかに大変な土木事業だったかがわかるよね。
で、この工事には、日本の企業も活躍しているのだ。
川崎重工製と三菱重工の掘削機が活躍したんだよ。
特に、フランス側からの掘削に使われた川崎重工の掘削機は難工事をこなしたということで、NHKのプロジェクトXにも取り上げられたんだよね。

海底トンネルというとまっすぐ作られているようにも思えるけど、実際にはけっこうくねくねしているのだ。
岩盤の関係で必ずしもまっすぐは掘れないんだろうね。
掘削には、TBM工法とシールド工法が試用され、円盤形の歯のついたシールドで丸く削りながら進めていくタイプのものなのだ。
これをイギリス側(フォークストン)からとフランス側(カレー)からで掘り進めていってつなげたんだよね。
海底部の総距離では37.9kmと青函トンネルを抜く世界一のものなので、まさに世紀の大工事だったのだ(陸上部を含めると世界第3位)。

だけど、大工事であるが故に工費は当初計画の6倍にものぼったとか。
さらに、想定よりも乗客も少なかったため、多大な負債になったみたいだよ・・・。
ユーロトンネル会社が管理運営を行っているんだけど、トンネル使用料収入だけじゃ赤字で、2006年にはいったん経営破綻したみたい。
ただし、最近ではユーロスターの旅客数も増えてきていて、挽回してきているみたい。
でも、こういう話を聞くと、日本の三セクと変わらないんだなぁ、と正直思ってしまうね(笑)

ちなみに、ユーロスターは最高時速が300kmだけど、トンネル内は160kmに抑えないといけないみたい。
これはトンネルの問題じゃなくて、トンネルの陸上部でより遅い(時速140km程度)貨物列車や車運搬用のシャトル列車とのすれ違いがあるためらしいけど。
海底部トンネル内は、列車用の単線トンネルが2本とその真ん中にサービス用トンネルがある構造なので、本来はトンネル内でのすれ違いは気にする必要はないんだよね。
確かにトンネル内で複線だと、すれ違うときの風圧が問題になるのでだめだけど。

とにもかくにも、乗るのが楽しみだ。
青函トンネルは北斗星で通ったことがあるんだけど、それとの違いが気になるところだね。
これは鉄ちゃんじゃなくてもわくわくするのだ。

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