2017/03/04

乾杯とは杯を乾かすと書く

この前、中国の人と中華レストランで会食をしたんだよね。
その場で出てきたお酒が、中国の蒸留酒の「白酒(バイジュウ)」。
アルコール度数がめちゃくちゃ高くて、そのとき出てきたやつは52度だって!
いわゆる「スピリット」と呼ばれるお酒だよね・・・。
中国酒だと、紹興酒に代表される「黄酒(ホァンチュ)」が有名だけど、これは透明で香り高いお酒なんだ。

紹興酒などは日本酒と同じように、お米を原料にして、麹と酵母で並行複発酵させて作るんだけど(麹がデンプンを糖に変え、それを酵母がアルコール発酵させる。)、原料はモロコシ(コーリャン)。
蒸したモロコシに大麦や小麦、エンドウなどで作った麹の塊をまぜ、土の中に埋めて発酵させるんだそうだよ。
日本ではなかなか考えられない作り方だ・・・。
この麹の塊の中にはアルコール発酵を行う酵母も混ざっていて、塊のまま発酵していくんだって。
どろどろのもろみを造る日本酒や焼酎とはだいぶ様相が異なるのだ。
この塊を蒸留し、得た液体を瓶に入れて長期間熟成すると、「白酒」になるんだけど、仕上がりはだいたいアルコール度数は50度くらい。
芳香成分を多く含み、独特の香りがあるのだ。
ちなみに、蒸溜した後に残る「酒粕」は豚のえさにするんだって。

中国の宴席での乾杯にはこの白酒を使うのが通常で、小さなグラスにそそぎ、文字どおり「乾杯」するのだ。
なんか、日本の体育会系計の飲み会みたい・・・。
ボクも最初の一杯はつきあったけど、アルコール度数が50度もあるとのどが焼けるようだから、これはなかなかつらいよ。
中国は日本よりもお酒が強い人が多いんだね。
というより、アジア地域でここまでアルコール度数が高い蒸留酒は白酒くらいなんだよね。
泡盛だと最高で60度くらいあるけど、多くのものはブランデーとかウイスキーと同じらいで、白酒はウォッカとかジン並の高さ。
中にはスピリタスのような96度なんていうほぼエタノールというのもあるから、世の中は広いよ(笑)

でも、20世紀末くらいからアルコール度数の低い白酒も出回り始めているんだって。
今は40度くらいの低度酒が主流になりつつあるとか。
それでも十分にアルコール度数は高いと思うけど。
嗜好の変化だけでなく、海上輸送の制限とかいろいろあるんだって。
確か、その会食の時は、中国の人が持ち込んでいたよ(笑)
そこまでしなくていいのに。
それにしても、それをストレートで飲むんだから、中国はやっぱりあなどれない!

ちなみに、蒸留酒自体は古代メソポタミアや古代エジプトにもすでにあったことが知られているという歴史のあるもの。
今のような蒸留方式が確立されたのは錬金術の時代なんだとか。
中国での蒸留酒作りがいつ始まったのかはよくわかっていないみたいなんだけど、中世欧州で確立された技術が東南アジア経由で伝わったのでは、と考えられているらしいよ。
とはいえ、古代社会にもあったから、もっと単純なものはシルクロードで伝わっていたかもしれないけどね。

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