2017/06/17

国にも男女の別あり

フランスに来てからも仕事は英語がメインなんだけど、さすがに多少は仏語を話さないといけない機会があるんだよね。
で、学生時代に第二外国語として習ったときの知識を最大限活用するんだけど・・・。
すっかり忘却の彼方だ(笑)
それでも、ぎりぎり覚えている単語を並べてなんとかするしかないわけで。

そんなとき、改めて面倒だなぁ、と思うのは、仏語の名詞には男女の性があること。
おおもとのラテン語だとさらに中性名詞もあるのでさらにややこしいのだけど。
でも、一つのというときも談攻め意思なら「アン(un)」、女性名詞なら「ユンヌ(une)」と使い分けないといけないし、男性名詞につく冠詞は前置詞と一体化して「au(à+le)」とか「du(de+le)」とかになるのでややこしいのだ。
そして、もっとややこしいのは、「~へ行く」というときに、その行き先が国名になる場合、男性名詞の国、例えば日本なら、「au Japon」なんだけど、女性名詞の国、例えばフランスなら、「en France」となって、前置詞すら変わってしまうのだ。
これから夏のバカンスが来るけど、よその国に遊びに行くなんて話をフランス語でするときには注意をしないといけないんだよね。

仏語の場合、国の名前はひとつに限られるので、必ず定冠詞がつくのだ。
これは英語との大きな違い。
なので、「le」とか「la」と一緒に覚えてしまうと、男女のどちらかかも同時に覚えられそうなものなんだけど・・・。
母音で始まる国、例えばドイツ(Allemagne)なんかは、エリジオンが起こってしまって「l'Allemagne」となるので、どっちかわからない(笑)
ま、たいていの欧州の国は女性名詞なんだけど。

で、つらつらと仏語の国名を見ていくと、いくつかおもしろいものがあるのだ。
まずは米国と英国。
日本ではすぐに「アメリカ」というけど、米国人は自分たちでは「the United States (of America)」と呼ぶんだよね。
これは仏語も同じで、「les États-Unis (d'Amerique)」と言うのだ。
音で言うと「レゼタジュニ(ダメリック)」なので、全く米国っぽさがないのだ。
もっと複雑なのが英国。
日本では「イギリス」と言ってしまうけど、これはもともと「イングランド」のポルトガル語名の「イングレス」に由来しているので、英国全体を指していないのだ。
通常は英語で「United Kingdom (of Great Britain and Northern Ireland)」で、「UK」と呼ばれるよね。
フランスでも全く同じなんだけど、仏語にすると、「le Royaume-Uni (de Grande-Bretagne et d'Irlande du Nord)」となるのだ。
やっぱり英国の面影がない(笑)
最初はどこの国のことを言っているのかわからなかったくらいだよ。
ロンドンも「Londre」で綴りが違うし、日本人には英国関係の地名はわかりづらいようなのだ。

米国・英国以上にわかりづらいのがオランダ。
オランダはホラント州を指す「Holland」のポルトガル語「Holanda」に由来していて、英国と同じように欧米の国名とは大きく異なっているのだ。
オランダの英語名称は「the Netherlands」なんだけど、これはオランダ語の「Nederland」から来たもの。
このネーデルラントはもともと「低地」を意味する言葉なのだ!
このため、仏語では、「les Pays-Bas」と言うのだけど、「pays」は「国」、「bas」は「低い」という意味なので、ドストレートな名前なんだ。
ネーデルラントに近い音だったらわかるけど、これは想像もつかないよね・・・。

最後に、前に出てきた「ドイツ」。
仏語の「アルマーニュ」の由来は、ゲルマ系民族の一つの「アレマン人」の地というところから来ているんだって。
英語の「German」はそのまま「ゲルマン」から。
日本語の「ドイツ」はドイツ語の「Deutschland(ドイチュラント)」から来ているので、実は一番ドイツ自身の呼び方をリスペクトしているんだよ。

逆に、「オーストリア」が「Autriche(オートリシュ)」で、「オーストラリア」が「Australie(オーストラリー)」で、けっこう音が変わるので、むしろこっちは区別しやすくなっていたりもするよ。
朝鮮は「Corée」になってしまうので、英語の時とアルファベット順の並びが大きく異なってくるから注意が必要なのだ。
これはドイツもそうだけどね。

というわけで、国名って英語と仏語ではけっこう違うのだ。
もちろん、国だけじゃなくて都市名も違うんだよね・・・。
なので、日本語・英語・仏語の対応関係はかなりややこしいよ(>_<)

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