2020/03/14

ぶわぁーっと乾かせ

コロナの影響で結構みんなまじめに手洗いをしているよね。
男子トイレだと、そもそも手を洗わない人も多かったんだけど、そういうこともなくなったのだ(笑)
そして、始終「ぼわぁー」という音がしているのだ。
そう、ハンドドライヤーの音。
大震災後一時使用停止になっていたけど、やっはりペーパータオルより便利ということで復活しているんだよね。

これって、つい最近のものなのかと思っていたら、実は古いのだ。
昭和35年(1960年)には発売されていたんだって!
今でもこの業界の大手の東京エレクトロンという会社で、当時の社長が米国で同種の製品を見て、これだと、と手をつけたのだ。
で、この会社が特許を取って販売していたんだけど、その頃は鳴かず飛ばず。
そもそも扇風機のようなファンで風を送る方式なので、風が弱く乾かすどころのものではなかったよう。
そこで、ヒーターをつけたりしたそうだけど、それでも、回転式タオルやペーパータオルには太刀打ちできなかったようなのだ。

1970年代までは特許で保護されて伊tんだけど、それが切れると大手企業も参入してきたとか。
具体的には、トイレ大手のTOTO(にOEMで製品を供給している会社)や松下や三菱電機のような家電大手。
各社ともいかに短い時間で乾かすか、というところに工夫を凝らすようになったんだけど、このときに手についた水滴を吹き飛ばすくらいの風量のものが出てくるのだ。
すごい音がするけど、手の皮膚の表面が波打つくらいの強い風が来るものもあるよね。
三菱製のものは風の出口を絞ることでさらに風を強くし、「ジェットタオル」という名称で売り出したのだ。
ほかにも、紫外線ライトをつけて同時に殺菌を行うものなどもあるよ。

現在投入されているものは大きく2種類あって、手を入れて上から風が当たるタイプと、下向きに手を差し込んで横から風を当てるタイプがあるのだ。
どちらも風を当てて手について水滴を吹き飛ばして乾かすのが基本だよ。
秋冬だとぬれたところに風が当たると気化熱で冷たく感じるので、温風になっているのだ。
ちなみに、下向きに手を差し込むタイプは業界では「おばけ式」と呼ばれているんだって。
「うらめしや」の幽霊の手の形になるから(笑)

コロナがはやり始めた頃から手洗いは奨励されているんだけど、ハンドドライヤーは使わないで、という動きも出てきたんだよね。
これは、手についた水滴を飛ばす際に、コロナウイルスを含むエアロゾルが周囲にまき散らされるおそれがあるため。
特に、上から風を当てるタイプだと周囲に飛び散りやすいのだ。
日本製のものは下に「受け」がついているからまだましなんだけど、海外製だと風の吹き出し口しかなくて、吹き飛ばされた水滴はそのまま床に落ちるようになっているので、危険度が高いのだ。
「お化け式」だと必ず手が覆われているのでそこまで飛び散らないんだけどね。

ちなみに、経済性で言うと、ハンドドライヤーに分があるみたい。
初期費用ははるかに高いのだけど、回転式タオルやペーパータオルは消耗品費がかかるし、何より、交換の手間=人件費が乗ってくるので、トータルで見るとコスト高のようなのだ。
電気代はそこまで高いわけではないし、たまにメンテナンスすればいいだけなので、長く使うことを考えたらハンドドライヤーの方が有利なんだって。
これが徐々に浸透してきてシェアを拡大してきたそうだよ。

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