2021/08/21

下からのぞけば

 またのしたからのぞくときれいと言われるのは、日本三景の一つの天橋立。
でも、ボクは先日、またの間から中身をのぞかれたのだ!
そう、人生で初めての大腸内視鏡検査を受けたんだよね。
それなりの年齢になるとポリープとかできている人も多いので、一度は受けた方がよいとずっとすすめっれていたんだよね。
なので、今回の人間ドックでは、上からの胃カメラ(上部消化管内視鏡)と下からの大腸内視鏡の両方を受けたのだ。
いやあ、大変だった。

胃カメラは独国で発達したものなんだけど、大腸内視鏡は主に日本で発達したものなんだって。
内視鏡の機器を開発したのも日本、直腸=>S状結腸=>下行結腸=>横行結腸=>上行結腸と盲腸の手前まで挿入する技術を確立したのも日本。
そして、現在行われているような、検査しながら見つけた小さなポリープを切除する手術法を完成させたのも日本!
日本は庁が好きなんだなぁ(笑)

胃カメラの場合は、わりとまっすぐ下ろしていけるので、そこまでぐりぐりと曲げる必要なないんだよね。
一方、大腸は、4回大きく湾曲したところがあるので、そこでは内視鏡自体を大きく曲げる必要があるのだ。
なので、かなり柔軟に曲げられるものが必要だったわけ。
最初期は光ファイバーを使っていたけど、光ファイバーはちょっとかたくて曲げるのにも限界があるので、けっこう苦労したはずなのだ。
逆に、今は電子スコープで先端に小型のCCDカメラがついていて、その先はいわゆる「電線」でいいので、曲げるのはかなり楽になっているはずなのだ。


曲げられると言っても、その人その人に合わせて曲げながら入れるのは大変そうだよね。
実際、ボクが自分で受けたときも、大きく曲げなくちゃいけないところでは横向きにされたり、また仰向けにもどったりと自分でも動かないといけなかったのだ。
こういう挿入法をきちんと確立して、小腸の出口まで検査できるようになっているわけ。
ボクが受けたときは、消化管の運動を押さえるブチルスコポラミン臭化物製剤(ブスコパン)を服用した上で、挿入直前に潤滑油ゼリーを肛門付近にぬられたのだ。
これがなんだか冷たくって変な感じ。
むかしはこのゼリーの中に局所麻酔のキシロカインが入っていたそうなんだけど、現在は入ってないものを使うことが多いそうだよ。
ボクは特に説明を受けなかったから、おそらく滑りをよくするためだけのゼリーかな?

そして、大腸内視鏡の場合は、中を観察して終わりではなくて、小さなポリープの場合はその場で切除するのだ。
大木なのは別途開腹手術がいるのだけど、早期発見できれば検査と同時に治療もできるわけ。
ボクははさみみたいなのでちょん切るのかと思っていたんだけど、実際はループ状になっているワイヤーに引っかけ、根元を絞った後にそのワイヤーに高周波電流を流して焼き切るのだ。
そのままだと血が止まらないので、ラジオペンチの先端のようなクリップで傷口を挟んで止血。
そのクリップはトカゲのしっぽ切りのようにその場で切り離すことが可能で、そのまましばらく体内に残留した後、数日すると自然に脱落するらしい。
なので、ポリープの切除などをした場合は、刺激物やアルコールの摂取は1週間は避けてください、と言われるよ。
ボクは幸いそう言うのはなく、見ただけで終わったよ。

胃カメラの時も検査前は絶食が必要なんだけど、大腸内視鏡の場合はもう少し前準備が必要なのだ!
まず、前日から繊維質のものは食べちゃだめ。
そして、寝る前に強力な下剤を飲んでできるだけ腸の中をからっぽにする。
検査当日、腸管洗浄剤というのを飲まされて、腸の中に残ったかすなどをさらに洗い流すのだ。
大腸では主に水分吸収をしているけど、この腸管洗浄剤はポリエチレングリコールに塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが加えられている薬剤で、腸管における水分吸収を妨げるので腸管の内側を洗い流すことができるようなものなのだ。
大腸では、イオン濃度勾配を使って陽イオン(ナトリウムやカリウムのイオン)を体内に取り込むときに一緒に水分を取り込むメカニズムなのだ。
ところが、この陽イオンの取り込みには物理的な限界があるんだよね。
なので、等張液に近い成分の液剤を大量に飲んだ場合、ほぼ陽イオンの取り込みができなくなって、かつ、ポリエチレングリコールはもともと水分子を抱え込む性質があって水の吸収を妨げるので、ほぼほぼ水分の吸収ができなくなるんだ。
そうなると、飲んだ分だけ洗浄液が出て行くことになるのだ!
それでかすが出なくなるまでゆっくりとこの腸管洗浄液を飲んで腸の中を本当に空っぽにするんだよ。
これが変な甘さで飲みにくいんだよなぁ・・・。

そんなわけで、人生で初めての大腸内視鏡を体験してきたよ。
前準備は大変だし、当日も何度もトイレに行かされて苦労するけど、大腸の中でちゃんと検査できるのはありがたいよね。
日本では大腸がんが増えていると言うし、検査する意義は高いのだ。

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