2008/09/20

春と秋で名前を変えろ!

ボクは和菓子が好きなんだけど、中でもけっこう好きなのはおはぎ。
ちょうどお彼岸の入りで街中でよく見かけるようになったよね。
完全なおもちでもよいのだけど、まだつぶれていない粒が残るおはぎの独特な感触がまたよいのだ。
甘過ぎないのもいいよね。
で、気になったのが、ぼた餅とおはぎの違い。
はっきり言って同じようなものだけど、ひょっとすると何か違うかもしれないと思って調べてみたのだ。

するとわかったのは、結論的には、基本として同じものということ。
どうも、春のお彼岸では、その季節がら咲く「牡丹」にちなんで「ぼた餅」(漢字では「牡丹餅」)と読んで、秋のお彼岸には秋の花の代名詞のハギにちなんで「はぎの餅」とか「おはぎ」と呼ぶようになったそうなのだ。
同じものだけど、季節に合わせて名前を変えているなんてなかなかおしゃれだよね!
地域によっては、完全におもちにしてからあんこにくるむのをぼた餅、半つぶしの状態でつつむのがおはぎ、としていたり、あんこをつけるのがぼた餅で、きなこをつけるのがおはぎ、と区別している例もあるようなのだ。
でも、たぶんは後付けの区別で、おそらく最初は季節による呼び方の違いだけだったんだろうね。
むかしはお米も砂糖も貴重なものだから、井悲願とかのイベントじゃなきゃ食べられなかったろうし、そういう季節との結びつきがより強かったはずなのだ。

ぼた餅は、もち米とうるち米を混ぜて炊き、それを完全に飯粒がつぶれないように半分だけつぶして、食べやすい大きさに丸めてからあんこをつけて作るのだ。
つぶし方は秋田名物のきりたんぽと同じだけど、きりたんぽはうるち米のみなのでわりとぼそっとしていて、ぼた餅の場合はもち米が掃いているのでよりもちもちした食感になるのだ。
ただのおにぎりにあんこをつけてもぼた餅に似た感じにならないのはこのためだよ。

ことわざでは、思わぬ成果を、期待していなかったうれしいことを「棚からぼた餅」なんて言うけど、むかしはそれだけぼた餅がごちそうだったのだ。
もともと甘いものは貴重だったわけだけど、白飯じたいが貴重だったむかしには輪をかけて大ごちそうなのだ!
なので、春と秋のお彼岸にお供えし、そのお下がりをごちそうとして食べていたようなんだけど、それ以上に農村部で重要だったのは、田植えや稲刈りといった、村をあげた共同作業のときのごちそうという位置付けなのだ。
今ではコンビニでも帰るけど、むかしは年に数回しか食べられないような貴重なものだからこそ、思わず「棚からぼた餅」はうれしかったはずなのだ。
今は物流が発展してるし、温室なんかも発達していつでも野菜や果物が食べられるようになったからそういうのが薄れてきているよね・・・。
そういうところは残念なのだ(>_<)

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