2009/02/15

線路は続いていたとしてもどう走る?

ボクは最近副都心線に乗るようになったんだけど、あれってなかなか便利だよね。
池袋と新宿、渋谷が地下鉄でつながっているというのがよいのだ。
乗り換えを組み合わせると、安い電車料金で、かつ、素早く移動できるんだよね。
そして、副都心線の魅力のひとつは急行運転。
これまでも東西線では快速運転があったんだけど、あれって途中の駅に止まらないだけで、前の電車を追い抜かすようなことはしないのだ(>_<)
ところが、副都心線の場合は東新宿とかで「追い越し」をするんだよ。
これが画期的なわけ。

もっとも単純な鉄道は単線で、線路は1本。
上下線とも同じ線路を走ることになるので、待避所や駅で待ち合わせをして、上りと下りの電車がはち合わせをしないようにダイヤを組む必要があるのだ。
ボクが前に四国に行ったときなんかおどろいたんだけど、岡山から特急に乗って四国にはいると、入った先の予讃線なんかは単線だから、各駅停車はおそろしいくらいにとまりまくるのだ。
で、駅という駅で特急の通過待ちをするので、ものすっごく時間がかかるんだよね・・・。
高松-松山間が時間くらいかかるのだ。
けっきょくバスの方が早かったりするくらいだよ。
無理矢理特急を通しているので在来線に被害大なんだよ。

で、上下線で線路を分けて、単線のときに最大のダイヤの制約になっていた「待ち合わせ」をしなくてすむようにしたのが複線。
これだと正面衝突の危険はないから、上下線でそれぞれ独自に運航できるのだ。
当然ターミナル駅では折り返し運転とかするから完全に独立にはできないけど。
ところが、複線でも急行運転を淹れると待ち合わせが必要になるんだよね。
単に停車駅を少なくして到着時間を早めるだけならいいんだけど、前の各駅停車を急行が「追い越し」しようとすると、やっぱり「待ち合わせ」が必要になるのだ。
これが「通過待ち」。
通常は、待ち合わせ駅が決まっていて、各駅停車がその駅に止まっている間に急行電車が横をすり抜けていくんだよね。
同じ駅に各駅停車と急行が止まって乗り換えができるようになっていることもあるのだ。

ダイヤは通常出発地と目的地の間を横に時間軸をとって線で結んでいくんだけど、「追い越し」ができないとそれぞれの列車を表す線は交わることができないのだ。
で、「通過待ち」をして「追い越し」を行うとそこでそれぞれの列車の線が交差して、後から出た急行が先に出た各駅停車を追い抜くことになるわけ。
急行の方が傾きが急なんだよね。
それだけ短い時間で目的地に着くということなのだ。

さらに進化して、この「通過待ち」をせずに「追い越し」をしようとすると、複々線が必要なのだ。
複々線は上下線それぞれに2つずつ線路があるもので、3つずつになると三複線、4つずつになると四複線と名前が変わっていくそうだよ。
複々線の場合、各駅停車の線路と急行の線路が分けられるので、「通過待ち」することなく、独立に運航させて「追い越し」ができるようになるわけ。
その分、線路敷設のための土地も多くいるし、線路の管理も複雑になるんだけどね。
山手線と埼京線の池袋-大崎間はまさにこうなっていて、埼京線が山手線の急行の役割を果たしているんだよね。
走っている山手線を埼京線で追い抜いていくことができるのだ。

でも、複々線にすると完全に輸送力が2倍になるかというと、なかなかそうもうまくはいかないみたい。
各駅停車と急行の乗り換えや、ターミナル駅での運航のためにけっきょくダイヤ上の制約が出てきてしまうので、通常は1.5倍くらいにしかならないんだそうだよ。
そのために、2倍以上のコストがかかるのだから、判断は鈍るよね。
ところが、複々線にすると「待ち合わせ」を考えなくてすむので、より密にダイヤを組むことができるのだ。
都内の私鉄各線はまさにこの状況で、「待ち合わせ」による「追い越し」をする限りはこれ以上ダイヤをつめられない、というところまで来ていて、ラッシュ時の対応のためにさらに運航本数を増やしたい、という意向もあるのだ。
それで都内の私鉄各線はできるところは複々線かを進めているんだよね。
ま、さすがに住宅地の中を抜けているので、土地取得の問題とかでできないところがあって、完全にはいかないんだけど。

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