2009/02/28

人生は食い合いだよ!

今日は職場の後輩の結婚披露パーティに参加してきたのだ。
実は、同期や同じ部署の同僚が相次いで結婚したんだけど、それはなんとボクが米国に留学中のこと!
本来なら式に出てもおかしくない関係だったわけだけど、でられなかったんだよね。
で、今日はひさびさに結婚式の二次会に参加することになったのだ。
めでたい話だから、けっこういいものだよね♪

パーティの中程では、恒例のケーキ入刀。
かつては「二人の最初の共同作業」なんて紹介して、写真を撮りまくったものだよね。
今日は披露宴じゃなくて友人代表が司会をしているのでさすがにそんな紹介はしないけど、やっぱり撮影ポイントではあるのだ。
でも、この頃はナイフを入れるところよりも、むしろその後の「ファースト・バイト」の方の写真を撮るよね。
まず、新郎が新婦に「一生食いっぱぐれることがないように養うよ。」ということでケーキを食べさせてあげて、その後、新婦が新郎に「ずっとおいしい料理を作るわよ。」ということでケーキを食べさせてあげるのだ。
たいていは新郎が食べるのは大きなかたまりにさせるんだよね(笑)
でも、これって男女間の固定的な役割分担に基づいているので、男女共同参画の観点からは怒られてしまうかな?

で、「食いっぱぐれがないようにする」と言えば、赤ちゃんの「お食い初め」。
最近はあんまりやらなくなっているのかもしれないけど、赤ちゃんが生まれて100日目に祝い膳を用意して祝うのだ。
ちょうど100日目くらいに乳歯が生え始めるので、「一生食べるのに困らないように」ということで食べさせるのだ。
実際には口に食べ物を入れてあげる程度だけど、平安時代から続く伝統ある行事だよ。
ま、基本的には今伝わる様式はある程度以上の所得のある家庭でのもので、多くの貧しい層(庶民のほとんど)ではそうもいかなかったんだろうけど・・・。

「お食い初め」では、一般に一汁三菜の祝い膳を用意し、そこには、尾頭付きの魚、赤飯、汁物、焚き物、香の物、紅白餅、歯固め石が用意されるんだ。
これを漆塗りの食器に盛り、膳に添えるのだ。
男の子の場合は内外がともに赤の漆器を、女の子の場合は外が黒で中が赤の食器を使うのが正式だって。
ま、この手の漆器は結婚や元服・成年式(若衆入り)なんかの祝い事全般に使うんだよね。
食事の内容も基本的には一般の祝い事と変わらないよ。

でも、この中で異質なのが歯固め石。
これは歯が丈夫になりますように、という願いを込めて赤ちゃんにかませて、その後神社の境内に奉納したりするのだ。
もともと神社の境内から小石をとってくるのが正式なんだそうだよ。
この固いものをかんで歯を丈夫にしようと願う、というのは、毎年の鏡開きでも行われることなのだ。

鏡餅は歳神様が宿るよりしろとして床の間とかに飾るんだけど、縁起物なので「割る」じゃなくて「開く」と言うんだよね。
で、その方法も、包丁などで「切る」のではなく、木槌でたたいて「くだく」のだ。
これが可能なのは、ずっとおいておくことがおもちの表面がかちかちになるから。
むかしは細かく砕いたおもちをあげてかき餅にしたり、焼いてから汁粉にしたり、おかゆに入れて食べたりしたのだ。
これは歳神様のよりしろだったおもちを食べることで神と一体となろうということでもあるんだよ。
で、ここでやっと話がつながるんだけど、割ったばかりの固い鏡餅を食べて歯の丈夫を願う「歯固め」という行事があるのだ。
これも「お食い初め」のときと同じで、固いものをかむことで歯を丈夫にしようと祈るのだ。

というわけで、欧米由来の「ファースト・バイト」は「食いっぱぐれ」だけを心配しているわけだけど(笑)、日本では古来から「丈夫な歯」も祈願していたのだ。
でも、実は日本では江戸時代にすでにほうき型の「ふさようじ」で歯みがきを行っていたりと、口腔衛生には気をつけていた民俗なのだ。
入れ歯なんかがないむかしは、虫歯になったら抜くしかなくて、はがなくなればものが食べられなくなるから死活問題だったのだ。
まさに、「食べ物がそれなりにある」という状態とともに、「丈夫な歯」というのは重要な要素だったんだろうね。
結婚式でも、何か固いものをかみ合って「歯固め」をすれば、8020運動(80歳で20本の歯を保つ、という運動だよ。)ももっと進むかもね(笑)

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