2009/05/16

コピーにも種類があるの?

今日は区役所に住民票を取りに行ったのだ。
新居の賃貸契約に「住民票謄本」が必要と言われたからなんだけど、住民票は家族ならとれるので、最初はしろママに頼んだんだよね。
でも、もらってきたのはボクに関する事項のみが記載されている、いわゆる「抄本」。
う~ん、これってやyこしいよね、というわけで、ちょっと調べてみたのだ。

住民票を含む証書には、原本、正本、写しとあって、その写しがさらに謄本と抄本に分かれるのだ。
原本はまさにマスターファイルで、保存するもの。
でも、今は住民票を世帯ごとにまとめた住民基本台帳は全国どの市区町村でも電子化されているので、実際に「つづり」がある訳じゃないんだけどね。
でも、まだ紙ベースで管理しているのもあって(登記書類など)、その場合はもの本体があるのだ。

で、公務員が業務の必要から作る原本の写しで、法的に原本と同じ効力を発揮するものが正本。
原本は厳重に保管しておくべきもので、業務の都度に出したり引っ込めたりするのも大変なのでこういう概念が出てくるのだ。
で、この正本と同じ内容が書いてあるけど、公印が押されてないなど、原本と同じ効力が発揮できないものは副本というのだ。
ようは、公務で使う普通のコピー書類だよね。

写しも原本と同じ内容をコピーしてもらうものだけど、こっちは原本に記載されている内容を証明するためにもらうものなので、普通の人がもらうもの。
謄本は全部の写しで、「謄」の字はまさに「写す」という意味だよ。
記載されている全部の事項について、これこれこのとおりの内容で記載されています、と証明するものなのだ。ちょlっと
これに対して、「抄本」は一部の写しで、「抄」は「一部を抜き出す」という意味だよ。
引用するときに「○○(抄)」と書くのと同じなのだ。
こっちは、この特定の事項については、このとおりの内容です、と証明することになるよ。

住民票の場合は、世帯ごとの管理で、世帯全員の情報が記載されているのが謄本、特定の個人(主に本人)の情報のみが記載されているのが抄本なのだ。
最近は電子化されたこともあって「もの」がないので、あまり「謄本」とか「抄本」とか言わず、「世帯全員のものの写し」、「個人のものの写し」と言うのだ。
同じく電子化されている戸籍も、むかしのようにコピーするのではなく、記載されている内容を証明する書類を出すので、「謄本」は「全部事項証明」、「抄本」は「一部事項証明」と言うのだ。

住民票には、出生・死亡又は転出・転入による市区町村への移動が記録されているんだよね。
戸籍は国籍に関係していて、まさに出生と死亡だけを見ているのだけど、住民票はあくまでも居住地との関係を示すものなのだ(海外で出生した場合も戸籍は関係してくるよ。住民票の場合は転入しかないのだ。)。
ちなみに、住民票とつき合わせた戸籍の附票というのを見ると、生まれてからどういうところで生活してきたかの履歴がわかるのだ。

でも、必ずしも住民票のあるところに現住所があるわけじゃないので、これがややこしいんだよね。
例えば、国会議員なんかはいわゆる地元に住民票があるわけだけど、ほとんど東京で過ごしていたりするのだ。
住民票は人口調査や選挙人名簿の作成のもとになるので、まもなく始まる裁判員制度も住民票を基本にすることになるんだ(選挙人名簿からランダム抽出するんだよね。)。
住民税も住民票のある地方自治体に納めるよね。
ふるさと納税するために住民票を地元に残すということもあるのだ。
でも、現住所が住民票とずれていると手続きとかをその住民票のある市区町村でやることになるので、かなり面倒なんだよね。
免許の書き換えや住民票の写しをもらったりするのが大変になるのだ!

ちょっと前にダイレクトメールの送り先の世帯構成を調べる不正取得が横行したので、最近では住民票は本人か親族でないと原則取れなくて、それによらない場合は、別途委任状が必要なのだ。
むかしは氏名と住所がわかれば取れたんだよね。
でも、住民票があると原付の免許なら筆記試験のみで取れて、免許証があると今度はパスポートが取れるので、そういう「なりすまし」にも使われるおそれがあったのだ。
なので、ここ最近かなりきびしくしているというわけ。
ただのコピーとは言え、個人情報のかたまりのようなものなので、むやみにわたすことはできないのだ。

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