2009/06/06

紙の文化の人だから

結婚の準備を進めるようになってよく見かけるのが「水引」。
普通にくるっと巻いてあるだけじゃなくて、鶴や亀の形に細工したものなんかもあるんだよね。
なかなか種類が多いし、色鮮やかなのだ。
欧米にはカードを送る文化があって、それこそグリーティングカードには様々な種類があるけど、こういう細工は見ないのだ。
やっぱり日本独特のものなのかな?
というわけで、ちょっと調べてみたんだよね。

水引はのし袋や贈答用のお祝い品につける紙の飾りひもで、紙をよじって作ったこよりにのりを引いて固めたものなのだ。
使い道によって、紅白、金銀、黒白など色もいろいろあるよ。
きれいに丸く結ぶだけじゃなくて、花型や縁起のよい鶴亀などの大きな飾りにすることもあるんだよね。
びっくりしたんだけど、100円ショップとかでも細工した水引のついた御祝儀袋がうられていたりするんだよね。
それほど日本では浸透している文化だってことだよね。

もともとは宮廷に捧げる贈答品には紅白の麻ひもをつける習慣があったらしいんだけど、室町時代後期になると、こよりを固めた紙ひもで代用するようになってきたらしいのだ。
むかしの人はちょんまげをゆっていたわけだけど、それをとめていたのがまさに細い紙をよって作るこよりで、室町時代も後期になると日本中でまげを結い始めたので、こよりも市井に浸透していたのだ。
ま、その辺によくあるものだった、ということだよね。

もともとは紅白に染め分けるくらいだったらしいけど、明治になると金銀など他の色も出てきたようなのだ。
みんながまげを切って洋髪にしてこよりをあまり使わなくなったので、水引に使うのが中心になってくるのだ。
そうすると、その辺にあるものに色をつけて使う、という感じじゃなくて、それ専用に作り始めるんだよね。
大正時代になると立体的に結ぶ結び方ができはじめ、水引もよくなってきた昭和になると鶴や亀などの細工結びも出てきたんだって。それが今に続いているのだ。

この水引の結び方にも種類があるんだよね。
結婚・婚約や快気祝い・病気見舞い、仏事・法要なんかに使うのが「結びきり」というもの。
二度と繰り返さないように、というわけで、ほどいて結び直せないように固結びに結んでしまう形なのだ。
よく見かけるのは8の字型の輪にエビのひげのようにぴんと縦に両端が立っているのが「あわじ結び」というやつだよ。
出産祝いや入学祝いなんかに使われるときはこれが蝶結びになるのだ。
こっちは何度繰り返してもよいし、むしろ続く方がよいことなので、わざと結び直せるように結ぶんだそうだよ。
奥が深いねぇ。

こうやって見てくると、水引を見る目も変わってくるよね。
今度から注意深く水引の形と使われ方をチェックしたいものなのだ。
趣味で作っている人もいるというけど、それもけっこう楽しいかもね。
ま、ボクは不器用だから向いていないけど(笑)

0 件のコメント: