2009/08/01

かたい?やわらかい?

最近はミネラルウォーターを飲んでいる人が多いよね。
それこそボクが子どものころは水をお金を出して買う人なんてごくごく限られていたけど、今では自動販売機でも売っているし、下手なジュースやお茶よりもさっぱり飲めると人気。
エヴィアンやコントレックス、六甲のおいしい水、南アルプス天然水などの有名ブランドから、各スーパーのプライベートブランドまでそれこそ種々雑多にあるのだ。
で、そんな水を見ていて気になったのが水の「硬度」。
よく話題になるけど実はそんなによくわからないので、この際調べてみたのだ。

水の硬度というのは、水の中に含まれる鉱質成分、すなわちミネラルで、主にカルシウムとマグネシウムの量だそうなのだ。
日本では、米国式の炭酸カルシウム塩に換算して数値化したものだそうだよ。
戦前はドイツ式で酸化カルシウム量に換算していたんだって。
でも、炭酸カルシウム(CaCO3)は質量数が100でわかりやすいので、米国式の硬度計算だとイオン濃度への変換も楽というメリットがあるみたい。

水中には、カルシウムイオンとマグネシウムイオンがあるんだけど、これが炭酸塩、硫酸塩、塩化物として溶け込んでいるのだ。
このうち、炭酸塩、すなわち、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムは煮沸すると沈殿して不溶性になるので、これを一時硬度というみたい。
一方、その他のものは煮沸しても溶けたままなので永久硬度というらしいのだ。
この二つを足すと総硬度で、これが0~60だと軟水、60~120だと中硬水(中程度の軟水)、120~180だと硬水、180以上が非常な硬水と定義されているそうだよ。
日本の場合は関東の一部と沖縄をのぞいてほぼ軟水で、逆に欧州ではほとんどが硬水なのだ。
東京都水道局では、おいしい水の条件の水質基準として水の硬度を10~100になるように調節しているそうなのだ。

硬水は一般には洗濯、飲み水、工業用水には適さないとされていて、それで比較的硬度の低い地下水をミネラルウォーターとして飲料水にする文化が生まれたようなのだ。
ただしヴィッテルやエヴィアンは硬度が300くらいあるので「非常な硬水」にあたるんだけど。
硬水の場合、水中に含まれるマグネシウムイオンが吸収されづらいので、そのイオンが水和して水分子をひきつけて、腸での水分吸収をさまたげるのだ。
これが硬水を飲み過ぎるとおなかを下す理由だよ。
日本人が飲み慣れないエヴィアンを飲み過ぎるのはよくないのだ!

さらに、カルシウムやマグネシウムがあると、せっけんの泡立ちが悪くなるのだ。
せっけんは脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩なんだけど、これが水中のマグネシウムイオンと一緒になると不溶性の塩を形成してしまうのだ。
それで泡立ちが悪くなるとともにせっけんカスができたり、せっけんじみができるわけ。
さらに、カルシウムイオンは色落ちした色素と反応して不溶性の色素を形成するので、洗濯による色ムラの原因にもなるんだって。
このため、欧州では一度煮沸して炭酸塩を除去してから生活用水に使う必要があるのだ。

さらに、硬水にはカルシウム塩やマグネシウム塩が多量に含まれるので、お皿や車を洗った後にそのまま乾かしておくと白い斑点ができるのだ。
これは水分が蒸発した後に析出してしまった塩だよ。
ただし、悪いことばかりでもなくて、アクの成分とすぐに不溶性の塩を形成するので、アク抜きをするときは硬水の方がよいのだ。
コンソメスープなんかをきれいにおいしく作るにはむしろ硬水の方があくが抜けてよいみたい。

これに対して軟水は飲み口が柔らかで飲料水、炊飯、工業用水なんかに適しているといわれるのだ。
余計なものが少ないから使いやすいってことかな?
お茶やコーヒーにもむいていて、硬水だとタンニンなんかの成分が不溶物として析出してしまうのでおいしくなくなるのだ。
いわゆる茶渋がまさにそれだよ。
カルシウムの不溶性塩であることが多いので、重曹(炭酸水素ナトリウム:NaHCO3)で洗うとよく落ちるのだ。
鍾乳洞にできる鍾乳石や石筍も地下水中の炭酸カルシウムが長い間に析出して積み重なったものだよね。
ちなみに、苦いのが苦手な人は硬水で入れると苦くなく入れられるよ(笑)
日本産のミネラルウォーターだと軟水だからよいのだけど、海外のものだと大概硬水なのでおいしくないのだ。
そういうときは、硬度的にはちょうどよい水道水を煮沸するなどしてカルキを抜いてから使うとよいそうだよ。
適度に硬度もあっておいしく入れられるらしいのだ。

0 件のコメント: