2009/08/08

夏の風物詩-蝉時雨

いやぁ、街でもセミが鳴いているねぇ。
セミの鳴き声を聞くと夏を感じるのだ。
でも、これって欧米にはない文化で、ただ音がしているとか、虫が鳴いているとしか思わないらしいよ。
もったいないことなのだ(>_<)
で、気になったのが、セミの鳴く原理。
つい昨日職場の窓のすぐ外の壁にセミがとまって鳴いていたんだけど、あんまり動きがあるわけでもないのに大音量で鳴いていたのだ!
これは気になるよね。

セミで鳴くのはオスだけで、このためにおそらくメスを呼ぶために鳴いているんだろう、とむかしから考えられているのだ。
これはいわゆる「ハンディキャップ理論」というやつで、大音量で鳴くことでメスだけじゃなく鳥などの天敵も呼んでしまうわけだけど、それでも生き残れるほど優秀なんだよ、と示すことでメスにアピールしているんじゃないか、ということなのだ。
なので、基本的には鳴き声が大きいセミの方がもてるのだ。
これは秋に鳴くキリギリスやスズムシ、マツムシ、コオロギなどと一緒なのだ。

鳴く時間帯もセミの種類で棲み分けられていて、早朝に鳴くのはニイニイゼミ、午前中は特に声が大きいクマゼミ(これまでは南の方にしか生息していなかったけど、最近はヒートアイランド現象とかで都会にもいるよ。)、午後はおなじみのアブラゼミやツクツクボウシが鳴くのだ。
なので、アブラゼミやツクツクボウシの鳴き声のイメージが強いよね。
で、朝夕の薄暗い時間に鳴くのがその名もヒグラシで、夕方ヒグラシがカナカナカナと鳴くとちょっと悲しい気分になるのだ。
さすがに真っ昼間の暑い時間には鳴いていないらしいけど、常にセミの声がしているような気がするよね(笑)
ちなみに、太陽が完全に沈んでから夜に鳴くセミは今のところいないようなのだ。
ただし、街灯があったりして明るいとその近くで鳴いていることはあるみたい・・・。

で、肝心の鳴く仕組みだけど、これは、オスのおなかに発音筋と発音膜というのがあって、発音筋で発音膜をふるわせて鳴いているらしいのだ。
さらに、オスのおなかには共鳴室と呼ばれる空洞があって、そこで音を増幅しているのだ。
腹部を伸び縮みさせることで共鳴室の大きさを変えたり、発音膜の外側にある腹弁というフタ状のものですき間の形を変えることで増幅される共鳴周波数を変え、音の高低を変えているんだって。
トロンボーンや笛と同じ原理だよね。
メスの場合はこの発音機構のあるところに卵巣があって、たっぷりと卵がつまっているらしいのだ。

セミは大声で鳴いているのでだいたいの居場所はすぐにわかるんだけど、さすがに保護色で茶色くなっているから実際には見つけづらいんだよね。
で、やっとの思いで見つけて捕まえようとすると「おしっこ」を引っかけられて逃げるのだ。
でも、あれはただ単に飛ぶ前に体を軽量化するために余計な水分を排出しているだけでほとんどが水で、その他は消化中の樹液なので、いわゆる「おしっこ」とは違うものなのだ。
とは言え、ものすごく「してやられたり」感はあるけどね。

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