2010/04/02

春眠暁を覚えず?

いよいよ本格的に春がやってきたのだ♪
それにしても、春になると心地よい陽気で眠くなるねぇ(=o=)zzZ
ぼーっとしているとついついうとうとしてしまうのだ!
でも、動物の世界ではむしろ逆。
冬眠していた動物たちが目覚めて活動し出すんだよね。
実は、この冬眠もただ眠っているだけ、ではないのだ。

冬眠する代表的な動物と言えば両生類やは虫類のような変温動物。
気温が一定温度以下になると、越冬すべく土の中や池の中で「冬眠」するのだ。
でも、これは「眠っている」というよりはむしろ「仮死状態」になっているだけで、ギリギリ生きているという状態まで代謝が低下している状態。
体温は外気温に並行してぐんぐんと下がって、冷たくなっていくのだ。
それであたたかくなると体も温まり、代謝が再び活性化されて目覚めるというわけ。
もともと変温動物は体温を一定に保たない代わりにエネルギー消費が抑えられていて、エサを頻繁に食べる必要がないんだけど、その絶食期間が長くなっただけ、とも考えられるのだ。

体温が下がっていくと言っても、体の中の水分が凍結して氷になってしまうと細胞が破壊されていくのでさすがに生きていけないのだ。
液体窒素なんかで一気に冷凍するとそれが避けられることもあるけど、自然界で徐々に周囲の気温が下がっていくような場合ではそうはいかないんだよね。
でも、氷の張った池の中でカエルが冬眠していることがあるよね。
これは、凝固点降下のおかげで、電解質(ナトリウムやカリウムなどのイオン)や糖分に富む細胞中の水分は0度より低い温度にならないと凍結しないから。
氷の張った水の下でワカサギが泳いでいられるのもそのおかげだよ。

さらに、両生類・は虫類の場合は、冬眠前にエサを食いだめしないのだ。
もともと変温動物の場合は、太陽熱や地熱なんかを利用して体を温めて生体機能を維持していて、食物の消化も例外ではないのだ。
イグアナは低温になると死んでしまうことが知られているけど、これは代謝が低下してエサが消化できなくなるため。
まさに冬眠前の変温動物もそうで、寝ながら消化して食物をエネルギーに変換することができないので、しっかり食べて消化してから冬眠する必要があるのだ。
ペットのは虫類を冬眠させるとき、エサを大量に与えてから冬眠させようとすると死んでしまうこともあるそうなので注意が必要だよ。

冬眠するのは変温動物だけでなく、ほ乳類であるネズミやリスの仲間なんかも冬眠するよね。
でも、そのメカニズムは当然のことながら変温動物とは違っていて、こっちは意図的に代謝を低下させてエネルギー消費を押さえることで冬を乗り切ろうというものなのだ。
体が小さいと体重に比して体表面積が大きくなるので、体温を維持しようとするとそれだけ多くのエネルギーを消費する必要があるんだ。
ネズミが常にエサを食べているのはそういう理由があるのだ。
でも、冬の間は体温を維持できるほど大量のエサが確保できず、さらに、いつも以上に熱生産が必要になるので、いっそのことエネルギー消費をできるだけ抑えて眠っているというわけ。
こっちはまさに「冬眠」なんだよね。

変温動物とは違って、一定程度の体温は保っていて、常に気温より高い温度になっているみたい。
それで必要最小限のエネルギー変換をするんだって。
ほ乳類の場合は、冬眠前に食いだめをして、体にしっかり脂肪を蓄え、それをちょっとずつ燃焼させて生きながらえるんだよ。
普通に生活しているときに比べて代謝のレベルは数十分の一にまで低下するというんだからおどろきだよ!

冬眠をするほ乳類としてはクマのような大型のものもいるけど、実は、その冬眠は小型ほ乳類の冬眠とはまた違ったものなのだ。
クマなどがするのは「冬ごもり」と呼ばれるもので、普通に眠っている状態が長く続くもの。
おなかがすいたりすると途中で起きてエサを食べたりもしていて、飲まず食わずで春を待つわけではないのだ。
リスなんかでも時折目覚めてエサを食べることがあるそうだけど、クマの場合は体温の低下も数度程度で、外気温より少し高い程度まで下がる小型ほ乳類とはやはり違うのだ。
ちょっとした刺激でもすぐに目が覚めるらしいよ。

SFでよく出てくるコールドスリープなんていうものは、人間の体を冷やすことで極限まで代謝を抑え、より長期間生きながらえさせようとするもので、よく不治の病にかかった人が未来に治療を受けられるように、というので出てくるよね。
これはまさに冬眠に発想のヒントを得たものだけど、ずっと安定して冷やし続けることは大変だし(途中に停電があったら大変なのだ!)、どこまで冷やしていいものか実験しないといけないなどの問題もあるんだよね。
いっそのこと冷凍する手もあるけど、細胞の中の水分が凍結してしまってはいけないので、それも簡単ではないのだ。
現在では、精子や卵子、受精卵などの生殖細胞を冷凍保存する技術はほぼ確立されているようだけど、それも100%復活させられるわけではないので、体丸ごとを冷凍して復活させるというのは相当難しいのだ!

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