2013/02/09

派手に爆竹を鳴らせ!

すでに立春を過ぎたけど、まもなく旧正月が訪れるのだ。
今年は明日、2月10日だよ。
旧正月は旧暦上の正月朔日なので、現在使われている太陽暦から見ると毎年日付が変わってしまうのだ・・・。
その代わり、月の朔望(月齢)で言えば必ず新月なんだけどね。
そういう意味では、徐々に暖かくなり始めるころの最初の新月が新年の始まりというわけで、直感的ではあるよね。

旧正月は一般に二十四節気の雨水の直前の朔日(新月の日)と決められているそうで、二十四節気はだいたい15日周期で変わるので(360÷24=15)、だいたい立春前後になるんだよね。
中国で旧正月を「春節」というのも、年賀状に「新春」とか書くのも、もともとは立春のころの行事だからなのだ。
西洋世界だと、もっと太陽指向なので、冬至の日=1年でもっとも昼間の時間が短い日が1年の終わりで、そこからまた太陽の力が再生すると考えていたようなのだ。
クリスマスもキリスト教以前は太陽信仰に基づく冬至の日の太陽の復活祭りだった言うから、クリスマスから新年までを一貫して祝うのもある意味正しい姿勢なんだね。
後に春に復活を果たすイエス・キリストの誕生日がクリスマスに定められたのもおそらく意味があることなのだ。

話はもどって旧正月だけど、これは東アジアを中心とした中華文化圏のものなのだ。
日本、韓国、モンゴル、ヴェトナムは当然として、マレーシアやシンガポールなどの華人の多い場所でも祝われるみたい。
中国では大型連休になっていて、旧大晦日から旧暦正月7日までは休みなんだって。
かつてはこの時期に中国人観光客が増えたっけ・・・。
今年はどうだろう?
ちなみに、イギリスやポルトガルの統治下になった香港やマカオでは短縮されていて、旧正月元日~3日なんだって。

この旧正月、月の満ち欠けで決められるため、時差によって日付がずれることがあるそうなのだ。
日本と中国では1時間だけど、ヴェトナムではさらに1時間ずれるので、たまに日付が変わるみたい。
日本の旧暦のもとになっている天保暦と中国ほか韓国やヴェトナムで使われる時憲暦ではまず大きなずれは発生しないようだけど、モンゴルではチベット経由インド伝来の太陽太陰暦を使っているそうで、1日又は1朔望月ずれるそうなのだ。
2004年はほぼ1ヶ月ずれていたみたい。
これは知らなかったよ!

そして、日本の天保暦も問題がないわけではないのだ。
なんでも、2033年問題というのがあるらしい。
2033年になると、天保暦のルールだけではどこに閏月を置くかが決定できないので、月名が決められず、暦が作れなくなるとか。
天保暦では、冬至を含む暦月(朔日から次の朔日の前日までで、平均すると約29.5日間。)を11月、春分を含む暦月を2月、夏至を含む暦月を5月、秋分を含む暦月を8月とするとともに、閏月を中気(二十四節気のうち、雨水、春分、穀雨、小満、夏至、大暑、処暑、秋分、霜降、小雪、冬至及び大寒。残りは節気で、節気と中気が交互に来るように配置されているのだ。)を含まない暦月に置くこととしているのだ。
ただし、中気を含まない暦月のすべてが閏月ではない、ともしているよ。

このルールでだいたい閏月の置き方は決められるみたいなんだけど、欠陥が発生するのだ。
暦月の決定に影響する冬至や春分などの4つの中気の間隔が2~3暦月あるんだけど(3暦月の場合は閏月を入れるのだ。)、たまにここにうまく中気が分散してくれないと月名が決められないのだ(>o<)
特に、太陽の近日点を通過する秋から春にかけては二十四節気の間隔が短くなるので、ひとつの暦月に2つの中気が入ってしまうことがあるんだって。
もともとの間隔が2暦月なら問題ないけど、3暦月だと、中気のない暦月が2つになってしまって、どっちを閏月にするのかが決まらないのだ。
さらに、4つの中気の間隔が1暦月しかないと、その年にはある月が存在しなくなってしまうのだ!
この問題が最初に発生するのが2033年なんだって。
ちなみに、2033年では、11月の最初に小雪が来て、終わりに冬至が来るんだけど、大寒と雨水も同じ暦月に入ってしまうため、その前後の暦月は中気を含まないことになるのだ。
さらに、秋分と冬至の間は1暦月しかないので、「ない月」が発生してしまうよ。

天保暦はもともと中国の時憲暦をもとに作られているらしいけど、中国では早々にこの問題が発生したので、修正済みのようなのだ。
解決法としては、春分、夏至、秋分、冬至のうちどれかを優先させて月を決め、閏月は中気を含まない最初の月に振る、なんてのがあるみたい(中国の時憲暦はそうなっているみたい。)。
むかしから冬至を優先される暦法があったようなんだよね。
他にも、2つの中気を含む暦月が発生した場合にうまくずらしてやれるようにすれば解決するのだ。

ところが、日本では二十四節気を国立天文台が太陽観測で決めている(黄道上の位置で定めているのだ。)だけで、公的にはグレゴリオ暦のみを採用しているのだ。
天保暦は民間で使われているのみだから、国としては何もしないんだよね・・・。
で、民間で解決が図られないといけないわけだけど、古来より暦は皇帝や国が定めるものなので、今は動きがない状態。
あと20年先だけど、どうなるんだろう?
そのころまでにはカレンダーから旧暦の日付がなくなったりして。
でもそうなると、旧盆などの旧暦をベースとした伝統行事が廃れてしまうから、なんとか解決してほしいものなのだ。

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