2013/02/23

メテオストライク?

ロシアの隕石衝突はすごいインパクトがあった事件なのだ!
隕石が落ちてくること自体はあるし、クレーターの大きさから相当な規模の隕石衝突が歴史上存在していたことは知られていたけど、まさか人的被害が発生するようなものが起こるとは・・・。
確かに確率的にはゼロではないけど、地球表面の7割は海で、残りの3割の陸地のうち、人が住んでいる地域も限られるのだ。
さらに、小さいものなら大気圏を通過する間に燃え尽きてしまうか、非常に小さな残渣しか残らないので、大きな被害につながることはあまりないんだよね。
そんな中、本当に街中に落ちたというのは大きな衝撃だったんだよね。
かなりのレアケースなんだろうけど。

隕石は、地球近傍の固体物質が地上に落下してきたもので、大気圏を通過する際の摩擦熱で燃え尽きずに地上に到達したもののこと。
多くの場合萌ながら落ちてくるので真っ黒な状態らしいのだ。
これは、溶融皮膜と言って、隕石の表面が融けて焼け焦げた状態でこびりついているのだ。
とろけるチーズみたいな感じ?
多くは太陽系の形成初期に惑星ができるとき、惑星としてまとまらないでそのまま宇宙空間に浮遊していたものと考えられているみたい。
そのまま太陽のまわりを公転しているんだろうけど、地球の公転軌道と近づいたときに重力に惹かれてしまうのかな?

隕石落下はむかしから目撃情報があって、旧約聖書のひとつのヨシュア記には「天から石が降ってきた」はなしがあるし、日本でも続日本紀の天平宝宇8年(764年)に「星が落ちてきた」という記述があるようなのだ。
実際に隕石が落下すると、すごい勢いで上空を横切っていく火球が観測されるとともに、衝撃波(ソニックブーム)による大轟音がするので、強烈に印象に残るみたい。
それで隕石落下と考えられるような伝承が各地で見られるようなのだ。
その中には、今回のように人的被害があったものもあったかもしれないね・・・。

今回の隕石はまだ分析中のところがあるけど、隕石が落下したと考えられる地点である湖周辺をロシア科学アカデミーが調査し、隕石の破片と考えられる黒い物体を回収しているのだ(湖表面に張った氷に穴が開いていて、その下やまわりから見つけたみたい。)。
化学分析をしたところ、鉄の含有率が8%以上で、地球上で見つかる物質とは異なる構成をしており、表面に焼け焦げた後があるので、隕石の破片と鑑定されたみたい。
ちなみに、湖の名前にちなんで、「チェバルクリ隕石」と命名されるようだよ。

隕石はその構成から3種類に分類されていて、それは金属鉄とケイ酸塩鉱物(いわゆる岩質)との比率で決まるんだ。
今回のものは鉄の含有率がもっとも低い普通コンドライトで石質隕石と呼ばれるもの。
もう少し鉄の含有率が高まると石鉄隕石、金属がメインになると隕鉄と呼ばれるのだ。
確か、ルパン三世に出てくる斬鉄剣は隕鉄から作ったものだけど、実際には日本刀にするには向いていないみたい(笑)
米国のスミソニアン博物館(自然史博物館)に行くと見られるし、触れるんだけど、世の中には月由来・火星由来の隕石というのもあるのだ。
これは、月や火星に他の天体が衝突したときに放出された破片が地球に降ってきたものだよ。
探査機で取りに行く前から、月や火星の石は地上で見つかっていたのだ!

今回の隕石落下に関しては、地球に最接近していた地球近傍小惑星2012DA12との関係を疑っている人もいるのだ。
この小惑星は日本でも観測されていて、気象衛星「ひまわり」の高度より低い27,700kmのところまで近づいているんだよね。
その破片が落ちてきたんじゃないか、とか言うんだけど、米国航空宇宙局(NASA)が軌道分析をしたところ、まったく関係ないことが判明しているのだ。
仮に小惑星の一部が何らかの衝撃で分離して地球に落ちてくる場合、小惑星と隕石の軌道はあるところからちょっとずつ離れていく似たような軌道になっていなくてはいけないのだ。
ところが、今回の場合、まったく異なる楕円軌道であることがわかったので(NASAの図で2つの青い軌道だよ。)、たまたま小惑星の最接近と隕石落下がほぼ同じ時期に起きた、ということになるんだ。
人間は直感的に2つの現象を因果関係で結びつけて考えがちだけど、多くの場合は偶然なんだよね。

まだ調査中なので、隕石の元の大きさや上空のどのあたりで分裂したかなどは確かなことはわからないけど、地上で見つかっているクレーターなどから推定するに、そんなに大きな規模のものではないんだよね。
それでも、上空で分裂したときのエネルギーは広島型原爆の数十倍とかいうものとか・・・。
世界最大規模のものは、クレーターの直径が100kmを超えているのだ。
例えば、3番目に大きいメキシコのユカタン半島にあるチクシュルーブ・クレーターだと直径約160km。
これは約6550万年前に小惑星が衝突した跡と考えられていて、恐竜の絶滅原因を説明する「グレート・インパクト」の証拠になっているよ。
巨大隕石の落下により成層圏まで粉じんが巻き上がり、それが太陽光を遮蔽して一気に地表面の温度が低下、環境が激変して多くの古代生物が絶滅した、というものなのだ。

大きさによってはそれだけのインパクトのあるものなんだよね。
映画のアルマゲドンやディープインパクトの世界なのだ。
なんか、今回の隕石落下被害で、そういうのも完全な絵空事ではなくて、極めて低確率でも発生する可能性がある、ということを実感したよ。
ただし、そこまで大きなものは落ちてくる前に捕捉できるので、アルマゲドンのようにはいかないけど、回避する方法はあるかもしれないのだ。
技術の進歩を待とう!

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