2013/03/02

今世紀最大級!

今世紀最大規模の寒波が来ているのだ(ToT)
寒いはずだよね。
東京でも最低気温が氷点下になるほどだし、東北以北では雪もすごいみたい。
と言っても、まだ21世紀は13年目だから10年に1度の寒波なのかもしれないけど・・・。

ボクは寒波というくらいなので、冷たい空気の塊(気団)が波のように押し寄せてくるものとばかり思っていたけど、これは言い得て妙な表現だったのだ。
もともと北極上空には非常に冷たい北極気団と呼ばれる気団ができるんだって。
これは極循環という現象によって発生するもので、極域では太陽の高度が低くて受けられるエネルギーが少ないので、それだけ冷えていて、大規模な下降気流が常に発生しているんだって。
もう少し緯度の低いところ、中緯度地域であたためられて上昇した空気が熱を奪われ、極域付近に下りてくるのだ。
これが極循環という現象で、極域の極点近傍では極高圧帯という冷たい高気圧団ができて、それより緯度の低い中緯度地域との境あたりには高緯度低圧帯という少しだけあたたかい低気圧団ができるんだ。

同じような循環は中緯度地域にもあって、低緯度地域であたためられた空気が高緯度地域と中緯度地域の境くらいで冷やされて下降するのだ。
これがフェレル循環で、同じように、赤道付近であたためられた空気が中緯度地域との境あたりで下降するのがハドレー循環。
こうして地球には緯度によって3つの空気の循環に分かれているんだ。
それぞれの循環の境目には非常に強い空気の流れがあって、ジェット気流と呼ばれているよ。
飛行機に乗るときによく耳にするよね。
ちなみに、それぞれの空気循環の中では決まった風の流れがあって、高緯度では極東風、中緯度地域では偏西風、低緯度地域では貿易風と言うのだ(偏西風は西向きだけど、他は東向きの風だよ。)。
こっちは船での航海のときに大事だよね。

この大規模な3つの空気循環は各地域の気象・気候に大きな影響を及ぼしているんだけど、固定的なものではなくて、勢力に変動があるようなのだ。
極高圧帯の勢力が強くなって広がって来ると、冷たい空気はより緯度の低い地域にもやってくることになるよ。
これが俗に言う「寒波の南下」で、実際には南に移動してくるわけではなくて、南に「せり出して」来るのだ。
極高圧帯と中緯度高圧帯の気圧差が大きい場合、ジェット気流が強まるので勢力の均衡が保たれるようなんだけど、気圧差が小さくなると冷たい空気がしみ出してくるようなのだ・・・。
この気圧差の変動(北極振動)は数週間から数十年の複数の周期でパターンがあると言われているので、寒波もある程度周期的にやってくるということなんだ。
勢力が拡大して押し寄せては、また勢力が減退して引いていく、という意味で、「波」というのはよい表現というわけ。

寒気が北から下りてくるので、緯度が高ければ高いほど寒波に見舞われる機会が多く、期間も長くなるのだ。
この寒気が南下してくるときは、南側のあたたかい空気との間に寒帯前線ができ、そこでは大きな低気圧が発生しやすくなるんだって。
これが寒波による強風や大雪の直接の原因で、低気圧が大きくなるとより寒気を巻き込むように引き込むので、強くて冷たい風が吹き、まずます寒くなるのだ(T_T)
これがちょうど日本に起こった現象だね。

もともと寒い地域は寒いのになれているので、いつもより寒いなぁ、というくらいなんだけど(雪の量が増えたりするので実際にはけっこう大変だけど)、普段あまり寒くない地域は一大事なのだ!
雪がもともとあまり降らない地域で雪が降ると交通も麻痺するし、路面凍結で車の事故やけがをする人が出るんだよね。
さらに、氷点下の気温になると、水道やガス管が凍結して破裂するなんて事故も・・・。
そういうことを想定していないので対策も十分ではないこともあって、非常に危ないのだ(>o<)
まさに東京でも氷点下の気温になっているしね。
これで雪も降っていたら、路面凍結も加わってかなりの大事だよ!

というわけで、寒波がどうやって来るかはわかったんだけど、けっきょくは防ぎようはないんだよね。
ただし、来そうなのかどうかは事前にある程度予測できるので、大寒波が想定されたらしっかり対策することが必要なのだ。
今回の寒波がいったんは引いてくれたみたいだけど、今後も油断ができないよ。
備えあれば憂いなし。

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