2014/10/18

Do-No

2週連続で週末に台風が到来して、テレビのニュースでは例のごとく暴風波浪警報が出ているような地域で中継をしていたのだ。
今回は雨の量も多かったので、川などが氾濫して床上・床下浸水になった地域も多いみたいだね。
で、ここで改めて注目したのが土のう。
水が浸入してこないように積み上げて「防波堤」にするわけだけど、袋に土が詰まっているだけなのになんで水を通さないのかな?、って単純に疑問に思ったんだ。

実のところ、なんのことはなくて、土塀が水を通さないのと同じ。
袋の中に入れることで土が散乱せず、形状が保持されるので、隙間がない以上はそうそう水を通さないのだ。
パイプに土が詰まれば水が通らなくなるのと同じで、時間をかけてじわじわと水はにじみ出してくるけど、浸水を止めるという目的に対して問題になるほどしみ出すわけじゃないんだよね(笑)
問題は、隙間なく並べることで、そのための工夫がいるのだ。

ひとつは、袋はぱんぱんに土を詰め込まずに余裕を持たせること。
土は水を吸えばある程度膨潤するし、何より、袋に入った状態で自由に形状が変えられないと隙間ができるのだ。
あらかじめ袋の中の土もよく乾燥させてから踏んだりして柔らかくし、簡単に形状が変えられるようにしておくことも重要なのだ。
二つ目は、当然と言えば当然だけど、袋はしっかりひもなどで閉めておくこと。
中の土がもれるようであれば用をなさないのだ。
通常は袋の口のところにあるひもをきつく縛り、さらに、余ったひもを袋の口のところでぐるぐると巻くんだよね。
こうすると、袋が破れない範囲で自由に形状を変えられて、自重も手伝って隙間なく土のうが積み上がるのだ。

ただ土をもっただけではすぐに崩れてしまうので、しっかりと踏んだりたたいたりして固める必要があるけど、そうして作っていたのがむかしの堤。
簡易的に、かつ、短時間で同様の機能を持たせるために土のうを積み上げるのだ。
土を固める代わりに袋で形状を維持しているんだよね。
ただし、袋の中の土がぬれている限りにおいてはしっかりと隙間なく積み上がるけど、中身が乾いてきてある程度軽くなってくると、そこまでぎっちりとは密に積み上がらないのだ。
なので、緊急避難的には使えるけど、恒常的に堤にするわけにはいかないんだよね。

伝統的には麻袋に土をつめるんだけど、最近ではポリエチレン製の袋が主流なんだって。
その方が丈夫だし、長持ちするからね。
さらに、中身も土でなくて、高吸水性ポリマーのようなものがつまっていることも!
そうすると、水を吸う前は非常に軽いので、扱いやすくなるのだ。
積み上げてから水を吸わせると中身が膨潤していって、密に積み上がるという仕組み。
使用後に乾燥させれば再使用もできるそうで、軍隊のように袋だけ持ち歩いてその場その場で土を詰めて使う,というものでない限り、非常に便利なのだ。

さらに、最近では、生分解性のおがくずやら植物性繊維をつめたものもあって、もともと水よりも比重が重いので乾いた状態でも水に沈み、それが水を吸うと土のうの役割を果たすというのもあるんだって。
水が引いた後もそのまま放っておいても土に戻るし、中には植物の種が入れてあって、そのまま芝生の育成にも使えるものもあるとか。
こういうのは植生土のうと言われていて、緑化のための土木資材として使われているらしいよ。
水路に沿って置いて水の氾濫を防ぐとともに、水路際の植栽を行ったり、路肩に置いて路面への水の進入を防ぐとともに植栽を行ったりできるのだ。

今回、災害情報を調べていて知ったんだけど、もともと海抜高度が低くて、浸水が頻繁に起こるような地域だと、あらかじめ土のうを集めて置いてある「土のうステーション」があって、そこの土のうを持ってきて使うことができるんだって!
災害情報を見るたび、よくすぐに土のうなんて積めるものだ、と思っていたんだけど、そういう便利な公共サービスもあったんだね。
各家庭に常備していたわけではないのだ(笑)

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