2014/12/20

票を読め、動向を読め

総選挙が終わったのだ。
事前の報道でいろいろ言われていたけど、選挙結果はかなりの精度で予測されていたよね・・・。
そして、各局の選挙特番でも、開始と同時に発表される予想議席数は大きく外していないのだ。
いやはや、すごい世の中だ。
この予測の精度向上に大きく貢献しているのが出口調査なんだよね。

出口調査をする前は、電話や街頭アンケートによる世論調査や、各種団体・組織の支持表明の有無なんかを参考に予測をしていたんだよね。
で、その中でも一番大事なのは、投票締め切り後に各投票所で行われる票の仕分け作業の観察だったそうなのだ。
もちろん投票用紙は一票一票数えていくんだけど、開票して投票箱を開けた後、まず誰に投票されているのかで用紙を大まかに山に分けるんだって。
その後に各候補者ごとに何票あるか数えていくのだ。
で、よく開票と同時に「当確(当選確実)」が出ることがあるけど、これは圧倒的に強い候補者がいる場合、この「山分け」の作業で、まさに「数えるまでもなく」得票数が勝っていることがわかるからなんだって。
中に入って見せてもらうわけにはいかないので、双眼鏡とかでのぞいているらしいよ。

これに新たにツールとして加わったのが出口調査。
名前のごとく、投票を終えた人を捕まえて、どこに投票したかを聞き出す調査だよ。
でもでも、全部の投票所で調査するほど人件費をかけられるわけでもないので、当然のことながら、テレビの視聴率調査のような標本調査を行っているのだ。
まずは調査を行う投票所を抽出し、さらに、その投票所で投票した人の中で一部の人の声をかけるのだ。
地方の選挙区によっては投票者が少なすぎて統計調査に使えない投票所もあるので、そういうところをまず除外し、かつ、特定の支持者層・支持団体が多く占めている地域というのもあるので、そういうのも加味しながら選ぶんだって。
完全な無作為抽出ではないけど、逆にこうした方が精度はよくなるのだ。

声をかけるときは、一定の時間間隔で声をかける、或いは、何人ごとに声をかけるなど、こっちはできるだけ無作為な抽出をするみたい。
でも、高齢者ばかりに聞いてもバイアスが出るし、男女比なんかも影響するから、実際には年齢層、性別なんかも加味しながら声をかける人を現場の判断で決めているのだ。
ボクが投票に行く投票所では時々調査が来ているけど、なかなか声をかけてもらえないんだよねぇ。
しばらくあたりをうろついたりもしているんだけど(笑)

サンプル数は決して多くないんだけど、事前の世論調査・電話調査や、さっきの開票後の山分けの様子の観察なんかと合わせて総合的に判断するので、かなりの精度で予測ができるようになったんだよね。
出口調査の方法自体も洗練されてきているので、理想的な無作為抽出による調査と比べてそんなに誤差が大きくないとも言われているよ。
ただし、最近増えてきている「期日前投票(きじつぜんとうひょう)」の結果は反映できないという欠点はあるんだ。
もともと期日前投票は何が何でも一票を投じる、という固い決意の人が行うもので、そうなると、特定の政党・候補者を支持していたりする場合があるので、当日の投票所での投票行動と傾向が異なると考えられているのだ。
実際、事前に誰に投票するか決めずに行って、その場で判断することもあるよね。

とは言え、当日の票読みにおいては極めて有用なツールであることは明らかで、だからこそ新聞、テレビ、マスコミ各社は手間とお金をかけてやっているんだよね。
「当確」を早く出すとこにどこまで意味があるかは正直よくわからないけど、当日開票の選挙報道では速報性が重視されがちなのだ。
テレビ東京のように、選挙特番というコンテンツ自体をおもしろくするという工夫も出てきているけどね(笑)
ただし、新聞紙面は締め切りの関係で開票が終わるのを待っていられないという事情もあるから、どのみち精度よく数字を出すには必要な調査なんだよね。

で、完全ではないにしても、かなりの精度で投票行動のトレンドがわかってしまうので、原則として出口調査の結果は投票終了後にしか出さないことになっているのだ。
途中段階ではおおようするとその後の投票行動に影響を与える可能性があるから。
例えば、あの候補は僅差で負けそうだから動員をかけろ、とか。
でも、最後の最後に集計していたんじゃ投票終了後に予測を出せないので、基本的には随時データを送り、集計はしているみたい。
その部署では、選挙のトレンドがリアルタイムでわかるんだよね。
ちょっと興味あるかも。

0 件のコメント: