2015/09/12

自動販売機のジュースは当たるのか?

テレビを見ていて知ったんだけど、当たり付の自動販売機って、当たりの出る確率を設定できるんだね。
ただし、当たりの確率はどこまでもあげられるわけじゃなくて、最大で2%まで。
つまり、50本に1本の確率以下でしか当たらないのだ。
どうりで当たったことがないわけだ・・・。
そのテレビのインタビューでは、自動販売機会社からは、通常は1%(つまり、100本に1本)の割合で設定することをベースに設置者との間で調整するんだって。

この2%というのは業界の申し合わせとかじゃなくて、法令に基づく基準なのだ。
一般に「景品表示法」と言われている「不当景品類及び不当表示防止法」の第4条では、「内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。」と規定して、景品でむやみに消費者をつるようなことをしてはならない、としているんだ。
これに基づいて公正取引委員会告示が出されていて(現在は法律の所管は消費者庁の所管になっているよ。)、その中で決まっているんだ。

その告示は「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」というもので、その中では「懸賞により提供する景品類の総額は、当該懸賞に係る取引の予定総額の百分の二を超えてはならない。」と定められているんだ。
自動販売機の場合「取引の予定総額」というのは、売上げ総額の予定額になるので、想定される売上げの2%以内でしか景品(この場合は当たりが出た場合の商品)を提供できないんだ。
これが当選確率が最大で50分の1の根拠なんだって。
自動販売機の場合、全く当たりが出ない設定と、当たりを出す場合は1/990~1/50で設定できるようになっているのが標準的みたい。
0.1%なんて設定もあるんだね(>o<)

ちなみに、景品の価格にも規制があって、5,000円以内の商品であれば20倍まで、5,000円以上は一律10万円が上限だよ。
缶コーヒーの懸賞でジャンパープレゼント、なんていう場合は、1本だけで応募できる、としてしまうと、景品は120円×20=2,400円以内におさめないといけなくなるんだよね。
これがシールを20枚集めて応募とすると、さらに20倍できるので、48,000円と高額商品も設定できることになるよ。
ただし、景品自体の価格が上がっても、景品全体で2%の枠は係るので、高額商品であればあるほど当選確率は下げざるを得ないのだ・・・。
自動販売機で当たらないんだから、缶コーヒーのジャンバーなんてさらに当たらないわけだよ(笑)
ジャンバーなどのキャンペーンの場合、通常は○○名様に当たる、というようにやるはずなので、おそらくは過去の売上げ実績から推定して2%の枠内に入るように景品の価格を設定しているはずなのだ。
普通は安全側で設定するはずなので、当選確率はますます下がるはずだね。

さらに、応募者全員プレゼントとなると、完全に2%以内のものしかもらえないというわけだよね。
ボクも今、一生懸命シールを集めているんだけど、コンビニのパンなどについているシールを集めて食器をもらうキャンペーンなんかがそう。
100円当たり1枚というシールを40点分集めるとすると、100×40×2%=80円ということになるのだ。
そうなると、景品としてもらえるのがオリジナル商品だとしても、マグカップやら皿やらの原価は80円程度に抑える必要があるんだよね。
だから中国製が多いのかな?

正直、必ずもらえる、という方が抽選でもらえるより魅力的なんだけど、当選確率の分だけ景品の価格は抑えなくてはいけないので、痛し痒しなんだよね。
ま、それを野放図にしたら大変なことになる、というので法律があるんだろうけど。
赤字覚悟で商品でつって売上げを伸ばし、独占又は寡占したところで一気に値上げ、というのがないとは言えないのだ。
でも、実はこうやって景品のレベルを法的に枠ではめていてくれた方が、貪欲な消費者のニーズにとことんまでつきあわなくてよくなるから、企業側にもメリットがあるのかも。

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