2016/03/05

四年たったらまた会いましょと♪

今年は夏季五輪の開催年。
ということは、閏年だったのだ。
2月が1日増えて29日間になるわけだけど、今のような形で4年に一度「閏日」が挿入されて暦の調整がなされるようになったのは古代ローマ時代なんだって!
帝政ローマの礎を築いた、かのユリウス・カエサルの作ったユリウス暦かららしいのだ。

古代ローマで紀元前8世紀にできたロムルス暦では、そもそも農閑期の冬の期間はカレンダーに含められていなくて、10ヶ月+冬期間で1年という感じだったんだって。
この場合、冬の期間は具体の日数が定められていないので、閏年とかを気にする必要がなかったのだ。
毎年毎年、季節の進行に合わせて暦を開始すればいいわけだからね。
1年を通してカレンダーがないとか言われると奇異に感じるけど、あくまでも1年の季節の移り変わりを知るための目安としての暦を考えると、あながち間違ってもいないのだ。

1年が12ヶ月になるのはその次に出てきたヌマ暦。
紀元前7世紀前後の話だよ。
ロムルス暦では、今で言う春の3月が1年のはじめで、冬になる12月で暦は終わり、残りは「冬」だったのだ。
ここに新たに今で言う1月と2月を加えて12ヶ月にしたんだ。
俗に、ユリウス・カエサルにちなむ「July」とアウグストゥス(オクタビアヌス)にちなむ「August」を挿入したため、10月の「October」の「octo」は「octopus(たこ)」からもわかるようにもともと「8」を意味するものだったのが、ずれて10月になった、なんて言われるよね。
でも、古代ローマの暦は、もともと3月から始まるので、今で言う10月は3月から数えて8番目の月だったのでそのとおりなのだ。
7月と8月は、それぞれ「5番目の月」、「6番目の月」と呼ばれていたものが改称されただけだよ。

このヌマ暦では、各月は29日又は31日(年末の2月は28日間)で、トータルで355日しかなかったらしいのだ。
このままだと1年で10日間強ずれていってしまため、2年に一度閏月を入れて調整したんだ。
その場合、2月を23日又は24日に短縮した上で、その後に27日間の閏月を入れたんだそうだよ。
でも、この閏月の挿入は古代ローマの戦乱による混乱の中で適切に行われず、カエサルの時代まで来ると季節の進行と暦が2ヶ月近くずれてしまっていたらしいのだ!さすが元祖ラテン気質。
そこで、平年を365日にして、4年に一度の閏年を365日にするよう暦を改めたのだ。
これがユリウス暦なんだけど、このとき「5番目の月」を「ユリウスの月」に変えたんだ。

でも、やっぱりラテン気質は変わらないのか、4年に一度なのに3年に一度閏日を入れてみたりとやはり混乱していたようなのだ。
それをただしたのがアウグストゥスで、入れすぎた閏日を一旦停止して日数を調整し、紀元8年から正しく4年ごとに閏日を挿入するようにしたそうだよ。
なんだかなぁ、という話だけど(笑)
ちなみに、このとく「6番目の月」が「アウグストゥスの月」に変わったのだ。

ところが、太陽を基準とした1年は、このユリウス暦をもってしても1年で11分くらいずつずれてしまうのだ(>o<)
時代が下って16世紀の後半になると、春分の日が10日ずれるというところまで来て、改暦が行われることになるのだ。
それで出てくるのがグレゴリオ暦。
これが現在でも使われているもので、400年間に97回の閏年を挿入するのだ。
すなわち、西暦で400の倍数以外の100の倍数の年には閏年は入れないんだよね。
2000年は閏年だけど、1900年や2100年は閏年ではないのだ。
ただし、本当はこれでも微妙にずれるので、「閏秒の挿入」みたいな話が時々出てきているのだ。
これは原子時計で超精密に時間測定ができているからなんだけど、16世紀にはもう現代でも通じるような暦法ができていたのはすごいよね。

ユリウス暦ができた際、どこに閏日を挿入するかが問題になるわけだけど、すでに新年のはじめを1月1日に指定していたにもかかわらず、やっぱり2月の末日にしていたのだ。
これはまだその当時2月が1年の終わりで、自然と調整弁になるという意識なのかもしれないけど、このユリウス暦はいっせいにローマ領内で導入されたわけではなく、徐々に広まっていったので、致し方なかった面もあるんだよね。
ローマの祭礼の日も多かったので、2月は28日間のママで据え置かれていたようだし、それが混乱を防ぐ策だったのかも。
ちなみに、当時は日数が増えると2月中の祭礼の日程がずれるので、2月24日を繰り返すという形式だったようだよ。
この24日に入れるというのは明らかにその前のヌマ暦の閏月の入れ方が残っているよね。

というわけで、2月に閏日が入るのには歴史的な経緯があったのだ。
なかなか奥が深いねぇ。
明治になったときにもう完成されていたグレゴリオ暦を採用した日本としては、正直「何でだろう?」としか思わないよね。

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