2016/09/17

片手はパンでふさがっています

パリに来てびっくりしたのは、街行く人が普通にフランスパン(バゲット)を持っていること。
しかも、紙一枚がくるっと巻いてあるけど、そのままわしづかみ。
さらに、先端が少しかじられている・・・。
フランスでは買い物したときに袋をもらうとお金がかかるので、自分でエコバッグを持ち歩くことが多いのだけど、バゲットは手づかみなんだよね。

フランスに来て外食すると、それこそフランス人は肉や魚などのタンパク質ばかり食べて、日本におけるごはんのような炭水化物の主食をあまり食べないのだ。
もちろん、輪切りのバゲットは食べるけど、主食というほどではないよね。
では、本当に毎日のように見かけるバゲットを持った人たちはどこでそれを食べているのか、すごく気になったのだ。

どうも、フランス人は、家でごはんを食べるときは、かなりバゲットを食べるみたい。
っていうか、あさごはんは、縦半分に切ったバゲットにバターとジャムを塗ったタルティーヌを食べ、昼と夜はメインの料理に輪切りのバゲットを食べるのだ。
スープやサラダだけでなく、パスタや米料理にも!
そして、余ったバゲットは、フレンチトーストにしたり、スープの具にしたり、クルトンにしたり、ペットのえさにしたり。
これならかなりの量を消費していてもうなずけるかも。

どうもフランス人はお気に入りのパン屋(ブーランジェリー)というのがあって、そこのパンを買い続けるのが基本だそう。
なので、外食時にはきっとあまりそこのバゲットは気に入っていないのだ(笑)
ということは、外食時のバゲットは控えめで、うちで食べるときは多め?
こだわりの強いフランス人なので、さもありなん、という感じ。
そうでないと、毎日のようにあの長いバゲットを買う理由が見つからないよね。

フランス人の朝食というとクロワッサンを思い浮かべるんだけど、実はバゲットの方が主流みたい。
クロワッサンはフランス流では「菓子パン」である「ヴィエノワーズ(ウィーン風パティスリー)に分類されていて、主食たる「パン」ではないみたい。
なので、「パン屋」である「ブーランジェリー」と、「菓子パン屋」である「ヴィエノワズリー」は区別されているのだ!
たいていは「洋菓子屋」の「パティスリー」もあわせて同じ店でやっていることが多いけど。

これは厳格に法律などのルールでも分かれているのだ。
フランスにおけるフランスパンは、小麦粉、水、塩及びイーストのみを原料とすることが決まっているんだって。
せいぜい麦芽(モルト)を足すくらい。
なので、砂糖やらバターやらがたっぷり入った「菓子パン」とは異なる存在なのだ。
もともとグルテン含有量の少ないフランス産小麦でおいしいパンを作るために、と工夫を重ねて生み出されたものみたい。
といっても、バゲットが今の形になるのは20世紀に入ってからで、それまでは丸い大きなパンダ他みたいだけど。

そして、「ブーランジェリー」と名乗るのも大変なのだ。
法律で決められていて、パン職人がいて、自分で小麦粉を選び、店内でタネをこね、焼き上げないといけないんだって。
日本のパン屋さんのように、どこかでパン生地まで作っておいて、それをお店で焼くだけではだめなのだ(>o<)
これは厳しい!
それだけフランス人は「フランスパン」に対するこだわりが強いというと。
日本でも、お米はどこ産がいいとか、炊き方はかため/やわらかめがいいとかこだわるけど、なんだかそれ以上だよね。

ボクもフランスになれてきたら、バゲット片手に歩いてみるかな?
といっても、一人じゃそんなに消費しきれないよね・・・。
まさにパンだけ食べる生活になりそうだ。
でも、おにぎりだけでごはんをすませることもあるから、フランス人にとっては普通なのかも。

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