2017/02/11

定期的に入れ替えよう

職場で備蓄食料の入れ替えがあったんだよね。
どんなものが備蓄されているのかはまったくしらなかったんだけど、古くなったものでまだ消費期限が来ていないものは「御自由にお持ち下さい」となったので、どういうものがあったのかそこではじめてわかったのだ。
実際に出てきたものは・・・。
缶詰!
ミートソースのラビオリと、ほうれん草、それにシュークルーと(酢漬けキャベツの煮たもの)。
日本だともっといろんなものがあったけど、フランスだとそんなに日持ちするような食料品がないのかなぁ・・・。

そもそも長期保存可能な食品としてナポレオン時代に瓶詰めが発明されたんだよね。
ナポレオンは長期遠征をしたので必要だったのだ。
同時期に発明されたのがブランデー。
これも長距離持ち運べるようにとの工夫。
でも、便だと割れる危険があるし、重いので、やはり携行には不便な点も多かったのだ。
これに対し、英国で缶詰が発明されたんだよね。
ガラス瓶より丈夫な金属の容器に入れる、というものだったんだけど。
そうして、便利な缶詰はその後いろんな工夫がなされ、様々な食品が長期保存できるようになったのだ。
今では缶切りが不要なものが主流になりつつあるよね。

缶詰は、中身を詰めて密封してから加熱加圧滅菌するので、保存性はきわめて高く、通常は数年はもつのだ。
普通のものでも2~3年。
長いものだと5年以上。
入れ物自体が頑丈で積み重ねられるので、備蓄食料として保存するには適しているんだよね。
ただし、缶詰はどうしても製造工程上熱を通す必要があるので、たいていは蒸したもの・煮たものになってしまい、味が単調になりがちなのだ。
たまに食べるのはいいにしても、非常時に毎食食べるにはちょっときついものがあるよね・・・。

日本では、伝統的には塩漬けや乾物が備蓄食料として食べられてきたのだ。
この延長線上にあるのが先の大戦時に普及したアルファ化米。
もともとは伊勢物語の「東下り」にも出てくる「糒(ほしいい)」で、米を炊いてから乾燥したもの。
むかしは天日干しだったので、水でふやかして戻しても炊いたお米とは別物だったんだけど、アルファ化米はお湯で戻すと炊きたてとはいかないまでも、そこそこのごはんが食べられる代物なのだ。
戦後も非常食やレジャー(特に山登り)の携行品として重宝されたんだよね。
この発想の少し先にあるのは即席麺。
乾燥した麺をお湯で戻すわけだけど、カップ麺ならお湯を注ぐだけでできるし、けっこうおいしいので、多くの家庭では非常食として備蓄されているのだ。
ただし、カップ麺の賞味期限は6ヶ月と意外に短く、消費期限で考えても1年は越えないので、備蓄食料という点で保存性に劣るものなのだ(>_<)

ところが、非常時にはそのお湯さえも手に入らないことが多いんだよね・・・。
なので、伝統的な乾パンなんかが備蓄食料としては重要なのだ。
最近では、密閉缶に詰められてより保存期間が長くなったものもあるよ。
似たようなもので、コアラのマーチとか、食パンの缶もあるのだ。
フランスでもこういうのがあるとよいのだけど、バゲットでもクロワッサンでもこだわりが強いから難しいのかな・・・。

お湯がなくてもなんとかなるものとしては、レトルト食品があるのだ。
もともとは米陸軍の携行食品の保存性を高める技術として開発されたものなんだけど、アポロ計画で宇宙食に採用されて一気に注目度が上がったのだ。
ところが、米国では巨大な冷蔵庫が普及していて、冷凍食品を使うことが多かったので、米国ではあまり発展せず、日本で発展することになるのだ。
ボンカレーは山登りのともとしておなじみだけど、今では様々なレトルト食品があるよね。
温めた方がおいしいけど、非常食として売られているものは温めなくてもおいしく食べられる、というものもあるよ。
そして、アルファ化米がいまいち好きになれないという人のために、パックごはんもあるのだ。
ごはんはデンプンが糊化して固くなっているのでさすがに温めないと食べづらいとは思うけど・・・。
レトルトの場合は缶詰ほどではないにせよ、1~2年は保存できるので、備蓄するにはカップ麺より優秀なのだ。

さらに最近の技術として出てきているのはフリーズドライ。
これも宇宙食で採用されて注目を集めたものだけど、普通の乾燥食品よりおいしくもどせるんだよね。
お湯さえあればおいしく食べられるし、保存性も高いのが魅力なのだ。
何より、コンパクトで軽量にできるので、携行性が高いんだよね。
そういう意味では、備蓄するというより、お湯が手に入る状況での携行食としての方がその真価が発揮できるのだけど。
でも、ごはんがあればお味噌汁もほしいところで、フリーズドライのお味噌汁はなかなか魅力的なのだ(笑)

いずれにしても、やっぱり消費期限はあって、永遠に保存できるものではないので、備蓄をしつつ、保存期間をチェックしながら古くなったものは入れ替えていくのが大事なんだろうね。
でも、入れ替えるときに古いものは消費することになるから、やっぱりおいしく食べられることも大事そうなのだ(笑)
そうでないと、そもそも備蓄をしなくなってしまうんだよね。

0 件のコメント: