2017/10/21

フライには・・・

先輩がパリに出張に来ていたので、一緒にカフェレストランで食事をしたんだよね。
で、まったくフレンチじゃないんだけど、ついつい気になっていた「フィッシュ&チップス」を頼んでしまったのだ(笑)
フランスのやつはフライドポテトとタルタルソースがおいしいから!
実際、イギリスのより洗練されている気がする。
この白身魚のフライには、レモン汁や酢、タルタルソースが合うよね。
でも、どうしても、日本式のソースも恋しくなるのだ。

米国にいたときは、スター・ソースという揚げ物用のソースがあって、見た目は日本のウスターソースそのものなんだけど、ものすごく酸っぱい!
欧米ではフライは酸味で食べるみたい。
日本式のちょっと甘めのソースがいいんだよなぁ。
もちろん、自宅でフライの時は中濃ソースさ。

いわゆる「ソース」の発祥はイギリスのウスター・シャー。
19世紀初頭に、とありう主婦が、食材のあまりと調味料を一緒に入れて保存していたら、ソースが出来ていたんだって。
って、どれだけ保存していたんだろう・・・。
現代の冷蔵庫の奥地にあるミイラ食品のようだね・・・。
それはそれとして、工業的に作られ始めたのは19世紀前半。
インドのソースの作り方が伝えられ、イギリス式に改良して、ちょっとスパイスのきいた黒いソースが作られるようになったのだ。
これがウスターソースのはじめ。

イギリスのウスターソースのレシピでは、モルトビネガーに漬けて発酵させたタマネギ、ニンニクに、タマリンド、アンチョビなどを加え、そこに各種香辛料を入れたもの。
日本ではアンチョビは入れず、スパイスも抑えめ。
イギリスのソースはフライにどばどばかけるものではなくて、シチューやスープに数滴垂らして隠し味に使うものだとか。
コクを加えるということかな。

日本にこのウスターソースが伝わったのは明治になってから。
当初は受け入れられなかったものの、日本人の舌に合わせたものが開発され、徐々に広まっていったみたい。
戦後になると、粘度を高めてとろっとさせた「とんかうソース」が出回るようになり、定番になっていくのだ。
中濃ソースはウスターソースととんかつソースの間で、どちらにもいける、ということで更に後になって開発されたみたい。
俗に、東日本ではブルドックの中濃ソースが好まれ、西日本では、カゴメやイカリのとんかつソースが好まれると言われているのだ。
もちろん、広島はオタフクソースじゃけん!

現在では、日本農林規格(JAS)で分類がきちんとされていて、粘度が0.2パスカル秒未満のものがウスターソース、0.2~1.9パスカル秒の間のものが中濃ソース、2.0パスカル秒以上のものが濃厚ソースとなっているんだ。
濃厚ソースというのがいわゆるとんかつソースだよ。
デンプンを加えて粘度を高めているのだ。
このほか、個別にお好み焼きソース、焼きそばソース、たこ焼きソース、どろソースなど用途別のソースが生み出されたそうだよ。

しかしながら、歴史を見ると、世界的にも出てきたのはほんと200年ほど前で、それがけこうすぐに日本にも来ているんだね。
でも、一般家庭に常備されるようになるのは戦後からというのもまたおどろきなのだ。
当初は洋食屋さんのものということだったのかな?
今ではソース味のものは「和」という感じだけどね。

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