2018/08/11

エビとカニの間

夏休みに北欧に行ってきたのだ。
夏の時期の北欧名物と言えば、ザリガニ!
ゆでられたザリガニが山のように積まれて出てくるよ。
特にスウェーデン人はザリガニが大好物で、それがフィンランドにも広まったんだって。
ボクが食べたのは、オスロからコペンハーゲンに船で移動している最中なのだ。

日本ではどうしてもザリガニはくさいというイメージがあるよね。
在来種の日本ザリガニは北日本に生息していたんだけど、こちらは冷たくきれいな水に住むので、メジャーではないにしても食べられてきたらしいのだ。
ところが、昭和初期にウシガエルのえさ用として日本に導入されたアメリカザリガニはあっという間に日本各地に広がり、今ではザリガニと言えば赤いアメリカザリガニをイメージするよね。

ところが、このアメリカザリガニは、米国南部原産で泥地を好み、雑食性でなんでも食べるので、くさみがあるのだ。
特に、街中で見かけるアメリカザリガニは排水溝とか沼、用水路、水田なんかにいるんだけど、どれも泥臭い・・・。
きれいな水の中で泥抜きをすれば食べられるらしいけど、日本ではそこまでして食べないんだよね。
ところが、米国、特にルイジアナ州ではよく食べるらしいのだ。
多少のくさみはあっても、南部料理伝統のケイジャンのスパイシーな味付けにして食べるみたい。
名物料理になっているよ。

欧州で伝統的に食べてきたザリガニはヨーロッパザリガニ。
河川や湖沼に生息しているんだけど、生息環境の悪化や乱獲(主に食用)などにより個体数が激減。
今では希少種になっていて、代用でウチダザリガニが養殖されているそうなのだ。
このウチダザリガニは、米国北部原産の冷水性のザリガニで、他のザリガニより少し大きめ。
スウェーデンにカリフォルニアから導入され、広まったんだって。

ヨーロッパザリガニは秋の10~11月頃が繁殖期なので、あまりとれなくなってからは夏の短期間のみザリガニ漁が解禁されたんだよね。
で、そのときにザリガニを大量に食べる「ザリガニ・パーティ」というイベントもできたのだ。
スウェーデンでは非常にメジャーで、8月の終わり頃にみんなで集まってひたすらザリガニを食べるらしいよ。
ただし、今ではウチダザリガニを食べるらしいけど。
ちなみに、大量のザリガニを食べるけど、ザリガニだけでなく、他のパーティ料理もあるんだって。

最近では中国でもザリガニの消費が増えているようなのだ。
中国は欧州への輸出向けにウチダザリガニの養殖をしているようだけど、そっちではなく、アメリカザリガニを食べているようなのだ。
やっぱり中華風のスパイシーな味付けにしていて、ジャンクフードとして人気みたい。
ザリガニ専門店もあるとか。
中国は人口も増えているし、いろんな食べ物を取り入れる気質があるから、なんでもありだね(笑)

ちなみに、ザリガニは肺吸虫の中間宿主となるので、よく火を通すことが肝心なのだ。
仮に食べる場合は、よくゆでた方がよいよ。
北海道ではウチダザリガニが外来種としてかなりはびこっていて、駆除活動で何万匹も捕獲されるんだって。
それをゆでたものが食材として流通しているとか。
でも、日本で買うとエビやカニに比べて高いみたい。
そこまでして食べたいか、ってことなんだよね(笑)

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