2018/08/04

木陰に憩う

パリは気温はそれほどでもないんだけど、日差しが強くて熱い!
日向と日陰で全然体感温度が違うのだ。
日向では太陽光の熱をじりじりと感じるよ。
そんなときに助かるのが街路樹。
ちょっと木陰に入るだけで一気に涼しくなるからね。

欧州に多い街路樹はなんと言ってもマロニエとプラタナス。
プラタナスの和名はスズカケノキで、丸い球状の果実がぶら下がるようになることからついた名前だよ。
山伏の包囲で丸いふさふさがぶら下がっているけど、あれを鈴懸の法衣というそうで、そのイメージなんだって。
街路樹としてメジャーなのは、モミジバスズカケノキ。
欧州から西アジアにかけて自生していたスズカケノキと米国に自生していたアメリカスズカケノキの交雑種で、英国で作られたものだそうだよ。
日本には明治期に導入され、街路樹になったようなのだ。

スズカケノキはカエデのように切れ目の入った大きな葉が特徴。
このおかげで心地よい木陰を提供してくれるのだ。
その切れ目の深さは、スズカケノキが一番深く、アメリカスズカケノキは浅いんだ。
なので、葉を見るとどれかは一応わかるらしい。
もっとわかりやすいのは実のなり方。
スズカケノキは3~6個、モミジバスズカケノキは1~3個、アメリカスズカケノキは1個というようにぶら下がっている数が違うので、実のぶら下がり方で区別できるんだ。
日本で街路樹に使われているのは多くはモミジバスズカケノキだよ。

もともとは池辺や湿地などの水の多いところに生えているものらしいんだけど、乾燥にけっこう強いんだって。
それで街路樹に向いているのだ。
ただし、成長には強い日照が必要なので、開けたところに植える必要があるよ。
うっそうとした中では成長できないのだ。
成長が早いので、何もない道に街路樹として植えると、数年で立派な木陰を提供するようになるみたい。

スズカケノキの見た目の特徴は、その大きな葉だけではなく、樹皮もあるのだ。
ところどころ樹皮がまだらにはがれるんだけど、それが迷彩柄になっているんだよね。
これもプラタナスの特徴なのだ。
樹皮がはがれ落ちるようになっているのは、樹皮に規制する害虫への防御と考えられているみたい。
なんかペリペリしていてはがすのも楽しそうだけど・・・。

プラタナスは落葉広葉樹なので、その大きな葉が秋にさしかかるとはらはらと落ちるのだ。きれいに紅葉するわけではなく、葉が落ちるだけなんだけど、その落ち葉が道を覆い尽くす風景は一つの風物詩になっているよ。
フランスの場合は8月になるともう葉が落ち始めるんだよね。
国内だと、新宿御苑の仏式庭園のプラタナス並木が有名かな。
秋バラが終わると葉が落ち始めて、枯れ葉の絨毯ができあがるのだ。
日本にいたときはどこか西洋風でおしゃれなイメージだったけど、パリではどこでも見られるような当たり前のものなんだよね。
観光で来るときれいだなぁ、と思うけど、もう慣れちゃった(笑)
それよりも、夏場に日陰を提供してくれるのがとにかくありがたい。

0 件のコメント: