2018/08/18

遭難したら、上を目指せ

山口の二歳児が行方不明になっていた事件について、「歩くボランティア」とも言われるスーパー・ボランティアの尾畠さんが山中の沢のような場所で無事発見したのだ。
命が危ぶまれていただけに、無事に見つかってよかった!
それにしても、この尾畠さんの「感」がすごいんだよね。
前に同じように山中で行方不明になった子供を見つけたことがあって、そのときの経験から、「子供は下ることはない」と思って、上の方を探したら、まさに見つけた、ということ。
飴をあげたことで非難もあるようだけど、この人の行動力や感はすごいものだよ。
実際に助けているしね。

で、実は、この子供のとった「上に行く」というのは、山中で迷ったときに適切な行動なのだ。
ついついなんとか下山しようと下へ行きたくなるんだけど、それは危険なことと言われているよ。
もともと迷っているという時点で登山道から外れているわけだけど、登山道でないところは足下もおぼつかないし、疲労が蓄積されている中でそういう中を進むのが危ない、というのが一点。
また、登山道でないところは、崖があったりしてそもそも進めないことも多いのだ。
特にやってはいけないといわれるのは、沢伝いに下りていくこと。
水の流れがあると、その流れに沿って進みがちなんだけど、沢は特に滑りやすいし、なんと言っても、山中には滝も多いので、進んだはいいがもどれなくなることも多いのだ。

では、どうすればよいか?
答えはその逆で、上へ上へと行くこと。
ちょっと考えれば簡単なんだけど、上に行けばいつか頂上や尾根に出られるんだよね。
で、登山道っていうのは頂上や尾根に向かうものなので、そこまでたどり着ければ、いったん見失った道を再発見できる可能性が高いのだ。
しかも、頂上や尾根まで出られればうっそうとした林も抜けるので、縁による捜索隊からも見つけやすいし、携帯や無線がつながる可能性も上がるんだよね。
なので、むしろ水の流れを見つけたら、その上流を目指す方がよいのだ。
その意味で、「上に行った」という子供の本能的な行動は正しかったんだよ。

ちなみに、闇雲に上を目指せばよいかというと、そういうわけでもないんだよね。
当たり前のことだけど、日が暮れて暗くなったら安全な場所で動かず、朝が明けるのを待つのが大事。
すでに登山道を外れていて足下は悪いので、暗くて先が見通せない時にそんなところを歩くべきではないのだ。
体力の温存にもつながるので、できればどこかでビバーグをして夜を明かすのが大事。
こういうリスクもあるので、山を登る際は、保温性も高い雨具(レインコート)を持っていくとよいんだよね。
それと、もしものときのための非常食。

実は、高い山よりそこそこ低い山の方が遭難する人が多いんだって。
侮って装備が不十分だったり、低いから下りられるだろうと下に行こうとして滑落したり。
登山する際はリスクをしっかり意識して、備えるべきなんだよね。
道に迷ったらまず来た方に戻る。
それがわからなかれば上を目指す。
暗くなったら下手に動かず明るくなるのを待つ。
こうした基本をたたき込んでから行くべきなのだ。
ま、ボクは登山をするわけじゃないんだけどね(笑)

0 件のコメント: