2018/11/03

似ているようで違う

フランス語ではレモンは「citron(シトロン)」なんだけど、よくよく見ると、「citoron vert)」であることがあるんだよね。
「vert」は「緑の」という形容詞で、そのままだと「緑のレモン」ってことなんだけど、これは「ライム」を指しているのだ。
日本にいたときはライムとレモンをあんまり比べて考えることはなかったけど、確かにいろ意外は似ているような・・・。
というわけで、ライムとレモンの違いを調べてみたのだ。

実はどちらもインド近辺を原産とする柑橘類でミカン科ミカン属。
レモンはヒマラヤ東部原産で、ライムはインドからミャンマー、マレーシアにかけての熱帯地域の原産だって。
ちなみに、レモンの近縁種で原酒とも言われるシトロン(クエン、クエン酸の「クエン」だよ。)はインド東部のガンジス川上流部の高地。
どれも酸味の強い果汁が特徴なのだ。
古代インドに酸っぱい柑橘類が自生していたってことだね。

レモンやシトロンは早くも紀元前の時代に古代ローマや古代中国に伝来していたんだ。
イタリアではシチリアレモンが有名だけど、地中海地域での栽培が始まったのも相当古い時代みたい。
ライムはいつの時代かはっきりしないけど、アラビア人により西洋世界に持ち込まれたんだって。
どれも寒さに弱いので、比較的あたたかい地域で育てられるようになったみたい。

レモンやライムが世界的に広まるのは大航海時代。
ビタミンC不足による壊血病を予防するため、レモンは重要な果実だったのだ。
で、同じように酸味の強いライムも採用だれたんだけど・・・。
なんと、ライムはレモン以上にビタミンC含有量が低く(半分くらい)、壊血病予防にはあまり役に立たなかったのだ!
英海軍はライムジュースを予防用に正式採用していたんだけどね(>_<)
でも、このおかげでレモンやライムは新大陸にも伝わり、栽培されるように。
大航海時代にそのままでは酸っぱい果汁をおいしく飲むために、お酒に混ぜられることが多かったみたいなんだけど、その名残が各種のレモンジュースやライムジュースを使ったカクテルだよ。

ちなみに、ライムもレモンもその酸味はクエン酸によるもの。
よく酸っぱい=ビタミンC含有と誤解されるけど、違うのだ。
ビタミンCだけならイチゴとかの方が含有量が多いよ。
でも、柑橘類は果物の状態でもわりと日持ちがするし、果汁を搾ってジュースがたくさんとれるしで、大航海時代に携行するには非常に便利だったのだ。
キャベツを発酵させたザワークラウトともに海の旅の必需品だったんだよ。

ライムも完熟すると果皮が黄色くなるようなんだけど、そうなると酸味がなくなってしまうんだって。
そのため、青いうちに収穫するのだ。
レモンも最初は青いんだけど、黄色くなっても酸味が残るし、その方が香りが強いので、黄色くなってから収穫するんだ。
ボクは最初「シトロン・ヴェール」は青いうちに収穫したレモンかと思って思っていたんだけど、そんなわけじゃないんだよ。

ライムには大きく分けて二種類あって、タヒチライム、ペルシアライムと呼ばれる大きめのもの(それでもレモンよりは小さい)と、より小ぶりのメキシカンライム、キーライムと呼ばれるものがあるのだ。
キーライムってよくお菓子のフレーバーなんかにあるやつだよね。
日本に輸入されている多くはタヒチライムだそうで、キーライムはあまり見かけないみたい。
キーライムは酸味が強く種があるんだけど、タヒチライムは酸味がまろやかで種がないそうなので、日本にとってはそっちの方が使いやすいのかもね。

0 件のコメント: